2000年11月27日月曜日

BBはまだ当分だめのようだ

 

  • ヤフーがADSLによるブロードバンド(BB)に乗り出すニュースを聞いてさっそく予約した。大学でのインターネット環境が改善されたら、余計に家での遅さが気になってしまった。BBの普及でかえってひどくなったんじゃないかと思いたくなるほどだ。しかし、ヤフーによれば10月はじめには最寄りのNTT局の工事にとりかかるという。もうすぐ、動画だろうがサウンドだろうが気にせず楽しめる。そう思うとなにやら待ち遠しい気持ちになった。そしてヤフーから工事終了のメールがあった。後は、わが家に連絡がきて接続の手続きが済むのを待つだけ。
  • しかし、その後の連絡がヤフーからちっとも来ない。状況をHPで調べると、相変わらず未接続の地域になっている。おかしいと思っていろいろあたってみると、ADSLが十分な速度で使えるのはNTT局から2kmまでの範囲だという。これではまるでだめだ。何しろぼくの家は、最寄りの富士吉田局とは15km以上も離れている。仮に河口湖に支局ができたって、湖をぐるっと回ってくるから、やっぱり10kmほどもある。これではいくら待ってもADSLはわが家では使えない。嫌いなNTTと直接契約してもだめ。まったくがっかりしてしまった。
  • BBにする手段はほかに、ケーブルテレビの回線と、光ファイバーがある。しかし河口湖にあるケーブルテレビはインターネットのサービスをしていないし、光ファイバーの敷設工事があるというような話はまったく聞かない。これでは、当分は今までのままの超スローな接続で我慢するしかない。本当にいやになってしまう。山間の森のなかまで最新の設備を、というのが無理なのかもしれないが、ほかに無駄な金をずいぶん使っているのだから何とかならないかと行政に苦情を言いたくなってしまった。
  • 今年の夏は、パートナーの工房に陶芸の体験希望者がずいぶんたくさん来た。『ガイドのトラ』の河口湖特集に紹介記事が掲載されたり、『ブリオ』にも、中年夫婦が都心から日帰りでドライブを楽しむモデルコースとして紹介された。トヨタの高級車に乗って、美術館を見て、忍野で有名な蕎麦を食べ、そして工房での器づくり。優雅にすごす二人だけの休日というものだが、実際にそのコースどおりに来た中年夫婦が一組あった。森のなかで、車を運転してこなければ、どうしようもなく不便なところだが、情報さえ提供できれば、それなりの人が関心を持ってやってくる。そんなことを今さらながらに自覚した。
  • けれども、来た人のなかで一番、情報提供として役立ったのは、彼女が出しているホームページだった。河口湖にやってくる多くの人が買い求める観光ガイドや、ナイスミドルをターゲットにした数十万部を発行する雑誌以上に、一日数十人のアクセスがあるホームページの方が力になる。これは本当に改めて、インターネットの可能性を感じさせる出来事だった。
  • それだけにである。BBでの快適な環境が必要なのだ。河口湖に来て一年半になるが、パートナーには陶芸家や画家、あるいは木や石を素材に作品をつくる人など、たくさんの知り合いができている。また、カヌーの「カントリーレーク」やログ・ビルダーのBe・Born」、それに何軒ものペンションの人とも顔見知りになった。強調したいのは、そんな人たちのほとんどがホームページを作っていて、仕事はもちろん、生活や夢について、そこから発信していることである。ホームページは都会ではなく、田舎に住む人たちにこそ、情報の発信や受信に必要なものである。逆に言えば、そんな発想のない人には、たぶん、将来の可能性もないことになる。
  • NTTには、そんな話ははなからする気はないが、赤字が恐くて何もできない「河口湖ケーブル」には、将来のビジョンを描きだせるもっといい人材がいれば何とかなるのではと考えたくなってしまう。あるいは、観光や環境に積極的な河口湖町なら、IT環境にも本腰を入れるよう働きかける価値はあるのかもしれない。とはいえ、今は大学が忙しくて、そんな運動をする時間もエネルギーも全然ない状況だ。
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    unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。