・11月から富士山周辺の自動車のナンバーが「富士山」になった。新車など新しく登録したものは自動的に「富士山」になるのだが、すでに所有している車でも、届け出れば「山梨」から「富士山」に変えることができる。ちょうど車の替え時だと思っていたのだが、以前に書いたように、10年愛用したレガシー・ランカスターが20万キロを越えて、なお快調に走ってくれている。できれば次の車検時まであと2年は乗り続けたい。そんな激励の意味もこめて、ナンバープレートを「富士山」に交換することにした。
・交付が始まってからネットで調べると、手続がネットでできるという。さっそく「関東陸運振興財団」のサイトにアクセスして、手続をはじめた。このサイトは名前からして国土交通省の天下り機関であることがわかる。ナンバープレートの交付料と希望のナンバー取得料で4300円。交付料だけより 2500円高くつく計算だ。希望の番号がとれると、指定の銀行への振り込みの指示が来た。
・で、石和にある陸運局まで車で出かけることになる。富士山ナンバーは山梨・静岡県の富士山周辺の市町村に限られる。だから、最寄りの富士吉田で交換できてもいいはずだが、登録場所は「山梨」の石和だという。積極的に普及させようという気がない、お役所仕事の一端が早くも見える。窓口に行くと何枚もの書類を渡され、それぞれを別々の窓口に提出するように指示された。その場所を聞くと全てが違う建物にある。それを順番に訪ねなければならないし、それぞれに出す書類の書き方もまた、それぞれの窓口近くの見本を参考にしろと言う。「うへー」と思ったら、代書ができますと言ってきた。「いくら?」と聞くと「1800円」だと言う。何とも高い。何とかなりそうなので自分で書きこむことにした。
・同じような作業をしているのは、明らかに車のディーラーやバイク屋さんで、手慣れた様子で書き込みをして窓口に出している。素人は極めて少ない。車検の検査がじぶんでできるようになってずいぶん経つのだが、やっぱり業者任せがほとんであることがよくわかった。ナンバー交換でもやっぱり車検証は新しくしなければならない。書類に書きこむ内容は、要するに、古い車検証に書いてあることを、ナンバー以外はそのままを正確に決められた場所に丸写しするというものだった。一見当たり前の手続に見える。けれども、この書類を見て窓口の係員がパソコンに打ち込むのだから、古い車検証を見れば済むことなのである。そう思うと、全てが無駄な作業に感じられてきた。ネット手続をはじめたとは言っても、その他のところは相変わらずのお役所仕事で、手続をさせてやっているという態度がありありだと思った。
・40分ほどかけて新しいナンバープレートをもらったら、付けかえは自分でやることになる。錆びたボルトをはずし、ナンバーをつけ替えると検査官がやってきて、車体番号を確認しておしまい。この間およそ、1時間。古いおんぼろ車がちょっと新しくなったように見えた。