2026年11月2日月曜日

桜井哲夫『グローバリズムの30年』 (未知谷)

・「グローバリズム」とは地球上の世界が一つになることを意味している。この本がその30年を題名にしているのは、典型的にはインターネットを指している。世界中が回線によって繋がり、瞬時のうちに情報のやり取りができる。その普及には「ウィンドウズ95」やホームページを閲覧できる「ブラウザー」やメールソフトの開発があった。だから当然、この本の狙いは、この30年の間に「インターネット」がどれほど進化し、その影響が世界にどれほどの影響や変化をもたらしたかを探ることにある。しかしこの30年に起きたことはそれだけではない。

 ・この30年は、日本では失われた30年と言われている。バブルがはじけて成長しない不況の時代が30年も続いているのだが、それは高度経済成長が終わって、GDPがほとんど停滞し、デフレで物価は上がらなかったが、国民が得た所得もほとんど上がらなかった、と言うよりはジリ貧だった30年でもある。かつては日本の独壇場だった家電製品が輸出品目から消え、わずかに車だけが残ると言った状況だが、逆にこの30年の間に世界中に広まったものとしてマンガやアニメがある。このマンガやアニメに誘われて日本にやって来る外国人の数もまた激増しているのである。

 ・この本はその30年の間に書かれた原稿を集めたものだが、各原稿の後には現状の分析が追記として加えられている。著者の予測が当たったものもあれば、外れたものもある。しかしその変容の比較を興味深く読んだ。日本がどれほど変わってしまったかを改めて気づかされたが、もちろん、この本は世界の変容にも目を向けている。

 ・2001年9月にニューヨークの貿易センタービルに旅客機が突撃するというテロ活動が勃発した。イスラム原理主義を掲げる「アルカイダ」の仕業と断定したアメリカ政府は、その根拠地であるアフガニスタンを攻撃し、続いてイラクに侵略してフセイン政権を倒した。その時の大統領はジョージ・ブッシュだが、彼の父は1991年にイラクのクウェート侵攻を阻止するために湾岸戦争をしかけている。その後のシリア内戦なども含めて、大量の難民がヨーロッパに押し寄せてEU各国に反移民感情と右翼政党の台頭を招くことになった。この移民の問題はまた、アメリカにトランプ大統領を誕生させる契機にもなった。つまり「グローバリズム」による世界共同体の誕生は、同時に世界の分断化をももたらしてしまっているのである。

 ・そしてこの分断化はそれぞれの国における富の偏在化をもたらした。アメリカではトップ1%が総資産の30%以上を占有していると言われるが、急成長した資産家の多くは、NetやIT、あるいはAI関連の成功者達である。そして富の偏在は、日本でも例外ではない。高度経済成長が終わる1992年時点での大企業の社長と新入社員の年収比は12倍ほどだったが、2014年時点では社長と一般社員の比率は44倍にも拡大している。派遣が大量に増えた現在では、その比率は桁違いに大きくなっているだろう。この本ではこのような経済格差を国立大学の授業料の高額化などを例に指摘しているのだが、大学進学率が現在ではOECDの中で下に落ちてしまったようだ。その学生達はバイトに忙しくて、ゼミの飲み会もできないのが現状だ。

 ・僕は著者の桜井さんと同じ大学で20年近くを同僚として過ごした。だからこの本に書かれたことには、あーそうだった、と思い出されることが多かった。この30年の間に、日本も世界もとんでもない方向に進んでしまった。そのことを改めて確認しながら読んだ1冊だった。

目次 2026

11月

2日桜井哲夫『グローバリズムの30年』(未知谷)

10月

26日聴き放題と言われてもね………

19日政権支持の不思議

12日ネットに預けた個人データが心配です

5日収穫の秋とはならず

9月

28日高市・トランプとメディアの対応

21日天皇制について改めて気づかされたこと

14日カー・ステレオの変遷

7日ドジャースの試合が面白くない

8月

31日さよならアウトバック!

