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・簗農相の更迭で高市政権の支持率も少し下がったようだ。当然だが、この政権を支持する人がまだたくさんいることに不思議な気がしてしまう。高市首相のやっていることはお粗末なことが多いし、危険だと感じることも少なくないからだ。簗農相の更迭に際して、彼女は「ダサい」ということばを使った。農相がしたことの問題は、選挙区で支持しなかった首長のいる市や町の道路予算を国交省に圧力をかけて減額させたことにある。あるいは選挙活動で支持者を無料で用意したバスで運んだことが選挙法に抵触するといった疑いである。しかし「ダサい」というのは、その問題自体に対してではなく、簗農相の答弁に向けたもので、彼女はその「言い訳が格好悪い」と評したのである。 ・前回の衆議院選挙で簗は落選して比例復活している。それを根に持っての選挙区自治体に対する仕打ちだが、選挙中に高市は応援に行って「私の大事なやなちゃん、知恵袋のやなちゃんがいなかったら本当に大変です」とまで言ったが当選できなかった。しかし、よほどのお気に入りだったのか、比例復活なのに農相に抜擢したのである。彼は裏金議員として24年に役職停止6ヶ月の処分を受けている。第二次改造内閣には彼の他にもう一人文科大臣に就任した関 芳弘がいるし、副大臣や政務官には10人も登用しているのである。当然世論もこのような改造内閣には厳しく、毎日新聞の調査では評価するが23%で、しないは39%だったが、おかしなことに政権支持は微増したのである。 ・すでに「高市・トランプとメディアの対応」でも書いたが、高市首相の訪米での行動はお粗末そのものだった。しかし、マスコミはそのことに触れず、むしろかつての日本を敵国にしたことを理由に米中の親密さを強調したことに批判の矛先を向けたのである。第二次大戦中の中国と現在の体制は違うといったものだが、国共合作だったことを無視しているし、日本自体も大戦時と現在は別ものだから関係ないとでも言いたいかのようである。米中接近で高市の台湾有事発言が陳腐化していることは言うまでもないが、彼女はそれを改める気はないようだ。 ・「世界の真ん中で輝く外交」などと大見得を切ったのに醜態を晒したことに懲りたのか、高市首相はオンラインで開催されたG7会議に欠席をした。それが緊急に設定されたことを理由にしているが、その時間に彼女には公務がなく、麻生太郎らと会食をしていたのである。G7会議に出ても末席にいるだけで何も目立たないことは明らかだし、他の出席者のほとんどが英語での発言だから、一人通訳を介してなどはやりたくなかったのかもしれない。自分のイメージを落とすようなことはしないのが、彼女にとっては何よりの優先事項なのである。 ・日本はGDPでインドやイギリスに抜かれて世界で6位になると予測されている。政権の目玉は積極財政でAIや半導体の成長分野ヘの投資を挙げているが、この分野は日本は遅れに遅れていて、投資をしても成果が上がるかは不確かである。あるいは軍需産業への投資も掲げているが、兵器は実践で使われてこそ能力が高められるから、それができないのにどれほど魅力的なものになるのか疑問が投げかけられている。 ・今国会での政権の目玉は食品にかかる消費税を8から1%に下げるというものである。物価高騰の折から消費税が下がれば大きな支持を得られそうだが、実際はそれほどでもないようだ。理由はその財源が明らかにされていないことにある。またこの減税は限定的なもので2年後には元に戻すことになっているのである。軍事費の増額も含めて国債発行に頼る他はないのだが、政権はそのことに全く触れていない。 ・こんなひどい現状なのに高市政権の支持率は微増や微減だったりする。メディアがまともな批判をしないどころか、政権を支えるような発言をしているのが一つの理由だが、多くの人、とりわけ若い人たちには深刻な現実を見つめるのではなく、嘘でも希望を与えてくれそうな人を支持したい。そんな気持ちを感じたりするのは、老人の杞憂なのだろうか。 |
2026年10月19日月曜日
政権支持の不思議
2026年10月12日月曜日
ネットに預けた個人データが心配です
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・「Eストア」を名乗る所からメールが届き、不正アクセスによってお客様、つまり僕の情報が流出したという知らせがありました。聞いたことがない名前だったので調べたのですが、インターネットの通販サイトを支援をする企業のようでした。つまり、僕がどこに登録したのかはわからない情報が誰かによって盗み取られたというのです。流出したのは、名前の他にメールアドレスや住所、電話番号などですから、被害は迷惑メールや電話の増加程度で済むのかもしれません。しかし、その直後に知った「タイムズ」のデータ流出にはかなり心配になりました。 ・ 「タイムズ」はレンタカーや駐車場を営む会社ですが、僕は奄美大島と屋久島でクルマを借りました。その時に運転免許証のコピーを取られたかどうか、記憶がありません。「運転免許証には、住所、氏名、生年月日、顔写真など、他人が『なりすます』ために十分すぎる情報が、1枚の画像にすべて集約されています。」ですから、これを使えば、ネット銀行の口座開設やクレジットカードでの借金、あるいは各種ローンを組むことも可能だという指摘もありました。確かに、免許証は身分証明書として良く使われています。これだけで本人確認ができてしまうのであれば、どんな被害がもたらされるか。大いに心配になる出来事でした。ただし今のところ、「タイムズ」から情報流出の知らせは届いていません。 ・実際僕のところにはさまざまな迷惑メールが届きます。そのほとんどはGmailが迷惑として始末していますが、その数が最近増えているのも事実です。利用しているカード会社を名乗ったり、アマゾンやアップルや楽天、あるいは厚生労働省やe-Taxなんてのもあります。どれももっともらしいので、迷惑として処理していなければ、つい開けてしまうこともあるでしょう。気をつけなければと改めて思っています。今ではほとんど使わなくなってしまった家電話ですが、日に数回ベルが鳴ります。迷惑電話防止のために名前を名乗るように返答するボタンを押すと、ほとんどが切れてしまいます。 ・そんな物騒なことが続いている時に、パートナー宛でデジタル庁・厚生労働省から「公金受け取り口座に関する大切なお知らせ」と赤字で書かれた手紙が届きました。その内容は、「『公金受取口座登録法』の改正により年金口座の情報を厚生労働省からデジタル庁に提供し、公金受取口座として登録することが可能となりました。」というものでした。無視しようと思ったのですが,続けて読むと「登録に同意される場合には,お手続きは不要で」、同意しない場合には付属の「不同意申出書」を返送しろというのです。それをしなければ自動的に登録するというのですから、ずいぶん勝手なやり方だと思いました。もちろん、不同意のはがきを返送しました。 ・我が家では、僕もパートナーもマイナンバーカードを持っていません。国や自治体に個人情報を提供したくないと思っているからですが、それで何か不便に思うことは全くありません。国民健康保険証と同じものが確認書と名前が追加されて毎年届きます。マイナカードには運転免許証も追加できるようですが、そんなことをする必要性は全く感じていません。と言うより,大事な情報が一括して一枚のカードに盛り込まれれば,それを紛失したりしたら大変です。老人には心配の種が増えるだけなのです。それに、国に預けた情報が不正に流出しないという補償がどこにあるのでしょうか。 ・AIが本格化する時代になりました。これからはもっと巧妙に、人を騙す手口が増えることでしょう。歳とっていく者にはそんな流れについていくのは本当に大変です。と書いたら、実際には不正流出は他にもたくさんあることが報じられました。今のところ、流出したというメールは1件だけですが、個人情報の提供にはより注意を払わねばと戒めています。しかし、個人データを預かる企業や公共機関にAIの進化に対応したより徹底した管理をして欲しいと思います。難しいでしょうが念のため………。 |
2026年8月17日月曜日
広告に腹が立つ
・テレビをケーブルで見るようになって3ヶ月ほどになる。東京の民放がすべて見られるようになったのだが、面白いと思うような番組はほとんどない。というより、どこのチャンネルにあわせてもCMの洪水で、面白そうと思うほど見ていないのである。たまに何か番組を見ていても、CMになった瞬間に音無しにする。そんなことをしていたのだが、すぐに、ケーブルテレビのチャンネルに合わせることが習慣になった。河口湖のケーブルテレビは一日中、富士山の周囲に設置したカメラを流し続けている。山中湖や河口湖、西湖に精進湖、そして本栖湖の富士五湖はもちろん、朝霧高原や勘助坂から新東名、富士山の南斜面から駿河湾、御殿場、あるいは葉山から海の鳥居越しの富士山を巡回している。
