・長ーい冬がやっと終わった。何しろわが家では11月の初めから薪ストーブを使いはじめたから、暖房の期間は5カ月半、ほぼ半年になった。例年よりは半月から1月長い。おかげで、予定した薪は全部使い切って、来年用に蓄積しはじめたものまで燃やすことになった。これだから、倒木集めと薪割りは余裕を持ってやっておかなければならない。地元の人たちは、連休明けまでは安心できないと言うから、まだまだストーブを使うかもしれない。
・去年の11月に見つけた倒木は、冬のあいだにすべて、切って割って薪にした。ちょうど家のまわりに積み上げる量で、これで次の冬もだいたいいける。それでも、倒木を置いてあった場所が空になると、何となく不安というか寂しくなる。で、また出かけたついでにあちこちをきょろきょろ。この冬は雪が多かったから、倒れたり割れたりした木はかなりある。見通しは悪くない。
・そんなふうに思っていたら、さらにいい知らせがあった。高校の同級生が山中湖で「マナ・ハウス」というペンションをやっている。不況でどこも客足はのびないようだが、彼のところはがんばっていて、最近、隣のペンションを購入してビジネスを拡大した。改築して周囲の木を伐採したときいたから、さっそくもらいに行くことにした。山中湖までは片道25kmほどある。トラックを借りようかと思ったが、とりあえずはランカスターで積めるだけもらってきた。
・春休みだったから、次の日も行こうと思ったのだが、1日目で持病のぎっくり腰になった。さらに数日後には季節はずれの大雪。4月にはいっての25cmは十数年ぶりのようだ。で、ガソリンも抜いてお役ご免のはずの除雪機を動かすことになった。そんなふうにしているうちに新学期が始まってしまい、いまだに行っていない。5月になると草が生い茂って倒木は隠れてしまうし、カビが生えたり腐り始めたりする。連休はペンションが忙しくなって迷惑だから、なんとかその前に行かなければと考えているが、なかなかその時が来ない。
・もちろん、ウィークデーで大学に行かない日はあるのだが、先週からベランダの改修工事をはじめてしまった。ベランダの板や手すりがだいぶ腐り始めていて、前から気になっていた。急に暖かくなりはじめて、ベランダでちょっと読書でも、と椅子に座ったら、ぼろぼろの手すりが目に入った。もらってきたばかりの木に、ちょうどいい太さのものがある。そんなふうに思いはじめたら、決断するより先に、本は置いて、鋸と金槌を取りに行ってしまったのだ。腐った木を壊しはじめたら、もう後戻りはできない。
・DIYの店に行って板を買い1日か2日で仕上げるつもりだったのだが、点検すると床下の支えの板も腐っている。かなり大がかりなことになって、すでに4日も5日もかかってしまっている。もちろん仕事があるから、飛び飛びにしかできない。でこの週末に一気に仕上げることにした。出来映えはなかなかいい。腰や肩と相談しながらの日曜大工。けっして体にいいわけではないが、心のレフレッシュにはもってこいだ。何しろ大学では、先週の学部教授会が5時間、今週の全学教授会も5時間半で、退屈や、イライラ。ストレスがかなりたまっていたのだ。
・最後に周囲の春の様子をすこしだけ。蕗の薹はもう終わったがたらの芽がもう少したてば食べられるようになる。ここ数日の高温で、庭の桜が一気に満開になった。片栗の花は今年は8つ。去年の倍に増えた。この分で行って来年さらに倍になると、数年後には庭に群生するようになるかもしれない。パートナーはさっそくその周辺に入らないように低い柵を張り巡らした。白樺も葉をつけはじめ、あたりが茶色から緑色に変わりはじめている。もう少しするとライラックや三つ葉ツツジも咲き始める。河口湖の春は突然のようにやってくるが、今年はそれが一層はっきりしているようだ。