24日どこにも行かない夏

17日広告に腹が立つ

10日ジェニファー・ラウシュ『スロー・メディア』(世界思想社)

3日アブドゥーラ・イブラヒムについて

7月

27日傍若無人のとんでも国会

20日少年野球とMLB

13日雨でクルマも野菜もひどい目に

6日テレビのスポーツ中継と広告

6月

29日 ヴォルフガング・シベルブシュ『鉄道旅行の歴史』(法政大学出版局)

22日次はやっぱりローリングストーンズ

15日ナフサ不足とプラゴミ

8日ブラウザーの翻訳機能に驚き!

1日春の雑事、珍事等々

5月

25日仕方なくケーブルテレビにした

18日ノーム・ チョムスキー『破綻するアメリカ・壊れ逝く世界』(集英社)

11日今さらですがビートルズを

4日教養はもっと大事!

4月

27日キョウヨウが大事です

20日半月滞在の客人と過ごした日々

13日デモはネットでしか伝えない

6日スタッズ・ターケル『仕事!』(上下)河出文庫

3月

30日 ボブ・マーリーについて

23日 世界が壊れはじめている

16日 させていただきましたはいただけません

9日 薪割り、ゴミ穴、そして大掃除

2日 選挙報道とオリンピック中継

2月

23日 パティ・スミス『ジャスト・キッズ』河出書房新社

16日 Bob Dylan "Shadow Kingdom" Patti Smith "Horses"

9日 ドジャースの戦力補強に違和感

2日 厳寒のお粗末選挙にうんざりだ!

1月

26日 ケヤキと格闘中です

19日 久米宏とテレビの終わり

12日 黒川創・滝口夕美編『加藤典洋とは何者だったか?』SURE

5日 ニール・ヤングの反トランプ宣言

1日 今年もよろしくです

2026年10月26日月曜日

聴き放題と言われてもね………

  ・大学の電算課からPHPの脆弱性が指摘されたため、一部のサーバーを停止しますという連絡が来た。それも停止の1時間ほど前だった。しばらくすると確かに、僕のホームページにはアクセスできなくなった。よほど緊急な決断だったのだろう。しかも、停止するのがいつまでなのかもわからないようだ。

・ 困ったな、と思ったが、しかし、同じものを載せているbloggerは生きているから、これからも更新は続けるつもりでいる。もっとも、画像はホームページからの転載だから、画像なしにしなければならない。もちろんbloggerに直接貼りつけることもできるが、ホームページが復活した時に、作り直さなければならないから、どうするか思案中である。

・ というわけで、インターネットはどこも大騒ぎで、アクセスできないサイトも結構あるようだ。 アマゾンは攻撃されたことを公表しているけれど、買い物もビデオも停止してはいない。YouTubeも問題ないし、bloggerも使えているからGoogleも大丈夫だろう。

・ 実は今回取り上げようと思っていたのはそのYouTubeとAmazon primeの課金についてだったのである。どちらも課金すれば広告がなくなるし、音楽が聴き放題になることを売り物にしている。その気はないのにくり返し宣伝してくるから、しつこいなと、かなりいらだっていたのである。

・ 僕は聴きたい音楽のすべてをCDで購入してきた。しかし気に入ったミュージシャンが高齢化して、引退したり亡くなったりしたから、買うものがほとんどなくなってきた。若手のミュージシャンに興味を持ちたい気はあるのだが、さっぱり見当たらない。ほとんど意味のない歌詞を歌うものや、ダンスだけのもの、あるいはアニメの主題歌で人気者になったグループなどばかりだという印象なのである。だから聴きたい放題なんて言われても、聴きたいものがほとんどないのである。

・ YouTubeは聴いている音楽を平気で途中で切ってCMを入れるし、アマゾンも見ようと思う映画の前にいくつものCMを見ろと強要する。もう我慢比べだが、出てくるCM には反感しか持たない。お金を払ってCMを頼む気が知れないと思うが、それでも何らかの効果が実際にあるのだろうか。

