2014年2月3日月曜日

NHKはAHK


ahk.jpg・NHKがおかしいのは今に始まったことではない。けれども、最近のNHKはおかしいどころではない。中立公正なんてとんでもない。あれはNHKではなくてAHK(安倍放送協会)だ。こんな声をネットで聞いたが、本当にその通りだと思った。このことを書こうと思ったのは、昨年暮れの「秘密保護法」成立についての国会中継の仕方や、安倍総理が靖国参拝をして、それを報じたNHKのニュースに呆れたからだった。安倍をアップで長い時間写し、その後、数名の人から意見を聞いたのだが、そのほとんどは自民党議員だった。その余りの露骨さに、いい加減にしろと言いたくなった、

・だからNHKのニュースは見ないことにしたのだが、NHKがひどいという話は年が変わってからも、いろいろ聞こえてきた。アベノミクス効果で景気が上向いていることをトップで連日放送しているとか、海外からの安倍批判をまったく取り上げないとか等々……。

・NHKは都知事選が始まっても、あまり取り上げないようだが、ピーター・バラカンがインターFMで、複数の放送局から都知事選が終わるまで原発の話題には触れないよう言われたと明かした。彼はNHKFMでレギュラー番組をやっている。同様の話は、朝のラジオに出演予定だった東洋大学の中北徹が、脱原発論を話そうと思っていたのに変えてくれと言われたといって出演をやめたというニュースになって続いている。

・極めつけは、NHKの新しい会長になった籾井勝人が就任時の会見だ。彼は従軍慰安婦はどこの国にもいたという、橋下大阪市長と同じ失言をして、大きな話題になっている。あるいは「政府が右と言うことを左というわけにはいかない」といったとんでも発言もしている。権力から距離を置いて批判をするというジャーナリズムの基本を否定しているのだが、NHKはすでにずいぶん前から、政府の広報機関になってしまっている。新会長の発言は、そのことを公言しただけのことなのである。

・NHKはAHK。国営放送でないのはもちろんだが、公共放送でもない。安倍晋三の私的放送局だ。何でそんなところに、毎月高額な受信料を払わなければならないのか。拒否の声があがってもおかしくない状況だと思う。しかし、世の中の動静について、テレビだけに頼る人は少なくないから、払わないわけにはいかないと考えている人も多いのかもしれない。あるいは、こんな事態であることに気づいていない人、無頓着な人が、まだまだ多いのだろうか。

・安倍首相はNHK会長の失言について国会で追及されて「NHKの皆さんはいかなる政治的圧力にも屈することなく、中立、公平な報道を続けてほしい」と答弁した。圧力をかけている張本人が、こんな台詞を吐くのはブラック・ユーモアだが、笑い飛ばしてすますわけにはいかない問題である。

・都知事選が始まって、連日、細川=小泉の選挙運動の中継をネットで追い続けている。立川や吉祥寺、府中や調布といった郊外の駅前に毎回、数千人の人が集まっている。新聞社が行っている世論調査では桝添候補がリードしているようだが、演説への反応を見ている限りは、細川候補が圧倒的であるように感じる。テレビからは都知事選についてのニュースがあまり流れていない。話題にして選挙が盛り上がらないようにする意図がありありのようだ。

・だから、こんな盛り上がりも、ごく一部に限られるのかもしれない。しかしもし、細川候補が勝ったとしたら、それは脱原発だけでなく、脱マスメディアの流れの本格化にもなるだろう。原子力村とマスコミ村が同じ体質で同じ目的を持った政治圧力であることが露呈されるに違いない。

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