・梅雨が長く、明けても天候不順の日が多かったから、雲ばかりで何も見えないことが多かったのだが、時には富士山や富士五湖がくっきり見える日もあって、それはなかなかの風景だった。それに出かける時によく通るいくつかの交差点や河口湖駅前などもあって、今日の人出は、交通量はなどとチェックすることもできるようになった。だから見たい番組がない時には、ケーブルテレビにずっと合わせておくことも少なくない。ちょうど景色が変わる一つの窓が増えた感じなのである。・少なくとも我が家では、増えた民放よりは、ケーブルのチャンネルにあわせていることが多い。面白そうな番組がなにもないし、あまりにCMが多すぎるのである。CMの間に中身がある。そんな印象を持つのだが、実際には番組全体の18%と設定されているようである。しかし見たくもないものに突然番組が妨げられるのだから、その時間は実際の何倍に感じてもおかしくないだろう。人々はこんなCMをよく我慢してテレビを見ているなーと今さらながらに感心してしまう。それとも何か無視する方法があるのだろうか。あるいはCMこそがおもしろいと思う人がいるのだろうか。 ・広告に妨げられて腹が立つのはYouTubeなどでも同じである。それがだんだんひどくなってきて、いやならお金を払って広告なしにしろという態度だから、ますます腹が立ってくる。すぐにスキップ・ボタンを押すことにしているが、それができない長いものや、連続するものもあって、邪魔なことこの上ないが、金など払うものかと思っている。 ・で、思うのだが、嫌われるだけの広告に何かプラスの効果があるのだろうかと疑問を感じている。ネットの広告は視聴者の情報に合わせて選択されていると聞くが、少なくとも僕にとっては興味を持つものなどほとんどない。「うるさいな」「邪魔だ」と思われるだけのためにお金を出して広告をして何かメリットがあるのか不思議に思う。そんな広告に限ってまた、何度もくり返しやってくるのである。 ・メディアに氾濫する広告には当然、広告費がかかっていて、それは製品などの価格に含まれている。要するに僕たちは、迷惑な広告の費用を、製品を買うことで払っているのである。もっとも僕が見る限り、邪魔になる広告の製品など、一度も買ったことはない。 |
2026年7月6日月曜日
テレビのスポーツ中継と広告
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・サッカーのワールドカップがアメリカとカナダ、それにメキシコで開かれている。日本は予選を勝ち抜いたが、ブラジルに負けて終わった。いいチームだったが、主力の三苫や遠藤、それに久保まで欠いたのでは、仕方がないと思った。もっとも、強いフランスやアルゼンチンなどのように、強力な点取り屋がいなければ勝ち抜けるのは難しいのだろう。勝つためにはサッカーにも大谷翔平が必要だな。そんなことを感じた。 ・そんな試合とは別に気になったことがあった。スタジアムのフィールドは広告板で囲まれている。コーラなどのおなじみの名前もあったが、聞いたことがないものが多かった。何より日本のメーカーが一つもないことに、ちょっと意外な感じがした。まだ日本が弱い頃は、広告板だけは日本のメーカーで埋め尽くされていたことがあったのでは、と思ったからだった。日本のチームは強くなったが、対照的に日本の経済力は弱くなった。そんなことがあからさまにされた気がした。
・もっとも、毎試合見ているドジャースの試合では、日本の広告ばかりが目立っている。試合の中継はNHKがやっているのだが、バックネットには大谷選手と契約しているメーカーの広告がよく載っている。「おーいお茶」を背景に大谷選手の打撃を見るのは、もうほとんど日常的な風景である。今年からこの球場は「ユニクロ・フィールド・アット・ドジャースタジアム」という名称になった。このパートナーシップは5年で1億2500万ドル(200億円)で看板は外野のフェンスやバックネット、それにスコアボードの上などに設置されている。 ・
またドジャースのブルペンには今年から毛筆で大きく「不動産を超えてゆけ」と書かれた広告がある。SAMTYという大阪の不動産会社で山本投手と契約しているようだ。バックネットの「おーいお茶」と合わせて、何とも奇妙な感じがする広告である。ちなみにネット裏の広告は1イニングで1000万円以上もするようだ。しかも、実際に球場でも見られるのではなく、TV中継のために合成して貼りつけられているのである。NHKはなぜ許しているのだろうか。考えればおかしな話である。これはドジャースが遠征する球場でも同様である。・ ドジャー・スタジアムは56000人収容だが、全試合がほぼ満員に近いようだ。しかも一番安い席でも70ドル以上する。いい席では2000ドルにもなるようだ。30万円以上だが、ワールドカップでは、そんな値段が当たり前のようだ。YouTubeには日本を応援するためにダラスやモンタレイに出かけた人のビデオがたくさん載っていた。その多くはリセールされたチケットを数千ドルで買った人が多かった。飛行機代と宿泊代、食事に移動の交通費などを考えると、一つ試合を見るだけでも100万円以上がかかっている。サッカー好きの若者がお金を貯め、場合によっては仕事を辞めて応援に来ている。いやいやご苦労さん。そんなふうに言いたくなった。 ・ いずれにしても、スポーツを見ていて、お金のことを意識することが多くなった。WBCはネットフリックスの独占で、見るためには1ヶ月の料金を払わなければならなかった。ワールドカップはテレビで見ることができたが、前回のカタールから、テレビ局の独占ではなくなった。今回もスポーツ中継をメインにする世界的なインターネットテレビのDAZNが全試合を中継する権利を得たが、独占ではなかった。さて次回はどうか。僕は有料なら多分見ないだろう。 ・サッカーはイギリスの労働者階級に支えられて盛んになった。しかし世界的な人気が高まると入場料の高騰で、金持ちしか見られないスポーツになった。ワールドカップは世界中の人が楽しんできたイベントだが、チケットの値段を聞くと、やっぱり金持ちしか楽しめなくなっていると言っていいだろう。広告が氾濫するイベントなのに、テレビやネットで見るにもお金を払えというのは強欲さ以外の何ものでもないだろう。やな感じという気持ちがいつもつきまとっている。 |
2026年6月15日月曜日
ナフサ不足とプラゴミ
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・ナフサ不足でそれを原料とするプラスチックやポリエステル、合成ゴム、そして塗料や合成洗剤などの加工品が充分に供給できていないと言われている。僕もペンキの薄め液をホームセンターに買いに行ったところ、残りわずかで一人一瓶となっていた。菓子の袋が単色になったのも目につくが、配管や医療機器にも欠かせない素材のようだ。今回のことで、今さらながらに石油に依存した社会であることを実感した。 ・ナフサは原油を精製する過程で取れるもので、粗製ガソリンとも言われている。つまりガソリンはナフサをさらに精製し直すものだから、基本的には二つは同じものだと言える。原油の精製はその後、灯油、軽油、重油、そして残りかすのアスファルトに分解されていく。 ・とわかって、頭をかしげてしまった。今ホルムズ海峡の封鎖によって原油が届かず、ナフサ不足に陥っていると言われるが、ガソリン不足という声は聞こえてこない。政府は不要不急の運転は控えましょうなどとは言わないし、逆に価格を下げる補助金を出し続けている。4月は一ヶ月で3100億円の支出だったようだし、補正予算のかなりの部分がこれに充てられるようだ。ガソリンは補助金をなくせば容易に需要が減ると予測できるから、ナフサが不足しているのならガソリンを減らせばいいだけなのである。政府はそれでは経済が沈滞してしまうと考えているのだろうが、ナフサ不足ですでに停滞しはじめているのである。 ・けれども、これまで通りにナフサが供給されればそれでいいかというと、そうも思わない気になってくる。我が家では週に一回スーパーマーケットで買い物をしている。肉や魚などはもちろん野菜などにプラスチック容器が使われているし、飲み物にはペットボトル、そしてポリエチレンなどで作られる包み袋やラップがかなりの量になっている。週一回の買い物で済むのはそのおかげで、便利はしているのだが、何かおかしいという気持ちもずいぶん前から感じていて、何とかならないものかと思ってきた。 ・子どもの頃にした買い物では、肉は経木に包んでくれたし、豆腐には鍋を持参した。刺し身も経木の船だったように記憶しているし、野菜などを包むには新聞紙が使われていた。プラスチックやラップが普及すると、経木は消え新聞紙も使われなくなったが、ナフサ由来ではない原料で工夫した新しい容器をつくる良いきっかけになるのではないかと思う。 ・もちろん、プラスチックの再利用も重要だろう。しかし、捨てられたり、燃やされたりするものがまだまだ多いようだ。ちなみにAIに尋ねると、燃やして熱エネルギーにするのがほとんどで、プラスチックとして再加工するのは2割程度のようだ。環境に捨てられたプラスチックは地中に混じり、川に流れて海に届く。その徐々に粉々になったプラスチックによる海洋汚染は年に数千万トンの規模になっていて、それが海に漂っていると言われている。その多くが魚の体内にはいり、それを食する人間の中にも蓄積され、健康を害する原因にもなっている。 ・ナフサ不足はプラスチックに頼る仕方を見直して、新しい方法を考えるいい機会になるかもしれない。そんな声が大きくなることを願うばかりである。 |
2026年5月18日月曜日
ノーム・ チョムスキー『破綻するアメリカ・壊れ逝く世界』(集英社)
・ノーム・チョムスキーは著名な言語学者だが、アメリカに対して強烈な批判をする論者であることも知られている。1928年生まれだから、もうすぐ100歳になる年齢である。トランプ大統領の最近の愚行に対する彼の批判はさすがに聞かないが、ロシアのウクライナ侵略については、その直後に「戦争犯罪」だと批判をしている。
