2024年10月28日月曜日

補聴器を試してます

 

耳が遠くなったと自覚してからずいぶん時間が経ちました。最初は大学での健康診断で指摘されたのですが、その時はもちろん自覚がありませんでした。しかし、仕事をやめる頃になると、ゼミで学生のことばが聞き取りにくくなりました。そもそも学生の声は小さいことが多いので、「もっと大きな声で!」と言っていたのですが、それが多くなりました。
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次に気づいたのは、テレビの音量についてパートナーと言い争いをした時でした。聞きにくいからボリュームを上げるとうるさいと言われる。そんなことがあって、ボリュームを上げなくても聞きやすくなるスピーカーを買いました。確かに音が鮮明になりましたし、スピーカーを僕の方に向ければより効果的でした。ただし、パートナーが話すことがわからなくて、聞き返すことがあって、補聴器を使えと言われるようにもなりました。

退職してからは人との接触がかなり減りましたから、必要だとは思わなかったのですが、母の見舞いに行って、看護士さんのことばが聞きづらいと思いました。意識がほとんどないとは言え、看護士さんは母が聞いていることを前提にして小さな声で話しました。ですから時には、ほとんど聞き取れないこともありました。これが補聴器を使ってみようかと思うきっかけになりました。

ear1.jpg で、地元の耳鼻科を探して診察を受けることにしました。そこで診断書を書いてもらって、メガネを買っている店で買おうと思ったのですが、耳鼻科には補聴器を扱う人がいて、すぐに試すことになりました。補聴器は両耳で、最低でも30万円以上もします。ですから、これがいいと思うまで、いろいろ試すことになりました。補聴器には耳かけタイプと、穴に直接差し込むタイプがありました。まだそれほどひどくはないので耳かけにということになりました。

ear4.jpg それからもう1ヶ月ほど経ちました。イヤホンのように耳を塞ぐと気になるからと、耳に入れる部分は小さいものにしたり、マスクやメガネを外す時に落ちてしまうから、ストラップを付けたりといろいろ試しています。別のメーカーの機種も試す予定ですから、決めるのはまだまだ先になるでしょう。

補聴器はただ音を大きくする集音機とは違います。新聞やテレビで宣伝していて3万円程で買えるのは集音機ですから、雑音も大きく聞こえてしまいます。しかし補聴器は聞きたい音だけが大きくなるのです。そんな説明を聞きながら試していますが、確かにテレビの音や人の話だけがよく聞こえるようになったと感じます。右(→)のように、つけていることが目立たないほど小さなものですが、それだけにうっかり落としてしまわないように、気をつけなければなりません.何しろパソコンよりも高価なものなのです。メガネに入れ歯に補聴器。道具なしには見えない、噛めない、聞こえないという境遇になりました。来年には数えで喜寿になるのです。やれやれ………。


2024年10月21日月曜日

CopyTrackにご用心!

 

このホームページは毎週一回更新している。いろいろな話題を探して書いているのだが、時にはその内容にあった画像が欲しくなる。著作権にふれないよう気をつけてネットから探していたのだが、突然、無断使用だから使用料を払えといったメールが飛び込んできた。「CopyTrack」という名称で、2枚の画像について、700ユーロ(11万円程)を払えという内容だった。悪いことをしたのだから払って当然という、極めて高飛車の文面で、ちょっと驚いてドキドキしながらネットで調べてみた。

そうすると同様のケースがたくさんあって、払った人、払わなかった人など様々だった。ネットに詳しい何人かの知人にもメールを出して、どう対処したらいいか相談したところ、よく調べてもらって、無視したらよろしいという返事だった。「CopyTrack」のサイトには、対象は営利の商用サイトであって、個人のサイトには要求しないとあった。だったら僕のホームページは対象外だから、要求には応えられないと返信した。

ところが、最初は日本語だったのに、今度は英語で、あなたの主張には応じられないとあって、同様の金額の請求が繰り返された。非営利の個人サイトであることを認めないのは大学のサーバーから発信しているせいかも知れないと思い、すでに退職して大学には所属していないこと、名誉教授の権利として、サーバーを使わせてもらっていることを書いて返信したのだが、やって来たのは問答無用の返答で700ユーロの要求を繰り返すだけだった。

文面には、払わなければ法的手段に訴えるとも書いてあったが、第二東京弁護士会 のサイトには「写真等の無断転載に関して金銭請求を代行する業者に注意を」というページがあった。それによると、無断転載に関する金銭請求には弁護士や認定司法書士の資格が必要で、それがなければ「非弁行為」として刑事罰の対象になると書いてあった。また「CopyTrack」のような非弁業者が弁護士に依頼して裁判に訴えることも違法だとあって、法的な手段を使うことはできないことがわかった。

copytrack.png「CopyTrack」からのメールは1ヶ月ほど続いたが、その後はぴたっと来なくなった。脅して払えばよし、払わなければ仕方がないが見逃してやる。この先また、何か起こるかも知れないが、今のところ、そんなやり方なんだと思っている。いずれにしても、画像の利用には十分に気をつけねばと反省した出来事だった。

「CopyTrack」にはプロの写真家やイラストレーターでなくても、誰でも登録できるようだ。たとえば僕のホームページにはすでに4000枚を超える画像が載っている。そのほとんどは僕が撮ったものだから、「CopyTrack」に登録すれば、無断で利用した人に使用料の請求がいくことになるだろう。そうすれば僕にもお金が入ってくることになるのだが、僕はプロではないから、そんな報酬が欲しいとは思わない。個人的に利用するのなら、どうぞご自由にというのが、僕の基本的な方針だからである。営利目的で使用したり、変な使われ方をしたことが分かれば、直接苦情を言ったり、損害賠償で訴えるといったことがあるかも知れないが、今のところそんなケースも見つけていない。いずれにしても、十分に気をつけること。今回の騒動で身にしみた戒めだった。

