・去年と同じように、今年も雪のない冬かと思っていたら、1月の末になって15cmほど積もって、あたりが真っ白になった。こうなると、しばらくは外での作業がしにくくなる。そう思って、昨年の暮れからせっせと薪割りをしてきたのだ。ここ数年は、造園の仕事をする知人が切って、割ってくれた薪を東京から運んでいたが、今回は、山中湖の薪ストーブの店「ファイヤーライフ山梨」から原木を買うことにした。実は、木を買うのはこれがはじめてのことだ。
・原木は、木の体積で買う。1立米で15000円で、2トン車一回に2立米だと運搬費をふくめて35000円になる。すでに2回運んでもらったが、一冬分としてはこれでも足らないから、春になったらもう一回運んでもらわなければならない。そうすると、我が家で一冬に燃やす木は6立米だということになる。およそ10万円というのは、最近の灯油の値段にすれば1500リットル程度になる。どちらを中心に暖房するかは、その時の値段次第だが、一冬を暖かく過ごすためには、それなりのお金が必要だと改めて実感した。
・薪を積んだトラックは、我が家の隣の森にバックで入ってくる。それをおろしてもらうのだが、森の地盤は軟らかいから、トラックが傾かないように気をつけなければならない。
・やるべき仕事はまず、2mほどの原木を40cmほどの長さにチェーンソーで切ることだ。1回目は比較的細い木だったから、それほど苦にならなかったが、2回目に持ってきた木は直径が30~40cmもあって、途中でチェーンソーが何度も悲鳴を上げるほどだった。
・もちろん、チェーンソーでの裁断にはかなりの力がいるし、時間もかかる。一日にできるのはせいぜい2時間だから、全部(2立米)を切るのに3日がかりだった。途中で何度もガソリンとチェーン・オイルを補給して、切れ味が悪くなれば、刃の目立てをした。切ったら次々積んでいくのだが、これが半端な重さではない。薪に適したナラやクヌギはずっしりと重い。だから、気温は零度に近くても、すぐに汗びっしょりになる。いい運動だが歳を考えてほどほどに。そう思って、余力があるところでやめることにしている。
・切った木は、今度は斧で割らなければならない。太くても素直であれば、何度か振り下ろせば真っ二つに割れてくれる。けれども、枝別れのある部分だと、それほど太くなくても、くさびを打って無理矢理割らなければならない。この作業が一苦労で、また汗が滴り落ちることになる。
・割った木は家の南側に運んで積んでいく。風通しをよくしながら、なおかつ効率よく積まなくてはならないから、ただ積めばいいというわけにはいかない。だからここでもまた、一汗かくことになる。
・薪になった木は、陽に当てて乾燥させるのに、最低8ヶ月はかかる。しかし、日当たりの悪い森の中だから、すべての薪を乾燥させるためには、まず南面に積み、少し乾いたら東、そして西面に移動させて、新しく割った薪のために南面をあける必要がある。
・冬の寒い日に薪ストーブが与えてくれる心地よい暖かさは、灯油の比ではない。それを実現するためには、お金も時間も労力もかかる。原木から薪にする作業にしんどさを感じても、薪ストーブの火をぼんやり見つめれば、これはやめられないという気になってくる。
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unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。