2014年4月21日月曜日

消費税と高速道路

 


・消費税が上がったことを実感したのは、ニュージーランドから帰国して、成田から河口湖まで車で帰宅したときだった。料金所を通過するたびに今までより高い値段が表示されることに気づいたからだった。一番の驚きは通勤時間帯の割引で半額のはずなのに、正規の料金が表示されたことだった。八王子=河口湖間は950円なのに1970円と表示されたのである。

・帰ってJHのサイトで確認すると、通勤割引は5回以上使うと3割引で10回以上で半額になるとなっていた。平日の昼間は今まで3割引だったが、それも廃止になったのである。これでは通勤費が倍増してしまう。増税に伴って、当然ガソリンも値上げされた。リッターあたり10円近くもあがって160円前後で売られている。これほどに露骨であくどい便乗値上げがこれまであっただろうか。通勤で高速道路を利用している者にとっては、これはとんでもない値上げだが、そのことについてのニュースはほとんど聞かなかった。

・影響は交通量に如実に現れた。朝の中央高速道路は、深大寺付近の登り坂を先頭に国立府中インターまで渋滞するのが常態だった。それが下高井戸やその先の首都高速までつながって、都心まで大渋滞というのも珍しくなかった。ところが、4月になってからは、渋滞はごくわずかですぐに解消されるようになった。何度か走って感じたのは、マイカーよりはトラックが少なくなったということで、走りやすくなったのは結構だが、経済に与える影響は大きいのではと思った。

・増税について不愉快になったのはこれだけではない。3月に確定申告をしたときに、必要事項を書き込んで役場に持っていくと、復興税が記入されていませんと言われた。「何それ?」と思ったが、納めなくては受け取ってもらえないので、その場で渋々修正をした。還付されるお金が3万円ほども減ってしまったのである。もちろん、そのお金が震災や原発事故の被害者のために使われるのなら、文句はないのだが、復興に当てられた予算が沖縄の道路に使われたり、使われないままにプールされていたり、とんでもないことに東電に支給されたりした事実がくり返しニュースになっていたから、「復興税」と言われても、まったく信用できないのである。

・信用できないのは消費税の使い道にも言える。政府の言い訳は年金や社会保障費の安定化と充実にあてるということになっている。しかし、現実には、国債費や公務員の給料アップ、あるいは輸出戻し税といった訳のわからないところに使われるようである。トヨタをはじめ輸出比率が高い企業は、これまで消費税をほとんど納めていないのに、戻し税として巨額のお金を還付されていて、増税によってその額がさらに多くなると言うのである。いったいこれは何なのだろうか。

・富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなる。大企業を厚遇して、中小企業を冷遇する。今回の消費税の増額が、そんな傾向をますます加速化させることは間違いない。高速道路の空き具合は、僕にとって、そんなことを実感させる身近な例に感じられた。ところがそんな政府の発言は、増税の影響は一時的で、経済はすぐに回復するというもので、それに疑問をぶつけるメディアがほとんどないのが現状だ。本当にそうだろうか。高速道路のこれからの混み具合が、そのことを明らかにするのではないかと思う。

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