2002年8月12日月曜日

BSデジタル放送の不満と満足


  • BSデジタルを見はじめて1年たった。見るテレビのほとんどはBSだから、チューナーを購入して正解だったと思う。ワールド・カップは幅広画面で堪能したし、映画の番組もよく見る。デジタル用のテープ・レコーダーも買ったから、きれいな画面そのままに録画できるようになったし、必要なら、パソコンに取りこむこともできるようになった。何より、見たい番組を探す選択肢が多いのは楽しい。
  • けれども、チャンネルはもっとたくさんあってもいいと思う。実際、民放には使えるチャンネルが三つあるのだが、Wowow以外はどこも一つしか使用していない。3チャンネルで別々の放送しているNHKにも、じつはもう一つ隠しチャンネルがあって、時折、別放送をしている。
  • この使われていないチャンネルで、何か別放送をしたらいいのにと思う。新しい番組を制作するのではなく、地上波ですでにやったものを再放送するとか、地上波の番組を同時放送するとかすれば、それほどのコストはかからないのではないだろうか。実際、ワールド・カップの中継では同時にやったのだし、TV東京はニュースを同時に放送したり、人気番組を週遅れで放送している。NHKがニュースを同時放送しているのは、実験放送の段階からだった。地上波の映りが悪い地域では、格段にきれいな画面で見られることになるのだから、これは、是非実現して欲しいと思っている。
  • 一番の不満は、へー、と思うような実験的な番組が全然ないこと。他チャンネル化になれば、視聴者は数百万ではなく、数万とか数千になる。それで十分にペイする番組を模索するような姿勢が見られない。地上波の番組作りの発想からちっとも抜け出せない感じだが、地上波ももうすぐデジタル化しなければならないのだから、発想を転換しないと、他チャンネルは宝の持ち腐れになってしまう。
  • もちろん、各放送局が視聴者を増やす努力をしていないわけではない。一番宣伝しているのは双方向サービスだが、これはクイズやゲームといったものがほとんどで、たわいがないからつきあう気にはならない。あるいはテレビショッピングも多いが、ぼくはテレビ番組の中でこれが一番嫌いだから、ほとんど見ない。もっとも、テレビのもつ宣伝や洗脳の力をこれほど露骨に出す番組は他にないから、研究テーマとしては面白い材料だとは思う。何しろ、テレビ局が手っ取り早く収入をあげる手段であることは、UHFなどで証明済みなのだから。
  • デジタル化がもつポイントは多様化の中の競争だが、ワールド・カップで協力態勢を組んで成功したからなのか、今度は好きな映画の投票をさせて、人気のあったものを各局がそれぞれ放送するという企画を組んだ。「BSデジタル映画祭」。この試みは選択肢を増やすいいアイデアだと思う。全局で300本の映画を放映するそうだ。おかげで、どの時間でも、どこかで映画をやっているという状態になった。だからWowowとあわせて、ついつい映画を探して見てしまうことになった。
  • 上映している映画のほとんどは、すでに見たことがあるものばかりだったが、『運動靴と赤い金魚』ははじめてでおもしろかった。イランという国はイスラム教とあわせてわからない国といわれる一つだが、映画で描かれる人間模様はものすごくよくわかる。運動靴を買ってもらえない家庭の子供がくり広げる悲喜劇。男の子と女の子の大きくて澄んだ瞳そのままに、貧しいけれど、温かい世界がある。
  • そのほかに前回Book Reviewで紹介した『いちげんさん』も放映された。昔見た「 keiko」に似た素人くさい感じの画面作りだった。場所も同じ京都だったから、どうしても重ね合わせて見てしまった。後、行き当たりばったりでみているから題名も忘れてしまったが、ロビン・ウィリアムスやブルース・ウィリス、スーザン・サランドーン。夏休みだからこそ、できるカウチポテト。でも、いい気になっているうちに、もう8月も半分過ぎてしまった。
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    unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。