2014年4月7日月曜日

ニュージーランドの旅


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newzea6.jpg・ニュージーランドは豊かな自然に恵まれた国だが、同時に自然破壊を目の当たりにする土地でもある。今回の旅の目的は、地球上でも珍しい原生林を数カ所歩くことだった。具体的には、ミルフォード・トラック、ルートバーン・トラック、Mt.クック、そしてフランツ・ジョセフ氷河といった有名な場所である。
・それらはどこも、見慣れた森や山とは違って、新鮮な驚きに満ちあふれていた。森の主役は南極ブナという大木だが、ブナとは名ばかりで、幹も葉も日本のブナとはまったく違うもので、落葉しない常緑樹だった。その幹には苔や地衣がびっしりついて、鬱蒼とした森をさらに神秘的にしていた。
・ところが、それらの場所に行くまでの景色は、羊や牛、それに鹿が草を食む牧場が延々と続くもので、その大半は、もともとは原生林の森だったはずのところだったのである。そのはげ山や草地は、僕には人間が作った砂漠のように見えてしまった。

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newzea11.jpg・しかももっと不思議に感じたのは、牧場には数え切れないほどの羊や牛や鹿がいるのに、森の中にはわずかに聞こえる鳥の声や姿以外に生き物の気配がほとんどなかったことだった。もちろん、この島にはもともと、鳥以外の動物がいなかったのだし、天敵がいないために飛ぶことをやめた、キュウィなどの鳥がいたのだが、狩猟や毛皮のために連れてきた鹿やウサギ、ポッサム、イタチといった動物のために、鳥たちの多くが絶滅しかかっているのである。だから持ち込んで増えた動物を害獣として駆除しているのだという。例外はマオリ語でケアと呼ばれるオウムで、これは人にも近づいてきたから、よく見かけた。

・その害獣だが、今回訪ねた若い日本人のカップルは、氷河のガイドなどをしながら、野生化した動物を狩猟し、川に網を仕掛けて魚を捕り、野菜は庭で栽培して生活をしていた。そのヒマラヤター(牛科)やヴェニソン(鹿)、それに海の幸であるカレイや鮭をごちそうになった。捕獲した動物はその場で捌いて持ち帰り、冷凍してタンパク源にする。毛皮はなめして、リビングの敷物になっていた。人口密度がきわめて少ないところだからこそできる生活で、その野性味溢れる生活は衝撃的だった。若い日本人のなかにも、国の外に出てびっくりするような生き方をしている人がいることを改めて認識した旅だった。

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unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。