2024年10月14日月曜日

それにしても雨が多い

 

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forest204-4.jpg 今年の夏は暑かったが、雨も多かった。雨は9月はもちろん10月になってもよく降っている。そのせいか、玄関に上る階段が腐って割れてしまった。すぐに直したかったのだが、雨ではどうしようもない。応急の補修をして数日待って、ホームセンターで買った木材で作り直した。本来は125cmの長さで4枚必要だったが、木材が高騰していたので、無駄がないように切ってもらい、側壁は115cmほどで作ることにした。作っている途中で雨が降って中断、といったことが続いて、でき上がるのにまた数日かかってしまった。 ブログで調べると2020年に作り替えたとあるから4年しか持たなかったことになる。ここに住み初めて4半世紀、一体いくつめの階段なのだろうか。

forest204-3.jpg 猛暑と雨のせいか、もう時期を過ぎたはずのミョウガが突然、たくさん出てきた。2日間でこのザル二つ分ほど収穫したのだが、思わぬ贈り物だった。そういえば、8月も末になれば、いつもなら枯れるはずのミョウガの葉が、いつまでも青かった。ところが、その後はひとつも出ていないから、どうしてなのかと考えてしまった。狂い咲きと言ったらいいのだろうか。このミョウガは梅酢につけて、これから1年、食事を楽しませてくれる。ここ数年は収穫量が少なかったから、久しぶりに堪能できるだろう。

forest204-2.jpg 収穫して保存といえば栗がある。お正月の栗きんとんにはかかせないし、時折栗ご飯を楽しむことができる。去年は松本で買ったのだが、今年は須走の道の駅で手に入れた.しかし、日にちが経っていたせいか、乾いて固く渋皮も取りにくかった。早速栗ご飯にしたのだが、茶色くておいしくなかった。
そこで、西湖に行く途中にある秘密の栗の木を見に行った。毎年ではなく数年おきにたくさん実がつくのだが、今年はその豊作の年だった。ところが木のまわりの草が狩ってあって、実のない毬(いが)がたくさん落ちていた。道の奥から犬の吠える声も聞こえてきて、誰か家でも建てたのかも知れないと思った。それでも、ポシェットいっぱいとはいかなかったが、程々に収穫することができた。

forest204-5.jpg 暑い日や雨の日が続いたので、庭の整理はほとんど進んでいない。倒して積んだ松の木には、ご覧の通り雑草が繁茂している。家のまわりをちょっと歩いただけで、クモの巣に引っかかってしまう。上のような巣があちこちにあって、見つけるたびに壊している。
気温が下がり、晴れの日が続いたら庭仕事にかかろうと思っているが、いつになるのやら。他にすることがないから、雨が降っていない日には、早朝に自転車を走らせた。湖1周20kmを週2回ほどを続けているから、運動不足にはならないでいる。それにしても午後になると、暑さもどこ吹く風で、主に白人たちがレンタル自転車を楽しんでいる。交通量も多いから危ないなと思いながら、クルマで追い越すことが多い。

2024年10月7日月曜日

クリス・クリストファーソンについて

 

Kris1.jpgクリス・クリストファーソンが亡くなった。88歳だった。この欄で死んだ人を取り上げるのは今年三人目だが、去年も四人だった。若い頃からずっと聴き続けてきた人たちが、次々いなくなっていく。そんなことを身にしみて感じている。

クリストファーソンの一番のヒット曲は「ミー・アンド・ボビー・マギー」だろう。ただしこの曲を有名にしたのはジャニス・ジョプリンのカバーだった。ジョニ・キャッシュやウィリー・ネルソンと並んで、カントリーの大御所だが、二人に比べたらずっと地味な存在だった。

雨が降りはじめて、ディーゼルに親指を立てた
そのクルマは私たちをニューオリンズに運んだ
赤いバンダナに指したハーモニカを吹くと
ボビーがブルースを歌いだした
ワイパーが時を刻み、私はボビーの手を握った
私たちは運転手が知っている歌のすべてを歌った
彼はまた、俳優として何本もの映画に出演している。彼がビリーを演じた『ビーリー・ザ・キッド』には音楽を担当したボブ・ディランも出演し、「ノッキング・オン・ヘブンズ・ドア」が主題歌になった。ディランを「ボーイ」と読んで子ども扱いするビリー役のクリスが格好良かったことが今でも記憶に残っている。共演したリタ・クーリッジと再婚したが、その彼女とも離婚している。ただし三度目の結婚も含めて、クリスには8人の子どもがいるようだ。

僕が彼の映画で一番印象に残っているのは、三島由紀雄原作の『午後の曳航』で、船乗りとして息子に尊敬されていた父親が、陸に上がって、その息子に幻滅されて殺されるという話だった。あるいは、バーバラ・ストライザンドと共演した『スター誕生』や大型トラックの運転手役だった『コンボイ』などもあった。その意味では、シンガーよりは役者として有名だったと言えるかも知れない。

大柄で低音といったマッチョの典型といった外見だったが、若いミュージシャンから慕われる人望の篤さがあった。印象的に覚えているのはボブ・ディランの30周年記念コンサートに出たシニード・オコーナーがヤジに怒って舞台から降りた時に、なだめて舞台に連れ戻したのがクリスだった。そこでシニードはディランではなく、ボブ・マーリーの'war'を歌った。

クリスが死んだというニュースを見て、久しぶりに彼の歌を聴いた。そういえばもうずいぶん、彼の歌を聴かなかった。半ば忘れていたのだが、ギターをつま弾きながら、語るように、つぶやくように歌う。そんな姿をYouTubeで見ながら、自分の人生と重ね合わせて振りかえる一時を過ごした。