・そのチョムスキーの本をアメリカがイラクを侵略した直後に読んで、紹介したことがある。『すばらしきアメリカ帝国』(集英社)で印象に残ったのは、アメリカのイラク侵略を「国際法に根拠のかけらさえもない予防戦争」だと言い、次のような批判を書いていたことである。
つまり、軍事力によって世界を支配しようとするアメリカに挑戦しようとするものがあらわれた場合__それがさし迫っていなくても、あるいは捏造や空想であっても__それが脅威に発展する前に消滅させる権利がアメリカにはあるというのです。・それに気づいて、同年の2008年に出版されて積読だった『破綻するアメリカ・壊れ逝く世界』を読み直してみようと思った。トランプのイラン襲撃はブッシュのイラク侵略と酷似していて、もっと横暴だと思ったからである。
・この本は「無法国家のやりたい放題!」「『違法だが正当』というごまかし」「海外における民主化促進」「中東が証明するもの」「アメリカ国内における民主化促進」といったタイトルの章で構成されている。無法国家とはもちろんアメリカのことだが、それはアメリカの国内法はもちろん、国際法や国連の手続きも誤魔化したり無視することを指している。そして法を無視することが正当であることを主張する傲慢さが常套句であることが指摘されている。・たとえばユーゴスラビアが崩壊して内戦が深刻化した時に、当時のクリントン米大統領は、セルビアによるアルバニア人の虐殺を防ぐことを理由にサラエボの空爆を実行した。「違法だが正当」を主張したものだったが、実際には虐殺はむしろ空爆後に増加したのである。あるいは「海外における民主化促進」には、そのような理由とは正反対に、ナショナリズムに基づく民主化を実現させようとした国の政権を倒すことを実行している。チリのアジェンデ政権の転覆と軍政の支持や、パナマ侵攻によるノリエガ体制の崩壊である。同様のことはハイチやニカラグア、グアテマラなどの中米諸国に及んでいるのである。またその時の理由に麻薬の密輸があったことは、トランプによるベネズエラ侵攻と大統領逮捕に酷似している。ベネズエラの石油を抑えることで次に狙っているのはキューバである。 ・イランのホメイニ体制は1978年の革命で成立した。親米派の王政を倒したのだが、その王政は、石油の国有化を実現させたモサッデク首相をクーデターによって失脚させた後に生まれたものだった。そのクーデターを支えたのはアメリカやイギリスで、最大の理由は石油利権である。「中東が証明するもの」はそんな石油利権とブッシュによるイラク侵攻、イスラエルとパレスチナ、そしてアラブ諸国との関係に触れている。イスラエルがアメリカの後押しによってガザ地区をがれきの山にして膨大な犠牲者を出すまでにはまた、多くの横暴で悲惨な歴史があったのである。 ・民主主義をリードすると思われていたアメリカは、今トランプによってその崩壊の危機にある。しかし新自由主義的な政策による富の格差や、政権よりのメディアの姿勢は20年前から指摘されたことだった。オバマが大統領になって少しはましになったと思われたが、その反動がトランプを誕生させた。アメリカが破綻し世界が壊れていく。この本を読むとそんな危機がいっそう強く感じられる。 |
2026年2月2日月曜日
厳寒のお粗末選挙にうんざりだ!
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・厳寒の中、唐突な衆議院選挙である。高市首相は私を選ぶかどうかの信任選挙だといった。意味が分からないが、選挙情勢では自民単独過半数の勢いだと言う。本当の解散理由は何なのか。統一教会の問題が韓国で裁判になっていて、その資料が公開された。そこには安部や萩生田をはじめ自民党議員の名前が数多く登場し、高市の名もあると言う。国会で追求されたらとんでもないことになるのは明らかだった。あるいは維新の国保逃れの問題もあって、身を切るどころか身を肥やすことに腐心していたのだから、これも問題にされたくなかった。などなど、国会を開いたらやばいと思われることが目白押しだったのである。 ・来年度予算が可決し、国会が終わってからの選挙と言われていたが、それでは高市人気は下落して、選挙ではとても勝てなくなってしまう。首相にはそんな危機感があったのではと言われている。実際選挙に入ると、統一教会も国保も、あまり話題にならなくなった。で、公明と立憲が合体して「中道改革連合」になったとは言え、高市政権は安泰だろうと言うのが、大方の選挙情勢である。高市首相は信任されたら国論を二分するような政策を行うから、その白紙委任が欲しいと言っている。その中身については何も語らないから危ないことこの上ないが、それでもいいと思っている人が多いのだから、こんな恐ろしい選挙はないだろうと思う。 ・国論を二分するような政策とは何なのか。それはたとえば非核三原則の改訂で核兵器を所有できるようにするのではと言われている。それを使うためには原子力潜水艦が必要だが、その建造も狙っているのかもしれない。それらを含めて防衛費をGDPの2%ではなく3.5%に増額し、さらにアメリカの言うがままに5%にもすることまでやろうと思っているのだろうか。そのための予算は税金や国債に頼るのだが、日本の経済は破綻してしまうにちがいない。彼女の言う積極財政は安部政権時の経済政策で失敗が明らかなアベノミクスの焼き直しにすぎないのである。 ・ベネズエラの大統領を拉致しグリーンランドをよこせと息巻いているトランプ米大統領は、中国に対しては極めて弱腰だ。西半球の支配は譲れないが東は勝手にやってくれ。そんなことを言い始めている。つまり台湾有事にアメリカ軍が出る可能性はないと言っているわけで、日本はどうするんだと聞きたくなってしまう。高市はこれまで以上にアメリカに言いなりだから、単独でも行けと言われれば戦いを挑むなんてことをやるかもしれない。 ・高市人気を支えているのは若者層のようだ。初めての女首相、はっきりものを言って勇ましいし、見栄えもいい。そんな声が聞こえるが、日本の将来を担う人たちには高市政権の本質が見えていないのだろうか。自衛隊は人手不足だから徴兵制をなんて言われたら若者たちはどういう反応をするのだろうか。老い先短い僕にとってはどうでもいいことだが、何ともおぞましい未来しか思い浮かばない。 ・それにしても、前回は排除された壺議員や裏金議員がすべて公認された。代わりに石破に近い議員が冷遇されている。何とも露骨なやり方だが、自民党の穏健派が選挙後に大挙して離党なんてことはおこらないのだろうか。一縷の望みを夢想したくなった。 |
2025年8月25日月曜日
メディアに対する疑問、不安、そして怒り
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・参議院選挙後すぐに、「石破退陣」という見出しがいくつもの新聞に躍った。読売は号外も出したのだが、石破首相はいまだに辞めていない。しかもどの新聞社も「退陣」が誤報だったと認めていない。いったいどういうつもりなのだろう。その新聞が、石破首相の続投を望む声が高くなっていることを世論調査で発表している。退陣報道が一種の世論操作だったとすれば、それが全く効果なしだったわけで、今さらながらに新聞の影響力のなさを実感した。 ・その参議院選挙で「参政党」が大躍進した。「日本人ファースト」というスローガンが功を奏したと言われているが、それは選挙活動をSNSで配信して、多くの人に浸透させる戦略の勝利だとも言われている。選挙でネットが強力な武器になることは兵庫県の知事選や都知事選、そして都議選でも明らかだったが、今回もまたそれが立証されたのである。その「参政党」の政策について新聞は強い批判を浴びせているが、それで支持率が下がったわけではない。これもまた新聞の影響力のなさを証明するものである。 ・新聞の発行部数はどこも大きく減っている。特に若い世代には読まれないから、ますます影響力をなくすのは明らかだろう。僕は毎朝読むことを半ば習慣のようにしているから、まだ止めようとは思っていなかったが、「退陣」の誤報とそれを謝罪しない姿勢には呆れて、もう止めようかという気になっている。嘘偽りが平気で拡散するネットがますます強力になっているのだから、新聞にはもっとがんばってほしいという気もあるのだが、頼りないことこの上ないのである。 ・もっともネットには、知りたいことを検索すれば、その情報が豊富に蓄積されているといった一面もある。たとえば大阪万博では会場の設営に当たった業者にその代金が払われていないといったケースが多発している。それを伝えて問題視するのはフリーのジャーナリストが多く、また当事者が直接発する声が載っていたりする。現在わかっているだけで7つの国の会場に関わった19社で、中には億単位の被害にあっていて、倒産の危機にあるところもあるようだ。ところが多くの新聞は、この問題を小さくしか扱っていない。 ・万博批判に消極的なのは今に始まったことではない。これは新聞社自体が協賛していたり、関連の広告収入があるためだと言われている。地下鉄の故障で万博会場や駅に足止めになって夜明かしをした人が3万にもいたそうだ。ものすごい数で、猛暑の中体調を崩した人も多くいただろうと思う。これもネットには、足止めされた本人の書き込みなどが溢れたのだが、新聞の報道はごく小さなものだった。 ・新聞はジャーナリズムを代表する機関で、社会を正確に映しだす鏡であるべきだと言われてきた。しかしその影響力が弱まった今、新聞にとって重要なのは企業として生き残るための方策なのである。もっともこの点でもっと露骨なのはテレビだが、このメディア、とりわけ民放についてはもう見限っていて、批判する気さえなくなっている。ネットのSNSには両刃の剣といった特徴がある。匿名だから何を言ってもいい。騒ぎが大きくなるならどんな手段を使ってもいい。そんな傾向が野放しになっている。これもネットを支配する企業が利益優先の方針であるからで、規制する策をほどこさなければますますひどくなるばかりだと思う。 |
