2015年8月3日月曜日

BSを見るのは地方の年寄りかマニア?

・火野正平が日本全国を自転車で巡る番組「心旅」が今年も続いている。春は和歌山から出発して北海道まで行って7月末で終了した。秋は徳島から出発して沖縄まで行くようだ。番組は朝昼夜とやっていて、僕も朝と夜は楽しみにして見ていた。BSだからどの程度に見られているのかわからなかったが、彼が行く先々で出会う人が「毎日見てます」といった声をかけることが多いのに意外な感じがした。火野正平が走るのはほとんど都市部ではなく、山間や海岸地帯で、そこで出会うのはお年寄りが多かったからだ。

・大学のゼミでこの番組の話をしても、見ている学生はほとんどいない。彼や彼女たちは、そもそもBSそのものを見ていない。テレビで見るものと言えば夜のバラエティで、テレビのチャンネルにBSがあることすら意識していない学生が多いのである。実際視聴率から言ってもBSはあまり見られていない。そのことは地デジと同時中継するスポーツ番組の視聴率の違いからも明らかだ。

・若い人たちがあまりテレビを見ないことや、主たる視聴者層が高齢化している傾向はずいぶん前から指摘されている。都市部では多チャンネル化が当たり前になっているからBSにまで関心が向かないのも当たり前かもしれない。けれども地方では、地デジの民放も2局だけだったりするから、BSもかなり見られている。その主たる視聴者層もやっぱり高齢者なのかもしれない。火野正平の番組を見ていて、そのことを実感した。前回書いたように、CMが「特定保健食品」や「栄養機能食品」ばかりなのもわかるというものである。

・もっとも、同じBS番組でも田中陽希の「グレイト・トラバース」は、老若男女に視聴されているようだ。去年の百名山に続いて今年は二百名山の踏破をめざしている。北海道の稚内から歩き始めて九州をめざす行程で、終わるのは12月になるようだ。その2回目の放送が8月1日にあった。百名山に比べて二百名山にはなじみのない山も多い。登山者が少なくて道が藪に覆われてなくなってしまっているところもあるようだ。なかなか大変な試みだと思う。ただし、彼にとっての悩みはや苦労はそれだけではない。

・彼はブログを出していて、そこには全行程の日程や日記が載せられている。だから、登りやすい山になると、待ち構えていて一緒に写真を撮ったりサインをねだったりする人がかなりいる。食べ物などの差し入れをする人もいて、そのことが歩く妨げにもなっている。番組は見て欲しいけど、邪魔はして欲しくない。そんな気持ちがブログでも吐露されているが、山歩きがブームになっている現状を考えれば、その憧れの人に一目会いたいといった願望をやり過ごすことは難しい。そもそも、ブームに火をつけたのもBSの百名山番組だったりもしたのだ。

・マニアックな番組と言えば「ツールドフランス」も、その全日程を中継していた。毎日25分ほどの時間だが、ロードバイクに乗り始めた者としては興味津々で見続けた。百台を超える大集団だからちょっとしたことで転倒して、それが何台にも連鎖する。優勝候補の選手が骨折をして棄権といったことも連続した。何しろ平地ではそのスピードが60kmを越えるというし、下り坂なら100kmにもなるようだ。どんなにがんばったって30kmを超えて走り続けることなどできないし、坂道では60kmが精一杯という者からすれば、自転車競技はやっぱりサーカスのように思えてしまう。

・テレビを見るとすれば、もっぱらBS。そんな視聴が定着してずいぶんになるが、我が家では最近、見られない日が多くなった。家の周囲の木が繁茂して電波を遮るようになったからだ、曇りがちになったり、風がちょっと強めに吹いたりすれば、もう映らなくなってしまう。大木を伐採することはできないから、BSアンテナを移動するか高くするかしなければいけないのだが、年齢を考えると屋根に登るのもそろそろ控えた方がいいかも、と思い始めている。森の中に住んで暑さをしのげているが、電波は届いて欲しい。どうしたものか悩んでいる。

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