2004年8月10日火曜日

思案中?!

 このコラムを書くのは4カ月ぶりです。他のテーマとくらべて、ほとんど書くことがなくなっています。理由はジャンク(スパ)メール。あまりに量が多いので、6月にサイトからメールのアドレスをはずしました。しかし、それでも、毎日50〜100通は舞いこんできます。アダルトサイト、ヴァイアグラ、ダイエット、ドラッグ、投資、ソフトやハードのディスカウントショップ等々で、しつこいメールにくりかえしお断りの手続をしたのですが、新しいものが次々とやってきます。


「拒否」のできないものも多く、これはどうしようもありません。もっと悪質なのはウィルス・メールで、多いときにはこれも山のように舞いこみます。もっとも、今までウィルスに感染したことはありません。多分、マッキントッシュのせいでしょう。いずれにしても、ファイルはもちろん、本文もあけずに即、消去。だから、個人的に英語でやってきたメールも、ほとんど確認せずに捨てるようになってしまいました。


広告は、資本主義の社会では、経済を沈滞化させないための潤滑油のようなものです。新聞や雑誌に占める広告の割合、テレビCMの多さを見れば、私たちが広告のおまけとして、記事を読み、グラビアを眺め、ニュースやバラエティやドラマ番組を楽しんでいることがよくわかります。たとえ多数の人にうんざりされたり、反感をもたれたりしても、興味をもつ少数の人がいれば、効果はそれなりにあって、十分にペイする。そういうエゴイスティックな性格が、広告には本質としてついてまわっています。


ネットのメールも同じ理由で散弾銃のように発射されるのですが、世界中に盲撃ちですから、たまったものではありません。公開されたメール・アドレスが使用不能に近い状態になってしまう状況は、厳しく規制して欲しいし、撃退する方法を次々考える必要があるのだと思います。多分、ネット上を行き交っているメールの大半は、この種のメールなのではないでしょうか。


このHPからメールアドレスをはずした理由はもう一つありました。内容について感想を寄せてくれる匿名のメールはよくあって、やりとりをするのは、楽しい作業です。しかし、「会いたい」「好き」といった内容に変わっていくものが時々あって、去年の暮れから着始めたメールが5月から急にエスカレートしはじめました。途中から無視を決めこんだのですが、別のところで、匿名の「別の僕」とやりとりをしているようで、「デートの待ち合わせ場所に行ったのになぜ来ない」といった文面が携帯から届くようになりました。


この一件は「あなたのまったくの勘違い!」といって釘をさしたら、ハッと気づいたようで、お詫びのメールが届いて、その後はぱったり来なくなりました。僕のHPは大学のサーバーから実名を出して発信していますから、たとえ関心があっても、こんなやりとりに応えるわけにはいきませんが、研究資料としてはちょっと面白いものではあります。ネット恋愛の一端にふれることができましたし、「インターネットと感情」といったテーマに、あらためて関心をむけたくもなりました。


どうせ、ジャンクメールが減らないのなら、アドレスの公開を再開しようかと考え直しはじめています。理由は次のメール。発信者はタイに住む日本人の女性です。

 はじめまして。私はバンコクで暮らしております。1年半前にカラバオを知り、大ファンになりました。カラバオ、そして松村洋さんの検索をしていて、あなたのHPを知ることができました。
 私は学生時代クラシックピアノを学んでおりました。しかしクラシックと幸せな出会いはなく、好きなロックコンサートにはひとりで行くしかありませんでした。が、家庭の事情で長い間音楽とは遠い生活となり、40代も終わり頃、タイに日本語教師としてやってきました。地方で2年ほど教え、タイ語を習おうとバンコクに出てきて、そしてカラバオに出会ったのです。
カラバオはカラワン楽団と並んで、メッセージ性の強い歌を歌い続けてきたタイを代表するバンドです。80年代には日本でも熱烈な支持者が増え、特にカラワン楽団については「水牛通信」といったミニコミが出て、それがまとめられて本にもなりました。さっそく返事を書くと、次のようなカラバオについての近況が書かれてありました。
 今夜(昨夜?)バンコクでライブがあり、今帰ってきたところです。彼らのステージは深夜0時から始まり2時に終わります。
 カラバオのライブにカラワンさんも出ていたり、プアチーウィット系の歌手総動員のステージでカラワンの歌を聴いたこともありました。
 カラバオが好き、というと「プアチーウィット(人生の歌というジャンル)が好きな んだね」といわれますが、私はロックバンドとしてのカラバオが好きなのです。
こういうやりとりはもっと大勢の人とやってみたい。その可能性があるのなら、投げ捨てられたゴミの片づけを我慢しても、メールを待つ意味はあるかも。そんな気持に傾いているのですが、どうしたものか。目下思案中です。

P.S.プアチーウィット(人生の歌というジャンル)系のタイの音楽。興味津々です。日本にはなくなってしまった歌ですから。

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unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。