2025年6月2日月曜日
『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』
・トランプ大統領の傲慢なやり方に世界中が振り回されている。強欲で過信家で人を平気で差別する。そんな最低の男がなぜ大統領に二度もなれたのか。この映画を見て、そのことがよくわかった気になった。・原題は"THe Apprentice"で「徒弟」とか「見習い」といった意味である。父親の仕事を継いで不動産業を始めたばかりのトランプは、気弱で優しさのある青年だった。その彼が悪名高い弁護士と出会い、徹底的に鍛えられて、現在のような性格の人間になっていく。題名にはその見習いから成り上がる過程の意味が込められている。しかし、不動産業やカジノで成功したトランプには、テレビ番組の司会役として人気を博したという一面もあって、その番組名も「アプレンティス」だった。 ・トランプが従順に従う弁護士のロイ・コーンはソ連のスパイとして告発され、死刑にされたローゼンバーグ夫妻の裁判で検事を務め、赤狩りで有名なマッカーシーの主任顧問もした人物である。その後もニクソンやレーガンといった共和党の大統領にも取り入って、政界や財界で絶大な権力を誇ったが、トランプが出会った頃は、コーンの絶頂期であった。 ・映画ではコーンの教えに素直に従い、苦境を強引な手法で乗り超えてホテルやトランプタワー、そしてアトランティック・シティにカジノを造って成り上がっていく様子が描かれる。対照的に同性愛者であったコーンが体調を崩すと、トランプはコーンを遠ざけ、やがてさげすむようになる。最後はコーンの誕生日にパーティを開き、ダイヤモンドのカフスボタンをプレゼントするが、それが偽物であることが暗示される。恩をあだで返す卑劣な男だが、この映画はトランプの薄くなった頭の増毛と、腹に溜まった脂肪の除去手術で終わるのである ・トランプが大統領選挙に登場する前の経歴についてはほとんど知らなかった。しかし、ウィキペディアなどによれば、映画の後の人生は、決して順風満帆ではなかったようである。彼は1980年代にはホテルやカジノで成功したものの、その多くが90年代になると倒産して巨額な負債を抱え込んでいる。映画にも登場する最初の結婚相手のイヴァナとは浮気が元で離婚をしているし、その浮気相手との再婚も、数年で浮気が元で離婚をしている。 ・しかしトランプは90年代の後半には不動産業で持ち直し、2004年から12年まで続いたテレビ番組の「アプレンティス」によって、全米に知られる有名人になった。大統領選挙に最初に勝ったのは2016年だが、選挙には2000年の予備選挙にも出ていたし、2012年には共和党の候補にもなった。最初は泡沫候補扱いで、繰り返される暴言に多くのメディアが反撥したにもかかわらず、共和党の予備選で勝って候補者になり、おおかたの予想を覆して、ヒラリー・クリントンに勝って大統領になった。で、バイデンに負けた後も屈せず再度挑戦して復活した。 ・彼は、人としては軽蔑するしかないような人間に思える。しかしその不屈の精神と復活の実現には、アメリカン・ドリームを体現する人物として人気を得るのも無理はないとも感じられる。そんな根性をたたき上げたのがロイ・コーンだとすれば、彼が亡霊としてトランプを操っているのではといった想像をしたくなった。いろいろ調べてみると、若い頃のトランプは、むしろリベラルな考え方をする青年だったとする指摘が見られるのである。 |
2025年5月26日月曜日
観光客はありがた迷惑です
・河口湖に来る観光客がすごいことになっています。週末の混雑はずいぶん前からですが、最近は平日でも変わりません。おかげでゴールデン・ウィークの間は、どこにも出かけずに家に閉じこもることになりました。例年なら3月になったら、午後に自転車で湖畔を1周していたのですが、暖かくなる午後ではクルマも人もレンタル自転車もいっぱいで、とても出かける気にはなりませんでした。連休明けから、観光客がまだ動き出していない早朝に自転車に乗りはじめています。しかし、通勤のクルマがかなりあって、気をつけて走らなければなりません。何しろ河口湖周辺は宿泊施設や食べ物屋などが増えて、周辺から仕事に通ってくる人が多いのです。・その宿泊施設ですが、ネットで調べると、どこも数年前の1.5倍から2倍、あるいはそれ以上の料金になっています。家の近くにあるペンションは、修学旅行生を受け入れて何とかやっていたようですが、料金を倍にしても、予約が取りにくいほどににぎわっています。コロナ禍で患者の収容施設になっていた有名なビジネスホテルも、今ではけっこうな料金になっています。部屋に温泉があったり、豪華な食事を出すホテルは1泊2名で6万円とか7万円もしていますが、それでも予約が取りにくいようです。 ・高額になっているのはインボイスのせいで、河口湖に限らないようです。円安ですから倍になったからと言って、外国人は高いと思わないのかも知れません。それも欧米からの人に限らず、アジアからの人にとっても同様のようです。お金に余裕のない日本人の客はどこに泊まるんだろうと思いますが、貨物列車を改造した宿泊施設もあちこちに出来ていて、ここなら1泊2名で食事付きでも1万5千円程度で泊まれます。ここ数年はキャンプブームでもありますが、隣の西湖には平日からかなり多くの人がキャンプ場に訪れています。コロナ前なら自転車で走っても、クルマも人もほとんどいなかったのですが、今ではそうではありません。 ・このような現象は町にとってはいいことだと思います。何しろ人口減に悩む山梨県の中で、例外的に人口が増えているのです。町内には宿泊施設が700軒ほどあり、年間200万人を超える宿泊者数があるとされています。この急激な増加に対応して再来年から宿泊税を取ることにしたようです。富士登山をする人には昨年から2000円の入山料を取りはじめています。今年は静岡県も実施して、4000円に値上げされました。ただし、町に入る収入が町民に還元されているとは実感できません。感じるのは迷惑ばかりですから、コロナ禍の頃の閑散とした様子が懐かしく思われます。 ・隣町の富士吉田市は人口減に悩まされています。河口湖町と違って観光名所もなかったので、素通りされる町でしかなかったのですが、山の上の五重の塔と満開の桜越しに見える富士山がネットで紹介されると、急に観光客が集まるようになりました。商店街の真ん中に富士山が見えることで、シャッター通りに外人観光客がひしめくようにもなりました。かつては富士山の登り口で、御師(おし)の宿もたくさんあったのですが、5合目までのスバルラインが作られてからは、吉田口の登山道は閑古鳥状態でした。しかし浅間神社からの登山道を魅力的にする工夫なども計画されているようです。 ・梅雨の先触れのような天気でも、河口湖では湖越しに、あるいはコンビニの上の富士山を眺める場所に観光客が溢れています。これから夏にかけては富士山が雲に隠れる日が多いのですが、それでも人が減るわけではありません。そんな光景を見て「残念でした!」と口ずさみたくなるのは、意地悪爺さんの性でしょうか。 |
2025年5月19日月曜日
米の値段について
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・米の値段が倍以上になった。その急激な値上がりは信じられないほどだが、政府が備蓄米を放出しても効き目はないようだ。なぜこうなったのか。一番の理由は昨年の夏に米の供給量がひっ迫して値段が上がり始めた時に、政府が素早く対応して備蓄米を放出しなかったことだろう。新米が出回りはじめれば価格は落ち着く。そんな見通しだったのかも知れないが、価格はさがるどころかどんどん上がってしまい、政府が備蓄米の放出を決めたのは、今年の2月になってからだった。 ・この時点ですでに半年遅れだが、その備蓄米が市場にほとんど出回らないことで、価格はさらに上がり続けている。理由は流通経路に隘路があることや、備蓄米さえ買いだめしている業者がいるといった疑念が指摘されているが、備蓄米を買えば1年以内に政府に戻すことが義務づけられていることが一番だったようだ。そこで政府は1年ではなく5年にすると発表した。さてこれで、備蓄米が大量に出回って、価格が値下がりするのだろうか。 ・政府や農水省の対応の悪さに呆れるばかりだが、米は今の価格でも高くはないといった発言も聞こえてくる。米を作ってもそれ相当に収入が得られるわけではない。そんな農民の声が多く聞かれるからだ。米の消費量はずっと減り続け、それに対応して減反政策が採られて来たのだが、田を畑に代えることはそう簡単ではなかったようだ。 ・農業従事者の多くは他に仕事を持つ兼業農家が大半だから、収入が得られなければやめるだろうし、高齢化で引退といった人たちも増えてきている。何しろ農業従事者の平均年齢は70歳に近づいていて、65歳以上が70%という現状になっているのである。それ相当の収入が得られなければ、若い人の中に農業をやろうという気持ちが起こらないのは当然のことなのである。 ・僕の家の周辺にも田畑はたくさんある。しかし、田んぼがブルーベリーやサクランボ、あるいはワイン用の葡萄畑などに変わり、草ぼうぼうの放棄地になったところも少なくない。農業の衰退は周囲の様子を見ればすぐ分かることである。 ・最近の物価の値上がりは米に限らないが、急に倍以上になるというのは異常という他ないだろう。それは価格をずっと抑えてきた政府の農業政策にこそ問題があったのかもしれない。その意味では、現在の米価を適正なものとして、それを農家の収入の上昇に向けることが懸命だと言えるだろう。育ち盛りの子どもがいて大変な家庭もあるだろうが、それは食料品にかかる消費税を廃止したり、低所得者への減税や補助などで対応すべきことだと思う。 ・もちろん、それで若い人の中に農業をやってみようという意欲がわくわけではないだろう。しかし日本の食料自給率は4割を切り、飼料の自給率は3割を切って、化学肥料はほぼ100%輸入に頼っているのである。最近の国際情勢や気候変動などを考えれば、自給率を高めることが喫緊の課題であることは明らかなはずだ。農業従事者の大半が定年退職の時期にさしかかっている現状を見るにつけ、日本の食の現状と近未来こそが、一番の危機なのではと心配してしまう。 |