・ もう半世紀以上もポピュラー音楽を聴き続けてきて思うのは、徹底的に商業化されて中身のないがらくたばかりになったな、という感想である。その半世紀を振りかえれば、最初はレコードだった。LPは当時でも2000円もしたから、一枚買うのも大変だった。何しろ学生の時にした日払いのバイトが一日2000円ぐらいだったのである。それがCDになり値段も変わらなかったし、僕の収入も増えたから、一度に何枚も買うといったこともあった。CDが何枚あるか数えたことはないが、2000枚はあるだろう。パソコンでは100ギガバイト近くになっている。

・ ところがネットでダウンロードできるし、YouTubeやAmazonに課金をすれば聴きたい放題だと宣伝されても、聴きたいものがなければ何の魅力もないのである。簡単になった分だけ、つまらない時代になったものだとつくづくと思う。

2026年10月19日月曜日

政権支持の不思議

・簗農相の更迭で高市政権の支持率も少し下がったようだ。当然だが、この政権を支持する人がまだたくさんいることに不思議な気がしてしまう。高市首相のやっていることはお粗末なことが多いし、危険だと感じることも少なくないからだ。簗農相の更迭に際して、彼女は「ダサい」ということばを使った。農相がしたことの問題は、選挙区で支持しなかった首長のいる市や町の道路予算を国交省に圧力をかけて減額させたことにある。あるいは選挙活動で支持者を無料で用意したバスで運んだことが選挙法に抵触するといった疑いである。しかし「ダサい」というのは、その問題自体に対してではなく、簗農相の答弁に向けたもので、彼女はその「言い訳が格好悪い」と評したのである。

・前回の衆議院選挙で簗は落選して比例復活している。それを根に持っての選挙区自治体に対する仕打ちだが、選挙中に高市は応援に行って「私の大事なやなちゃん、知恵袋のやなちゃんがいなかったら本当に大変です」とまで言ったが当選できなかった。しかし、よほどのお気に入りだったのか、比例復活なのに農相に抜擢したのである。彼は裏金議員として24年に役職停止6ヶ月の処分を受けている。第二次改造内閣には彼の他にもう一人文科大臣に就任した関 芳弘がいるし、副大臣や政務官には10人も登用しているのである。当然世論もこのような改造内閣には厳しく、毎日新聞の調査では評価するが23%で、しないは39%だったが、おかしなことに政権支持は微増したのである。

・すでに「高市・トランプとメディアの対応」でも書いたが、高市首相の訪米での行動はお粗末そのものだった。しかし、マスコミはそのことに触れず、むしろかつての日本を敵国にしたことを理由に米中の親密さを強調したことに批判の矛先を向けたのである。第二次大戦中の中国と現在の体制は違うといったものだが、国共合作だったことを無視しているし、日本自体も大戦時と現在は別ものだから関係ないとでも言いたいかのようである。米中接近で高市の台湾有事発言が陳腐化していることは言うまでもないが、彼女はそれを改める気はないようだ。

・「世界の真ん中で輝く外交」などと大見得を切ったのに醜態を晒したことに懲りたのか、高市首相はオンラインで開催されたG7会議に欠席をした。それが緊急に設定されたことを理由にしているが、その時間に彼女には公務がなく、麻生太郎らと会食をしていたのである。G7会議に出ても末席にいるだけで何も目立たないことは明らかだし、他の出席者のほとんどが英語での発言だから、一人通訳を介してなどはやりたくなかったのかもしれない。自分のイメージを落とすようなことはしないのが、彼女にとっては何よりの優先事項なのである。

