2015年6月15日月曜日

機能性表示食品にご注意!

 

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・テレビを見るとすればほとんどBSだが、その内容のおもしろさを台無しにするのがCMだ。どの番組を見てもCMの多くは健康食品で、しかも同じものが数分おきに何度も繰り返される。だからそのたびにチャンネルを変えると、そこでもまた似たようなCMが流されている。そんなものはまったくいらない、とずっと思ってきたが、ここ数年気になるようにもなってきた。だから余計に腹が立つ。

・健康食品にはまず、厚生労働省が認定した「特定保健用食品」がある。安全性や効能を実験データで証明したもので、厚労省のサイトには、発酵乳(ヨーグルト)、乳酸菌飲料、お茶、清涼飲料、豆乳、青汁、納豆、菓子(ビスケット、ガムなど)といったおよそ900種が掲示されている。このような食品には、血圧を下げる、体脂肪がつきにくい、虫歯になりにくい、消化を促進するといった効能がある、オリゴ糖、食物繊維、大豆タンパク、キシリトール、ビフィズス菌等々が含まれているとされている。

・もうひとつ、食生活で不足しがちな栄養素であるビタミン類やミネラル類(カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛)を含むものは、「栄養機能食品」として、「食品衛生法」に基づいて、商品に表示が許可されているものがある。ただし表示には「多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。」という文言が小さく付記されてもいる。

・BSでは毎日、朝から晩までこの手の食品やサプリメントのCMが流れている。健康のほかに美容、ダイエット、若返りなどの効能を謳うCMもあって、その占有率は驚くほどである。地デジに比べたらCM料は桁違いに安いのだろうと思う。しかしテレビ局にとっても、地デジに比べれば視聴者の数は桁違いに少ないのだから、この種のスポンサーは大歓迎だろう。そして、CMでも商品の効能を大げさに紹介しながら、最後に小さな文字で、効かない場合もあることが書かれていたりする。

・このような食品はある程度の効能があることを厚労省が認めたものだが、新たに「機能性食品」というジャンルが作られ、その商品が販売されはじめるようだ。これは事業者の責任においてその機能性を表示し消費者庁に届け出るもので、その効能はどこもチェックをしないものである。おそらく、BSにはこの新種の商品のCMがいっぱい出てくるのだろうと思う。しかしチェックがないのだから、効き目や害は客観的にはわからない。ここには品種改良された野菜や果物そのものも含まれている。

・この怪しいジャンルの追加は「アベノミクス」によるものである。そしてメディアはその怪しさについて、ほとんど口を閉ざしている。規制緩和によって詐欺まがいの商品でも合法化してしまおうというひどい政策だが、メディアにとっても広告収入の増加に繋がるのだから、あえて横やりを入れることはない。そんな態度が見え見えである。

・自分では若い、健康だと思っていても、年齢はごまかせない。そんな症状がいろいろ自覚されるようになってきた。だから、血圧や体脂肪、目や耳の衰え、あるいは頻尿の傾向が気になることもある。体力の衰えや肌の劣化など、気にし始めたらきりがないほどだが、その一つ一つに、これを飲めば、食べれば、使えば飛躍的に改善されるなどといった勧誘が繰り返される。もうはっきり言ってこれは詐欺社会そのものである。 こんなCMに出ているタレントや有名人には、そんな自覚がどれほどあるのだろうか。

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