2025年4月28日月曜日
あまりにお粗末な万博について
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・大阪万博には全く興味がない。もちろん行く気もないのだが、あまりにひどいニュースばかりが耳にはいるから、ここでも取り上げておこうと思った。そもそも大阪万博は夢州にカジノを含んだ統合型リゾート(IR)を作るためのインフラ整備として計画されたと言われている。実際、半年の開催だけのために地下鉄が延伸されたのだが、これがIR用であることは自明のことだった。夢州はゴミで埋め立てられた土地で、まだ地盤が固まっていないし、メタンガスなども出る。輸入品が入るコンテナヤードにもなっていて、ヒアリなども確認されている。そんな危ない場所が適地であるはずがないのは最初からわかっていたことだった。 ・万博会場は開催直前にも危険なレベルでメタンガスが出ていることがニュースになった。それを調べたのは万博開催者ではなく、共産党の市議だった。そのせいか万博協会はメディアの中で唯一共産党の機関誌である赤旗の取材を拒否した。万博についてはこれまでも多くの批判があったが、その多くは大手メディアではなく、赤旗などの小さなメディアやフリーのジャーナリストによる告発だった。新聞やテレビなどの大手メディアの多くは万博開催に協賛していて、その恩恵に浴しているから、批判は少なく、広報としての役割を演じる場合が多かったのである。 ・大阪万博のいい加減さ、怪しさについては主にフリーのジャーナリストによって、YouTubeやSNS、あるいはブログなどによって指摘され、批判されてきた。最初はなかった木造の大屋根リングについては、その費用の巨額さ、業者選定の不透明さなどがあるが、万博協会はこの批判に対して知らん顔を決め込んでいる。そんな態度は他の指摘でも同様で、各国のパビリオンの建築が遅れて開催に間に合わなかったことや、前売り券の売り上げが伸び悩んでいることなどについても、謝罪はもちろん、弁明もほとんどない。 ・そんな問題ばかりの万博が開催されたが、初日はものすごい風雨で、訪れた人たちは入り口で何時間も待たされてずぶぬれになった。大屋根リングも雨宿りの役には立たなかったようである。最近の天気は気まぐれで、好天になれば夏のような暑さになる。その熱中症対策なども貧弱で、ネット上では雨が降っても晴れても問題が起きるお粗末さばかりが話題になっている。対照的にテレビや新聞では、万博の魅力を宣伝しているのだが、行きたい気にさせる呼び物がほとんどないのだから、虚しい限りである。 ・万博の収支分岐点は1800万人の入場者数に達するかどうかだと言われている。ところが前売りはその半分にも達していない。しかもその大半は協賛者である企業に半ば強制的に買わせたもので、一般の購入は200万枚程度にしかなっていない。これは最初目標にした1400万枚の65%程度でしかなく、今後の当日券で入る入場者数を考えても、赤字になるのは明らかだろうと言われている。ところが万博協会は想定内で、今後の伸びに期待するなどと言っているのである。 ・そもそも万博は、海外旅行が当たり前になり、ネットが発達した現在には、もう役目を終えたイベントなのである。どこかの国に興味があれば、そこに出かければいいし、ネットで検索すればかなりのことが瞬時にわかるのである。また大阪万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマにしているが、一体どこに未来のテーマが提案されているのか。空飛ぶ自動車は見掛け倒しだし、人間洗たく機などは冗談としか言いようがない代物である。広い会場は歩いてまわらなければならないし、トイレは汲み取り式で小児用には仕切りもない。近未来と言うなら、歩かなくても見て回れる手段が工夫されてもよかったはずである。 ・これから猛暑になれば熱中症者が続発するかもしれないし、メタンガスが爆発するかも知れない。雷が来ても逃げ場がないなど、いいことがほとんどないイベントは、大赤字を出して閉幕といったことになるのだと思う。そうなった時に一体誰が責任を取るのか。おそらく最後まで知らん顔を貫くはずで、そんな近未来のデザインが目に浮かぶだけである。 |
2025年4月14日月曜日
広告は神話にすぎないのでは?
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・YouTubeのCMがひどいことになっている。何を見ても3分と経たずに中断されるから、邪魔なことこの上ない。中にはスキップできないものがあるし、ほっておくと続けて次々やったり、やたら長かったりする。フジテレビが広告なしになった分だけ増えているのかも知れない。えらい迷惑で、腹が立つばかりなのに、それでも宣伝したら効果があると思っているのだろうか。 ・前回も書いたが、フジテレビにCMを流さなくなった企業の売り上げに変化が出たのだろうか、が気になっている。もし変化なしだったら広告費は無駄だったということになる。そんなデータがいくつも出てきたら、テレビに広告費を使う企業は減るに違いない。テレビに広告費を使えば、それなりに大きな効果がある。というのはもはや神話に過ぎないのでは、という感想を僕はずいぶん前から持っていた。 ・民間放送を広告費で成立させたのはアメリカのラジオ放送だった。20世紀になって音を遠くに届ける方法が有線と無線の両方でできた時に、使用料が取れる有線を電話にし、広告費で稼げる無線をラジオにしたのは有名な話である。有線と無線を電話とラジオに使い分けることに技術的な理由はなかったのである。そのやり方はテレビ放送にも継続されたが、その歴史はまた、家電製品や自動車から日常生活に必要なさまざまな製品が発売され、普及した時代でもあった。 ・もちろん、それらは今でも日々消費されたり、買い替えられたりしているが、消費行動がCMを当てにする割合が減っていることも間違いない。ネットには様々な商品や製品を比較するサイトがいくつもあるし、Amazonや楽天で性能や値段を比較して、自分なりに判断することもできる。それにかつてはテレビCMの主流だった家電製品の多くを日本のメーカーは生産しなくなっているし、作っていたとしても、広告費を使って安価な外国製品と競ってはいない。テレビ受像機や冷蔵庫などの家電製品のCMは、実際ほとんどなくなっているのである。 ・そう言えば、トランプの関税政策で日本のメディアは大騒ぎだが、大きな影響を受けるのが自動車だけだということに、日本の経済力の衰退を改めて認識させられた。かつてはアメリカの家庭の中に溢れていたメイド・イン・ジャパンの製品は、今は関税を心配するほど売れていないのである。これでは貿易額が輸入超過になるわけである。だから、クルマが売れなくなったら、日本の経済は本当に沈没してしまう。それだけ深刻な話のようである。 ・で、YouTubeのCMだが、見ているものを中断するのはほぼ100%関心がなかったり、よくわからないものばかりである。だから音楽を聴いたり、野球の結果を見ている時に邪魔されると腹が立つだけなのだが、それでも何らかの効果があるとする根拠があるのだろうか。もちろん、僕は老人だから、もっと若い人には効果があるといったこともあるかも知れない。だとしたら、視聴している人の好みや年齢などに合わせてCMを届けるぐらいのことは、やろうと思えばできるのではないだろうか。今は何しろAIの時代でアルゴリズムが全盛になりつつあるのである。もっとも、今一番興味があることやこれから買おうと思っていることを見透かされたら、それはそれでちょっと困るし、怖くも感じてしまう。 ・ついでにいえば、電波の利用はその経済的な理由で無線がマスメディアになり、有線がパーソナルメディアになったが、100年経って完全に逆転したのも面白い結果である。電話はスマホが主流になり、インターネットは有線として発展したのである。もちろんスマホは無線でインターネットを利用しているから、無線も有線もインターネットが支配するようになるのは自明だろう。テレビによる電波の独占は、もはや時代錯誤なのである。 |
2025年4月7日月曜日
MLBが始まった!