・日本はGDPでインドやイギリスに抜かれて世界で6位になると予測されている。政権の目玉は積極財政でAIや半導体の成長分野ヘの投資を挙げているが、この分野は日本は遅れに遅れていて、投資をしても成果が上がるかは不確かである。あるいは軍需産業への投資も掲げているが、兵器は実践で使われてこそ能力が高められるから、それができないのにどれほど魅力的なものになるのか疑問が投げかけられている。

・今国会での政権の目玉は食品にかかる消費税を8から1%に下げるというものである。物価高騰の折から消費税が下がれば大きな支持を得られそうだが、実際はそれほどでもないようだ。理由はその財源が明らかにされていないことにある。またこの減税は限定的なもので2年後には元に戻すことになっているのである。軍事費の増額も含めて国債発行に頼る他はないのだが、政権はそのことに全く触れていない。

・こんなひどい現状なのに高市政権の支持率は微増や微減だったりする。メディアがまともな批判をしないどころか、政権を支えるような発言をしているのが一つの理由だが、多くの人、とりわけ若い人たちには深刻な現実を見つめるのではなく、嘘でも希望を与えてくれそうな人を支持したい。そんな気持ちを感じたりするのは、老人の杞憂なのだろうか。

2026年10月12日月曜日

ネットに預けた個人データが心配です

・「Eストア」を名乗る所からメールが届き、不正アクセスによってお客様、つまり僕の情報が流出したという知らせがありました。聞いたことがない名前だったので調べたのですが、インターネットの通販サイトを支援をする企業のようでした。つまり、僕がどこに登録したのかはわからない情報が誰かによって盗み取られたというのです。流出したのは、名前の他にメールアドレスや住所、電話番号などですから、被害は迷惑メールや電話の増加程度で済むのかもしれません。しかし、その直後に知った「タイムズ」のデータ流出にはかなり心配になりました。

・ 「タイムズ」はレンタカーや駐車場を営む会社ですが、僕は奄美大島と屋久島でクルマを借りました。その時に運転免許証のコピーを取られたかどうか、記憶がありません。「運転免許証には、住所、氏名、生年月日、顔写真など、他人が『なりすます』ために十分すぎる情報が、1枚の画像にすべて集約されています。」ですから、これを使えば、ネット銀行の口座開設やクレジットカードでの借金、あるいは各種ローンを組むことも可能だという指摘もありました。確かに、免許証は身分証明書として良く使われています。これだけで本人確認ができてしまうのであれば、どんな被害がもたらされるか。大いに心配になる出来事でした。ただし今のところ、「タイムズ」から情報流出の知らせは届いていません。

・実際僕のところにはさまざまな迷惑メールが届きます。そのほとんどはGmailが迷惑として始末していますが、その数が最近増えているのも事実です。利用しているカード会社を名乗ったり、アマゾンやアップルや楽天、あるいは厚生労働省やe-Taxなんてのもあります。どれももっともらしいので、迷惑として処理していなければ、つい開けてしまうこともあるでしょう。気をつけなければと改めて思っています。今ではほとんど使わなくなってしまった家電話ですが、日に数回ベルが鳴ります。迷惑電話防止のために名前を名乗るように返答するボタンを押すと、ほとんどが切れてしまいます。

・そんな物騒なことが続いている時に、パートナー宛でデジタル庁・厚生労働省から「公金受け取り口座に関する大切なお知らせ」と赤字で書かれた手紙が届きました。その内容は、「『公金受取口座登録法』の改正により年金口座の情報を厚生労働省からデジタル庁に提供し、公金受取口座として登録することが可能となりました。」というものでした。無視しようと思ったのですが,続けて読むと「登録に同意される場合には,お手続きは不要で」、同意しない場合には付属の「不同意申出書」を返送しろというのです。それをしなければ自動的に登録するというのですから、ずいぶん勝手なやり方だと思いました。もちろん、不同意のはがきを返送しました。

