・そろそろCDレビューの頃だなと思って、itunesを開いて、ここ 3ヶ月ほどCDを一枚も買ってなかったことに気がついた。そう思って、Amazonの新譜欄をチェックしたが、やはりめぼしいものは何もない。 Amazonからもお勧めのメールが頻繁に来ていたのだが、紙ジャケとかリマスター、あるいはDVD付きの再生品ばかりで、ろくに読みもしなかった。こんなことは最近なかったことだ。
・たとえば去年のレビューでは、「新譜あれこれ」を2回書いている。一つひとつやるのでは多すぎるのでまとめて書いたもので、去年の7月は 4枚、11月のは6枚にもなっている。おまけに12月には「聴きおさめ」としてさらに4枚で、一年で50枚ほど買ったと書いてある。念のために itunesで今年買ったCDを調べると20枚もなかった。しかもその中で新譜と言えるものは半分もない。これはどういう現象なのか。僕個人の好みによるのではない気がした。
・Amazonで洋楽の売り上げ状況を確認すると、マイケル・ジャクソンが何枚も上位に入っている。これは世界的な現象でしょうがないのだが、その他に上位に入っているのもビートルズだったり、サイモンとガーファンクル、イエスにレディオヘッドだったりして、そのどれもが再発売なのである。そういえば、ここのところニール・ヤングの古いアルバムの再生品のメールがやたら多かった。
・とは言え、新譜がまるでなかったわけではない。このコラムでも、今年すでにディランやスプリングスティーン、あるいはU2といった人たちの新譜を取りあげている。どれもできが良くて気に入っているのだが、日本での売り上げ状況はAmazonで見る限りはたいしたことがないようだ。新しいものよりは古いものの方が売れるということなのだろうか。昔懐かしさだけを追い求めて、今の様子には関心がないとすれば、CDの購入者は年齢が高い者が主流だということになる。
・中津川のフォーク・ジャンボリーが40年ぶりに開かれたそうだ。歌っているのも聴いているのも僕と同年代で、ニュースを見ていた限りでは、「懐かしい」ということばしか聞かれなかった。おそらく、40年前に歌った歌をそのままやったのだろう。ただし、歌っている者も、聴いている者も、その外見は昔とはまったく違っていて、そこに何とも言えぬ気味の悪さを感じた。死んだ歌を偲ぶ40回忌。
・そう言えば、身近な学生に洋楽好きがいなくなってずいぶんになる。だから、新しいミュージシャンでおもしろいものについて、学生に聞くこともほとんどなくなった。ipodが普及して、イヤフォンで聞いてる姿はずいぶん見かけるから、その落差が一層際立って感じられてしまう。大学生の聴く音楽は実際、高校生や中学生とほとんど大差がない。こんな現象に気づいてからももうずいぶんと経っている。だから講義やゼミで、音楽を話題にすることも少なくなった。
0 件のコメント:
コメントを投稿
unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。