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・MLBが始まって、今年もテレビ観戦が一日の中心になりました。きこりや大工仕事が終わったところで切りがいいのですが、運動不足になりますから、自転車にも乗ろうと思っています。ところがここのところ雨ばかりで、まだ一度も走っていません。観光客でにぎやかですから早朝になるでしょう。 ・今年もドジャースはアジアでの開幕で、東京ドームはにぎやかでした。何しろカブスが相手で、大谷、山本、佐々木に今永、鈴木と、日本人選手が5人も勢ぞろいしたのです。阪神や巨人との試合も含めて超満員で、テレビ視聴率も驚くほどでしたから、MLBは日本での開催を常態化するかも知れません。と言っても来年はWBCですから、春の盛り上がりはまた別のものになるでしょう。 ・ワールドシリーズを制覇したドジャースは、オフにさらに戦力をアップさせました。攻守にわたってもう穴がないほどで、力があってもマイナーで我慢しなければならない選手が大勢います。その力は予想通りで、ドジャースは開幕から8連勝し、どの試合も危なげなく勝ってきました。強すぎて面白くないといった声も聞こえますが、唯一、佐々木朗希投手が気になっていました。 ・東京ドームではいきなり100マイルの球を投げて、観客席からどよめきが起こりましたが、明らかに力みすぎで、ストライクが入らずに降板しました。ドジャー・スタジアムでの2戦目はもっとひどくて、全くストライクが入らず、早々降板した後に、涙目をして散々批判されました。フィラデルフィアでの3戦目も初回に1点取られましたが、制球力はあって、何とか四回まで投げることができました。強敵のフィリーズ相手に試合を作ったのですから、自信になったことだろうと思います。 ・今年は日本人投手の存在が目立ちます。山本投手はプレイオフでの力を持続していますし、今永投手も安定したピッチングをしています。エンジェルスに移った菊地投手はエースですし、メッツの千賀投手もカムバックできそうです。30代の半ばになってメジャーに挑戦した菅野投手はその制球力のよさが目立っています。大谷選手の復帰がいつになるのかわかりませんし、ダルビッシュ投手も故障していますが、全員そろったら壮観だと思います。 ・東京での開催の大成功や日本人選手の活躍で、メジャーリーグでの日本の位置づけが上がっています。何しろ大谷選手はメジャーで一番の成績を上げているだけでなく、広告収入や観客動員でドジャースはもちろん、他チームやMLB機構に恩恵をもたらしているのです。もちろん大谷選手の収入は飛び抜けていて、野球だけでなく他のプロスポーツ選手と比べても、トップに君臨するほどなのです。 ・トランプ大統領の関税政策で世界中が大混乱ですが、クルマの輸出に依存している日本経済の先行きも危ぶまれています。よい話がまるでないなかで、大谷選手を始めとしたメジャーで活躍する選手が目立っています。テレビでは一日中話題にされていますし、ニュース番組でも大谷一辺倒です。それに民放での大谷選手のCMですから、これは大谷ハラスメントだといった批判が起こるのも無理はないでしょう。野球に興味のない人には腹立たしいことだと思います。MLBで日本人選手が活躍すればするほど、日本のダメさ加減が目立ってしまう。そんな皮肉な印象を持ってしまう今日この頃です。 |
2025年3月24日月曜日
吉見俊哉『東京裏返し』集英社新書
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・東京には10代の頃に住んでいたし、50歳から20年近く大学勤めをした。ただし家も職場も多摩地区にあったから都心に出かけることはめったになかった。息子家族が下町に住むようになって時々出かけたが、都心はいつもクルマで首都高速を走るだけだった。人混みばかりのコンクリートジャングルには行く気もしない。東京の中心部については今でもそんな気持ちが強い。 ・吉見俊哉『東京裏返し』は東京の都心部を歩いて観察し、その現状を批判的に分析している。主に都心の北部を歩いた「社会学的街歩きガイド」と西部から南部にかけて歩いた「都心・再開発編」の2冊にまとめられているが、知らないことばかりで面白かった。
・東京についてこの本で提示されている視点は、東京が3度侵略され、その度に大きく変容したということである。最初は徳川家康による江戸、2度目が大政奉還と明治維新による東京、そして3度目が大戦に負けて米進駐軍による統治と戦後の復興である。もちろん東京には縄文時代から人々が住んでいて、貝塚や古墳も見つかっている。・その点については中沢新一の『アースダイバー』で教えられた。東京は武蔵野台地の東端にあって、半島のようにつきだした台地と谷筋を流れる川ででき上がっている。縄文海進で海は今よりもずっと西まであったし、江戸時代には埋め立てをして、土地を広げている。『東京裏返し』でも、この地形の重要さを指摘していて、尾根筋から谷筋、あるいはその逆を下ったり上がったりしながら歩いている。 ・徳川幕府は200年続いて、その間に江戸は世界有数の大都市になった。今でもその名残は強くあるが、この本では、明治政府によって徳川の痕跡がことごとく消されたことが示されている。その特徴的な場所が現在の上野公園周辺で、寛永寺などに象徴的に見られると言う。また明治政府はその政治や経済の中心を南に移したから、北部は取り残されることになって、下町地情緒が現在も消えずにある。
・「都心・再開発編」で歩いているのは下北沢から渋谷、そして麻布、四谷、新宿などである。ここでは明治時代からあった軍の施設とそれが進駐軍によって接収された影響と、戦後の西武や東急による土地買収と、ビルや住宅地への変貌ぶりが批判的に指摘されている。江戸時代の大名屋敷や戦後に困窮して手放した皇室所有の土地が何に変わったか、谷筋にあった庶民の暮らしが、どう潰されていったか。東京の現状が、歴史を残すことなど無頓着に、経済優先のやり方で進められていったかがよくわかる街歩きになっている。そのような流れは今も、そしてこれからも変わらずに続けられていて、その象徴を六本木や麻布に立てられた高層の森ビルなどに見ている。・この本には著者による東京改造の構想も書かれていて、その一つは一路線に減らされた都電の復活である。東京オリンピックを契機にして、東京は高速道路と地下鉄の街に変容した。その首都高を撤去し、トラムカーの路線を増やし、歩いて、あるいは自転車に乗って探索できる街にしようという提案である。実際ヨーロッパでは都心部へのクルマの乗り入れを禁止して、路面電車を復活させた街が多いのである。 ・もう一点は縄文時代から続く東京の歴史について、とりわけ江戸から現在に至る遺跡をもっと大事にすべきだという指摘である。僕はこのような提案についてなるほどそうだなと思うところが多かった。日本に訪れる外国人が好むものの中に江戸の香りがあることも確かなようだ。ただし、読んでいて気になるところもあって、それは今よりもっと東京が魅力的になったら、ますます人口が集中して、地方が過疎になってしまうのではという疑問だった。東京はもっとダメな街になったらいいと思っていただけに、ちょっと両義的な気持ちになった。 |
2025年3月17日月曜日
無理が通れば道理が引っ込む
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・トランプ米大統領の傲慢で横柄な発言が止まらない。輸入品に高額関税をかけることを最大の武器にしているのだが、関税分を負担するのは売り手ではなく買い手だから、払うのはアメリカの消費者自身なのである。トランプの発言に拍手喝采する人は、そのことをわかっているのだろうかと疑問に思う。物価が上がり消費が減って経済が減速するから、当然景気は悪くなる。実際アメリカの株価は急降下していて、それが世界中に影響を及ぼしている。こうなることははじめからわかっているのに、トランプはこれがアメリカ・ファーストの政策なのだと豪語する。まさに無理が通れば道理が引っ込むのである。 ・トランプのやり方はウクライナやパレスチナに対しても変わらない。武器を援助して欲しいならレアアースをよこせと言ったり、ガザからパレスチナ人を追い出して、破壊された町を復興させるといった発言は、大国の大統領が言うとはとても思えないものである。フランスのマクロン大統領が核の傘をアメリカに頼らず、欧州独自で作ると発言している。トランプの発言はプーチンやネタニアフにとっては渡りに船だろう。道理が引っ込んで混乱した世界はどうなるのか。それを回避するために必要なのは、アメリカ国民が事実に気づくことだが、そんな兆候は見られない。 ・無理を通すやり方は日本にも溢れている。