・我が家では、僕もパートナーもマイナンバーカードを持っていません。国や自治体に個人情報を提供したくないと思っているからですが、それで何か不便に思うことは全くありません。国民健康保険証と同じものが確認書と名前が追加されて毎年届きます。マイナカードには運転免許証も追加できるようですが、そんなことをする必要性は全く感じていません。と言うより,大事な情報が一括して一枚のカードに盛り込まれれば,それを紛失したりしたら大変です。老人には心配の種が増えるだけなのです。それに、国に預けた情報が不正に流出しないという補償がどこにあるのでしょうか。

・AIが本格化する時代になりました。これからはもっと巧妙に、人を騙す手口が増えることでしょう。歳とっていく者にはそんな流れについていくのは本当に大変です。と書いたら、実際には不正流出は他にもたくさんあることが報じられました。今のところ、流出したというメールは1件だけですが、個人情報の提供にはより注意を払わねばと戒めています。しかし、個人データを預かる企業や公共機関にAIの進化に対応したより徹底した管理をして欲しいと思います。難しいでしょうが念のため………。

2026年10月5日月曜日

収穫の秋とはならず

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・今年の夏の暑さはそれほどでもなかったが、梅雨からずっと今まで雨ばかりになった。それも降り方が尋常ではなく、あっという間に家もクルマも水没してしまうことが各地で続出した。サンルーフからの水漏れで買い替えた経験から、床までびしょ濡れになったクルマのひどさはわかったが、エンジンが止まってしまうことはなかった。クルマが水に弱いことを改めて認識した出来事だった。

forest221-2.jpg ・今年の雨は植物にとっても過酷だった。ひょろひょろと細く伸びたコスモスはほとんど倒れてしまったが、それでも花を咲かせはじめた。野菜の多くは梅雨の時点で枯れてしまって、収穫できたのはキュウリとナスが2本、シシトウと万願寺トウガラシが少しだけだった。例外的にたくさん採れたのはミニトマトだが、鹿に葉や茎を食べられたジャガイモは、それでも去年と同じくらいの収穫だった。サツマイモはまだ葉が元気なので収穫はもうちょっと後にしようと思っている。

forest221-3.jpg ・原村のたてしな自由農園で栗を買って皮と渋皮を剥いた。出かけた目的は新しいクルマでの遠乗りと挽きぐるみ蕎麦粉を買うことで、栗は考えてなかったのだが、見つけて二袋も買ってしまった。去年の栗もまだ残っていたから、さっそく栗ご飯にした。新車にして1ヶ月点検も済ませたが、その間出かけたのは、他には箱根から沼津に行って、右回りに富士山を一周しただけだった。何しろ雨で、出かける気にならなかったのである。


forest221-5.jpg ・その新しいクルマだが、アウトバックと比べると外の音や、道路のでこぼこをちょっと拾う。EVの時にはエンジン音はしないのだが,その分エンジン音が気になったりもする。燃費は18km前後だからアウトバックよりは6kmほど改善されている。しかし、エンジンが動く時の燃費は悪いし、特に登り坂では3~4kmにも落ちるのが気になっている。運転支援システムはかなり改善されていて、渋滞時には手放しでほとんど何もしなくても、前のクルマについていくようだ。しかし、渋滞に嵌まっていないからまだ未確認だ。高速道路での車線変更はウィンカーを出すだけでいいのだが、何度か変更しかけて戻ることがあった。どうしてなのか理由は分からない。

forest221-4.jpg ・雨のために自転車も思うように走れなかった。それでも8月は週2回で河口湖を8周したが、9月は2回だけで、庭仕事もできないから運動不足にならざるを得なかった。雨に濡れた薪は表面が黒くなって、乾くどころかいつまでもじめじめしている。アルプス積みをしている場所を畑にするために薪の移動を始めた。そんな庭に小鹿が現れた。ジャガイモの葉も枯れて食べるものはあまりないはずだが、何かをあさっていた。ジャガイモで味をしめた奴かもしれないので、手を叩いて脅かしてやった。

