・正月明けに雪が降り寒くなって、本格的になったと思ったが、1週間ほどしか続かずに2月になると春の気配が感じられるようになった。雪はほとんどなく、代わりに季節はずれの土砂降りの雨で、何とも物足りない冬だった。ただし、富士山の雪は今年はたっぷりで、ここだけが冬の景色になっている。富士山の雪は寒いと風に吹き飛ばされて、かえって地肌が見えたりするが、今年は湿雪のせいか厚く積もっている。
・去年は雪がたっぷり降った。2月の中旬にイギリスとフランスに出かける時には、あたり一面真っ白だったのだが、3月はじめに帰ってくると、それが溶けて春になっていたのが印象的だった。この欄のバックナンバーを見ると、一昨年も暖冬だったと書いてある。冬を通して地面が見えたのは初めてだったと書いてあるから、その前には、少なくとも引っ越してきた2000年の冬以降はなかったことになる。温暖化現象なのかとすぐに思いたくなるが、どうなのだろうか。大雪に備えて買った雪かき機は、今年はとうとう使わずじまいで、動くことを点検するために数回エンジンをかけただけだった。これでは、宝の持ち腐れだし、場所ふさぎで邪魔なだけになってしまう。
・厚くはった氷に穴を掘ってワカサギ釣りは、隣の山中湖で時々可能になる。今年はもちろんダメだが、ワカサギがいないわけではない。だからボートを出して釣る人は少なくない。河口湖はブラックバスで有名で、ワカサギはその餌になってしまうから、いないのだろうと思っていたが、そうではないようだ。
・家の前を流れる川が湖に流れ込む近くで、大量のワカサギが遡上をした。人工的にできた高い段差があるから、漁協の人たちがつかまえて産卵させて、稚魚にして放流しているようだ。この時期なら100匹ぐらいはすぐ釣れるらしい。卵の入ったワカサギは、何と言ってもフライが一番おいしい。小さくて面倒くさいが、それでも毎年この時期には、知人からわけてもらって食べている。
・この川に遡上するのはワカサギだけではない。河口湖まで毎日散歩しているパートナーが興奮して帰ってきて、川に魚がうじゃうじゃいると言った。去年の夏の初め頃だったと思う。調べるとウグイでやっぱり産卵目的の俎上のようだった。この時期には腹が真っ赤になるから、赤魚と呼ぶ地域もある。あるいはハヤともよばれるらしい。調べると、独特の臭みと小骨があって食用には向かないとある。ただし、釣りの相手としては、よく餌に食いついておもしろいようだ。釣りをしないから、湖にどんな魚がいるのかよくわからないが、結構多様なのだと認識を新たにした。
・雪のない冬、氷の張らない冬。まったく冬らしくないが、生き物は決まった時期に決まった行動をとる。せめてもの季節らしい出来事だ。もっとも、遡上した魚は、川にできた人口の段差に妨げられて数百メートルまでしかいけない。それがなければ、ひょっとすると我が家の前まで来るのかもしれない。と思うと、コンクリートの段差が何とも邪魔くさく感じられてきた。もっともここでつかまえて人工的に孵化させたほうが確実で、この段差はそのためなのかもしれない。
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unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。