一度失職をした兵庫県知事が、不当なやり方で再選し、百条委員会で知事にあるまじき行為を断罪されているのに、それは一つの見方に過ぎないと無視しようとしているのである。この人の悪行は数えきれないほどだが、平気で知事の座に居座り続けている。リコールの請求ができるのは再選から1年を過ぎなければならないから、斎藤知事は少なくとも1年間は安泰なのである。自業自得とは言え、兵庫県民にとっては頭の痛い話だと思う。 ・課税限度額の引き上げを主張した国民民主党が今、立憲民主党を上回る支持を得ている。玉木代表の不倫が発覚しても、その勢いは衰えないようである。その力の源泉は玉木がN党党首の立花に教えを請うて始めたSNSにあるようだ。若い人たちに重い税金が課せられ、老人がその恩恵によくしているといった嘘が信じられて、自民党や維新を支持していた若い人たちがこぞって、国民民主党支持にくら替えしたと言うのである。選挙でSNSをうまく使えば、マスメディアに頼らずとも大量に票を獲得することができる。そんな傾向が都知事選や兵庫県知事選、そして衆議院選挙で明らかになっている。このまま行けば、参議院選挙もSNSが重要な場になってくるだろう。 ・大阪万博が間もなく始まる。前売り券はほとんど売れていないようだし、準備も遅れに遅れているようだ。始まっても閑古鳥といった予測ができるが、ここにも嘘や無理がまかり通り続けてきた。大阪府・市はもちろん国の税金もいっさい使わないと言ったのは、これを始めた松井前知事だが、すでに1000億円以上が投入され、入場者数が少なければ、さらに赤字が増えると見込まれているのである。万博はカジノ目的というのが明らかだが、そのために無理にごみ捨て場に万博を誘致した。ここには最初から道理などなかったのである。 ・世の中には道理を無視した無理が溢れている。それが当たり前になったら、道理など考えるのが阿呆らしくなる。そんな気分が蔓延したら大変だが、もうすぐそこまで来ているような恐ろしさがある。 |
2025年3月3日月曜日
ネットの変貌
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・ネットの広告費がテレビの倍になった。YouTubeを見ていても数分おきに
CMに邪魔されて不快な思いをさせられているから、確かにそうだろうと思う。
Amazonプライムも4月からCMが入るとメールがあった。金を払っているのにCMなしならさらに金を払えと言う。その露骨な金権主義に象徴されるように、ネットには腹の立つことが目立っている。 ・旧TwitterもFacebookもとっくにやめている。広告が目立つことや、詐欺が横行していること、そして何より所有者がとんでもない大金持ちになっていることに嫌気がさしたからだ。トランプが大統領に復活したら、SNSを所有する多くの人が尾っぽを振って近寄るようになった。それはAmazonの創業者も一緒だった。王様気取りで好き勝手にやっているトランプに、ITやネットもほとんど反旗を翻してはいない。こんな状況に、世の中も変わったものだとあきれ、がっかりしている。 ・国や大企業が独占するコンピュータではなく、個人が使えるものを作るというのは1970年代にアメリカで始まった草の根の動きだった。そこからスティーブ・ジョブズが現れアップルを起業し、パソコンを売りだした。インターネットも同様で、ネット同士を繋げ、そこで使えるソフトを開発することで新しいメディアを作りだした。僕はどちらもその狙いや理想に共感して、初期から利用してきた。パソコンやネットの世界を支配するようになったマイクロソフトに手をつけなかったのも、その商業化に批判的だったからだ。 ・そんな気持ちが通用しなくなったのは皮肉にも、ジョブズが開発したiPhoneの登場だった。ここからネットの世界が大きく変貌しはじめたのである。スマホやタブレットはいつでも手元に置けるし、持ち歩くこともできる。見たいもの聴きたいもの知りたいことに、いつでもアクセすることができるのだから、既存のメデイアがかなうわけはなかったのである。 ・その新しいメディアは今、GAFAと呼ばれる大企業に支配されている。金儲け主義の不動産屋のやり方で世界中を震撼させているトランプを批判するどころか、その政策を支えて、さらに巨大になろうとしている。パーソナル・コンピュータの萌芽期からインターネットの始まりまでを、希望を持って面白がってきた者としては、その変貌には失望と恐怖を感じるしかないのが正直なところだ。SNSだって始まりの頃はもっとほのぼのとしていて、理性的だった。 ・今はその頃に比べてはるかに便利だが、ITもネットもほんのわずかな企業やその支配者に牛耳られていて、それらが政治権力にべったりだ。その便利な道具を使っているのか使わされているのか。それを確かめながら使う程度の自覚は持ちたいと思う。 ・ところで、フジテレビが中居問題でスポンサーが離れて、収入なしで放送を続けている。広告費を使わなくなった企業の、売り上げや収入に変化がなかったとしたら、CMなどしなくてもいいんだと思うようになるだろうか。それはネット広告でも同じで、利用者にとっては邪魔で不快になるものでしかないから、宣伝効果はないとしたらどうだろうか。知名度を高めたり、売り上げを伸ばすためにはメディアでの広告が必要だ。それが真実性に乏しい虚構であることを、誰か実証したらいいのに、とつくづく思う今日この頃である。 |
2025年1月27日月曜日
トランプのゴーマニズム宣言に呆れと恐れ
・トランプが大統領として再登場した。ハリスを圧倒する勝ち方だったせいか、就任前から大気炎を上げる威勢の良さだった。隣国のカナダとメキシコからの輸入を抑えるために関税を25%課す、メキシコ湾をアメリカ湾に変える、グリーンランドをデンマークから買う、そしてパナマ運河を取り返すなどといった発言には、カナダを51番目の州にしたらいいとか、売らなければデンマークにも高関税を課すか武力行使をするといった、相手をバカにしたり威圧したりする態度も見られた。
・こんな強行姿勢に恐れをなしたのか、あるいは側近中の側近になったイーロン・マスクに取り入ろうとするのか、GAFAがそろってトランプ支持を打ち出した。しかも「X」(Twitter)にならってFacebookも第三者によるファクトチェックを廃止したりと、その迎合ぶりはあからさまである。トランプは嘘もお構いなしの発言で支持者を増やすことを得意にしてきたが、SNSの多くがそれを是認しようと言うのである。そういえば大統領選挙期間中にニューヨークタイムズやワシントンポストがそれまでやっていた候補者支持をやめて中立を宣言したのだった。
・選挙に与えるネットの影響が強くなったのは日本でもあきらかで、石丸や立花、そして玉木といった政治家がネットを使って票を伸ばしたり、選挙結果に大きな影響を与えたりしている。特にYouTubeで拡散される立花の言動はひどいものだが、だからといって変な規制をすればかえっておかしなものになる。どうすればいいかはGAFAの態度やそれに対する批判を含めて世界的な課題になるだろう。
・トランプは大統領就任と同時に、バイデンの政策をことごく廃止した。メキシコとの国境を強化して不法入国者を防ぐとか、犯罪歴のある入国者は国外追放するといったことは前の政策の復活だが、バイデンが進めてきたLGBTQなどの性的少数者の権利拡張を撤廃して、「性」はジェンダーではなくセックスで、生物として2つしかないことを明言したのである。
・このような世界的な流れに逆らう政策は他にもあって、地球の温暖化を防ぐためにできた「COP」(国連気候変動枠組条約)に対して、バイデンが再加盟したのにまた脱退を表明しているし、コロナ対応を批判して「WHO」(世界保健機関)からも脱退しようとしている。石油はもっともっと使えばいいし、コロナなど恐れずに活発に活動したらいい。そうやってアメリカを豊かにするのだ、というのが彼の基本的な政策なのである。
・とは言え、他方でトランプはノーベル平和賞を欲しがっていて、パレスチナやウクライナなどの紛争の解決に力を入れるだろうと予測する意見もある。実際、イスラエルは一時的な停戦に合意をしたし、プーチンとゼレンスキーの間に入って戦争を終わらせるよう働きかける姿勢も見せている。中国に対しては相変わらず強圧的だが、同時に交渉を進める余地も残しているようだし、北朝鮮に対しても同様だ。そうなると日本にはどういう姿勢を見せるのだろうか。安部とは兵器の爆買いもあって仲が良かったが、石破はどうするのだろうか。トランプを怒らせず、しかし日本の立場もしっかり主張する。そんなことができなければ、日本はまずますダメになるばかりだろう。
2024年11月4日月曜日
ドジャースがワールドシリーズ制覇!