2026年9月28日月曜日

高市・トランプとメディアの対応

・高市首相が訪米してトランプ大統領と会見し、国連で演説したようだ。日本の新聞やテレビの報道は地味なものだったが、それでも大統領に会ったことや国連で話した内容には、それなりに意味があったといった論調があった。しかし、フリーのジャーナリストがYouTubeなどで伝える中身は真逆で、恐ろしくひどいものだったと言える。

takaiti1.jpg ・高市首相がニューヨークに専用機で到着した時にテレビはタラップで手を振る様子を映していた。一体誰に手を振っているのかと思ったが、実際には駐在員などの日本人が数名だったようだ。この光景は帰る時にも同じように映されていた。そんな寂しさは国連での演説でも同様で、その前に出たトランプの時とは比べるべくもないほどに閑散としていた。彼女は首相就任時に「世界の真ん中で輝く外交を」と宣言したが、実際には、世界の真ん中に行っても、その末席に控えただけだったのである。(画像は内閣広報室より)

・もちろん、トランプとは実際に30分ほど会談した。その様子もYouTubeではテレビ以上に詳しく見ることができた。冒頭で彼女は大きな内閣改造をやってきたところだと自慢気に話したが、トランプは何にも関心も示さなかった。逆に、彼女がトランプに向けた視線(色目?)に対してトランプが思わず目をそらしたシーンがあって、彼の気持ちがわかって面白かった。そもそも彼は高市を日本の首相として紹介し、彼女と言って一度も名前を言わなかったのだが、高市はロナルドと読んで話しかけていたのである。

・そんなやり取りがあって、本題の会談に入る前に高市の通訳は、彼女が言わなかった記者の退席を要求して、大統領や側近達の笑いを誘っていた。大統領は高市の前にイギリスの首相、後にウクライナの大統領と会談したのだが、その時にはどちらも、記者からの質問に答えていたが、高市の時には全くなかったのである。

・記者の質問を避けるやり方は、帰国前の最後の会見でも同様で、質問は日本はNHKと時事通信の記者が行ったが、高市は日本で行っているのと同様に、台本(プロンプター)に目をやりながら答えていた。つまり事前に質問を聞いていて、答えを用意していたのだが、それは外国の記者についても同様だった。ただし質問したのはUAEとインド系の小さな新聞社の記者で、アメリカのメディアからはほとんど無視されたのである。

・驚くのは、こんなやり方に対して、それを批判する日本のメディアがほとんどなかったことである。新聞やテレビをすべてチェックしたわけではないが、現地で取材をしてYouTubeで放映したフリーのジャーナリストは、そう話していた。それが国会や官邸での記者会見のお決まりのやり方だから、同行した日本の記者達は違和感を持たなかったのかもしれない。だとしたら、そのことに気づくいい機会でもあったはずだが、首相同様、外国に行っても日本流を踏襲したのである。

・そのことがいっそう目立ったのは、トランプ大統領が数日前に、彼に批判的なCNNなど数社のメディアのホワイトハウスへの立ち入りを禁止したことがあったからだった。この大統領の発言に対してトランプよりのメディアも含めて、一致団結して憲法違反だと連邦裁判所に提訴して、それが認められた所だったのである。

・なお高市は何より一番強く大統領に対し抗議すべきだった、ICC(国際刑事裁判所)に対する仕打ちについて、何を言ったのか話していない。国連演説でも間接的な批判で、トランプ自身への抗議ではなかった。大体面と向かってドナルドと呼んだり流し目をしたりした後で、強い抗議などはできるはずもないし、やる気もなかったのである。

・トランプの中国に対する姿勢は全く対照的だった。空港まで習首席を出迎え、会談後には第二次世界大戦では同盟国として日本と戦ったことを強調し,お互いの関係の重要さを確認し合った。日本はどんな扱いをしてもついてくる属国だが、かつては敵国でもあったことまで蒸し返して中国に迎合したのである。それでも何も言えない日本の現状には腹立ちよりも情けなさが強かった。