2016年2月15日月曜日

中立公正とは政府に従うこと

・高市総務相が公正中立を欠く放送局には停波という脅しの発言をしました。政府に批判的なニュース番組に圧力をかけて出演者を辞めさせたのをいいことに、さらに停波という高圧的な態度をしはじめたのです。大臣の汚職があっても、株価が下がっても内閣支持率が上がるのですから、調子に乗るのもうなずけます。

・政府がマスコミに使う脅し文句は決まって「中立公正を欠く」ですが、ここにはいったいどんな意味があるのでしょうか。ニュース番組が報道するニュースひとつごとに課せられるのか、その番組全体なのか、あるいは放送局の番組全体から判断すべきなのか。政府の反応はニュースひとつ、番組出演者ひとりに対するものであることは明らかです。

・政府の批判はテレビだけでなく、すでに新聞に対しても執拗に行われてきました。そのことを国会で問われた時に、安倍首相は半ば冗談のように「日刊ゲンダイ」を例にあげ、萎縮などしていないと言いました。タブロイド判の夕刊紙ですが、僕もネットで愛読しています。しかし、言いたいことを言う新聞がほかにないから目立つのであって、それだけ言論弾圧が厳しいことの証拠じゃないのと反論したくなりました。

・「公正中立」を欠くといってやり玉に挙げられてきたのは、もっぱら政府に批判的な新聞やテレビでした。それが功を奏して、ほとんどの新聞やテレビが萎縮し、自粛をしてしまっているのが現状でしょう。そうなると批判的な発言がますます目立つようになって、それさえ封じ込んでしまえと言いたくなる。最近の安倍や高市発言には、そんな奢りが露骨です。

・他方で安倍チャンネルやAHKと揶揄されるNHKや、政府以上に右寄りの読売新聞や産経新聞、その系列である日本テレビやフジテレビには、政府からの批判はほとんどありません。「公正中立」を欠いた記事や番組内容に埋め尽くされているというのにです。僕には、読む気にも、見る気にも、聞く気にもならない、反吐が出るほど偏向した内容でも、首相や大臣、あるいは官房長官には「中立公正」だと思えるのでしょう。「政府が右というのに左というわけにはいかない」といったNHK会長発言がいい例です。これこそ「停波」に値する偏向ではないでしょうか。

・それにしても自民党はひどすぎます。甘利とUR、そして贈賄をした建設会社の関係は国会で証人喚問すべき問題ですし、検察が動くべき事件です。なぜそのことをメディアは主張しないのでしょうか。育休を主張した議員が、妻の議員の出産入院中にタレントと自宅で浮気をしたなどというのは、自民党議員の質がいかに悪いかを証明しています。歯舞を言えない北方担当大臣、下着泥の前科のある大臣、失言癖のある新大臣、そして1ミリシーベルトは科学的根拠がないなどと非科学的な発言をした元女子アナの環境大臣等々、あげたら切りがないほどです。

・安倍政権は円安と株高によって維持されてきたと言われています。その円が急騰し、株が暴落をしています。だとしたら、政権の支持率もまた急落するのでしょうか。すでにただ同然だった預金の利子がさらに下がりました。日銀の総裁は銀行預金も今後マイナス金利になる可能性は否定できないと発言しました。預け賃を取られるようになるのですが、そうなったら取り付け騒ぎも起こるでしょう。預金封鎖が現実に起こるかもしれません。

・「公正中立」な立場に立って政治や経済、そして社会の現状を見れば、今政府がとっている政策がいかに危険なものか、ひどいものかは自明なはずです。それは海外から届く、日本に対する評価を見ればわかります。ただしそれも、メディアは取り上げませんから、ネットでこまめに探さなければなりません。バラエティの馬鹿番組やスキャンダルばかりを見ている場合ではないのです。

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unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。