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・ドジャースが優勝した。大谷選手にとって7年目にしてやっと手にするチャンピオンリングである。MVPを2度も取ったのに勝ち越しすらできなかったエンゼルスから移籍して1年目の快挙だった。プレイオフに出るまで最多の試合を経験した選手だったというから、彼の喜びは大変なものだろうと思う。しかし、彼についてはまた別に書くことにして、今回は彼やドジャースに対するメディアの対応について考えてみたいと思う。 ・アメリカでは野球はすでに一番のスポーツではなく、アメリカン・フットボールやバスケットの後塵を拝していると言われている。オールスター・ゲームやワールドシリーズでもテレビの視聴率は低く、それも年々下がっていると言われてきた。それが今年はドジャースとヤンキースのワールド・シリーズになって、視聴率も大幅に回復したようだ。大谷とジャッジというMVP有力選手が出ることもあって、事前の盛り上がりは例年とは違うものになった。 ・それは日本でも同様だった。日本シリーズがワールドシリーズと同じ日程で行われたのだが、NHKの7時のニュースではワールドシリーズの結果を取り上げて、同時刻に行われていた日本シリーズには全く触れなかった。MLBの中継は主にNHKのBSで行われたが、ワールドシリーズについてはフジテレビが地上波で中継した。ライブは午前中だったから、フジテレビは夜のダイジェストで再放送をしたようだ。ところがそれが日本シリーズと重なって、NPB(日本野球機構)はフジテレビの取材パスを没収したようである。 ・ただでさえ陰に隠れてしまっているのに、さらに邪魔をされた。NPBはそんな仕打ちに腹を立てたのだと思う。何しろフジテレビは日本シリーズの別の試合を中継しているのである。フジテレビと言えば、大谷選手の新居を探して、場所が特定できるような放送をして、ドジャースから取材拒否を宣告もされている。そこには、どんな影響が出ようと視聴率さえ取れればいいんだといった態度があからさまなのである。当然だが、大谷選手はフジテレビのインタビューを拒否したようだ。 ・とは言え、大谷選手の人気がテレビの視聴率やCMに大きな影響を与えていることも事実である。何しろ彼は10年で7億ドルの契約を結んだが、その大半は後払いで、山本選手などに払うお金を融通したのである。それは彼が日本の企業などと契約した額が、彼が手にする年俸を超える程だったからだと言われている。そしてスポンサー契約はドジャース自体にももたらされて、広告や入場者数やグッズの売り上げなども大幅に増加したようだ。 ・恩恵は、ドジャースが遠征したチームにももたらされている。普段は閑古鳥の弱小球団でも、大谷目当てに満員になった試合がいくつもあったからである。普通は他球団のグッズなど売らないのに大谷選手だけは例外にする。そんなこともあったようだ。チームは勝って欲しいけど、大谷選手のホームランは見たい。そんなアメリカでも一番人気の大谷選手が活躍したドジャースがワールドシリーズに出て優勝したのだから、その効果は来シーズンにももたらされるのだろうと思う。 ・ドジャースの試合を見て大谷選手の活躍を堪能したが、他方でお金にまつわる話題がつきなかったことも印象に残った。ワールドシリーズのチケット高騰や50x50を達成したボールのバカ高値などあげたら切りがないほどだった。ちなみに、ワールドシリーズの視聴者数は日本では1試合平均1210万人で過去最多だったが、同様に、台湾、カナダ、メキシコ、ドミニカでも最多だったようだ。 |
2024年10月21日月曜日
CopyTrackにご用心!
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・このホームページは毎週一回更新している。いろいろな話題を探して書いているのだが、時にはその内容にあった画像が欲しくなる。著作権にふれないよう気をつけてネットから探していたのだが、突然、無断使用だから使用料を払えといったメールが飛び込んできた。「CopyTrack」という名称で、2枚の画像について、700ユーロ(11万円程)を払えという内容だった。悪いことをしたのだから払って当然という、極めて高飛車の文面で、ちょっと驚いてドキドキしながらネットで調べてみた。 ・そうすると同様のケースがたくさんあって、払った人、払わなかった人など様々だった。ネットに詳しい何人かの知人にもメールを出して、どう対処したらいいか相談したところ、よく調べてもらって、無視したらよろしいという返事だった。「CopyTrack」のサイトには、対象は営利の商用サイトであって、個人のサイトには要求しないとあった。だったら僕のホームページは対象外だから、要求には応えられないと返信した。 ・ところが、最初は日本語だったのに、今度は英語で、あなたの主張には応じられないとあって、同様の金額の請求が繰り返された。非営利の個人サイトであることを認めないのは大学のサーバーから発信しているせいかも知れないと思い、すでに退職して大学には所属していないこと、名誉教授の権利として、サーバーを使わせてもらっていることを書いて返信したのだが、やって来たのは問答無用の返答で700ユーロの要求を繰り返すだけだった。 ・文面には、払わなければ法的手段に訴えるとも書いてあったが、第二東京弁護士会 のサイトには「写真等の無断転載に関して金銭請求を代行する業者に注意を」というページがあった。それによると、無断転載に関する金銭請求には弁護士や認定司法書士の資格が必要で、それがなければ「非弁行為」として刑事罰の対象になると書いてあった。また「CopyTrack」のような非弁業者が弁護士に依頼して裁判に訴えることも違法だとあって、法的な手段を使うことはできないことがわかった。 ・「CopyTrack」にはプロの写真家やイラストレーターでなくても、誰でも登録できるようだ。たとえば僕のホームページにはすでに4000枚を超える画像が載っている。そのほとんどは僕が撮ったものだから、「CopyTrack」に登録すれば、無断で利用した人に使用料の請求がいくことになるだろう。そうすれば僕にもお金が入ってくることになるのだが、僕はプロではないから、そんな報酬が欲しいとは思わない。個人的に利用するのなら、どうぞご自由にというのが、僕の基本的な方針だからである。営利目的で使用したり、変な使われ方をしたことが分かれば、直接苦情を言ったり、損害賠償で訴えるといったことがあるかも知れないが、今のところそんなケースも見つけていない。いずれにしても、十分に気をつけること。今回の騒動で身にしみた戒めだった。 |
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・ 石破首相が自民党総裁の辞任を決めた。総裁選の前倒しが決まったり、それを受けて衆議院の解散に打って出れば、自民党が分断され、国政も混乱するといった菅や小泉の忠告を受け入れたからだと言われている。僕は総裁選の前倒しが賛成多数になるかどうかわからないし、多数になったら衆議院...
・梅雨が長く、明けても天候不順の日が多かったから、雲ばかりで何も見えないことが多かったのだが、時には富士山や富士五湖がくっきり見える日もあって、それはなかなかの風景だった。それに出かける時によく通るいくつかの交差点や河口湖駅前などもあって、今日の人出は、交通量はなどとチェックすることもできるようになった。だから見たい番組がない時には、ケーブルテレビにずっと合わせておくことも少なくない。ちょうど景色が変わる一つの窓が増えた感じなのである。
・もっとも、毎試合見ているドジャースの試合では、日本の広告ばかりが目立っている。試合の中継はNHKがやっているのだが、バックネットには大谷選手と契約しているメーカーの広告がよく載っている。「おーいお茶」を背景に大谷選手の打撃を見るのは、もうほとんど日常的な風景である。今年からこの球場は「ユニクロ・フィールド・アット・ドジャースタジアム」という名称になった。このパートナーシップは5年で1億2500万ドル(200億円)で看板は外野のフェンスやバックネット、それにスコアボードの上などに設置されている。
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またドジャースのブルペンには今年から毛筆で大きく「不動産を超えてゆけ」と書かれた広告がある。SAMTYという大阪の不動産会社で山本投手と契約しているようだ。バックネットの「おーいお茶」と合わせて、何とも奇妙な感じがする広告である。ちなみにネット裏の広告は1イニングで1000万円以上もするようだ。しかも、実際に球場でも見られるのではなく、TV中継のために合成して貼りつけられているのである。NHKはなぜ許しているのだろうか。考えればおかしな話である。これはドジャースが遠征する球場でも同様である。
・そのチョムスキーの本をアメリカがイラクを侵略した直後に読んで、紹介したことがある。『すばらしきアメリカ帝国』(集英社)で印象に残ったのは、アメリカのイラク侵略を「国際法に根拠のかけらさえもない予防戦争」だと言い、次のような批判を書いていたことである。
・この本は「無法国家のやりたい放題!」「『違法だが正当』というごまかし」「海外における民主化促進」「中東が証明するもの」「アメリカ国内における民主化促進」といったタイトルの章で構成されている。無法国家とはもちろんアメリカのことだが、それはアメリカの国内法はもちろん、国際法や国連の手続きも誤魔化したり無視することを指している。そして法を無視することが正当であることを主張する傲慢さが常套句であることが指摘されている。

・東京についてこの本で提示されている視点は、東京が3度侵略され、その度に大きく変容したということである。最初は徳川家康による江戸、2度目が大政奉還と明治維新による東京、そして3度目が大戦に負けて米進駐軍による統治と戦後の復興である。もちろん東京には縄文時代から人々が住んでいて、貝塚や古墳も見つかっている。
・「都心・再開発編」で歩いているのは下北沢から渋谷、そして麻布、四谷、新宿などである。ここでは明治時代からあった軍の施設とそれが進駐軍によって接収された影響と、戦後の西武や東急による土地買収と、ビルや住宅地への変貌ぶりが批判的に指摘されている。江戸時代の大名屋敷や戦後に困窮して手放した皇室所有の土地が何に変わったか、谷筋にあった庶民の暮らしが、どう潰されていったか。東京の現状が、歴史を残すことなど無頓着に、経済優先のやり方で進められていったかがよくわかる街歩きになっている。そのような流れは今も、そしてこれからも変わらずに続けられていて、その象徴を六本木や麻布に立てられた高層の森ビルなどに見ている。