2022年2月14日月曜日

国産品はどこへ行った?

・毎週買っていた熊本産アサリが、実は輸入品だったことがTBSの「報道特集」で放送されて、スーパーでの表記が中国産に変わった。小さくて食べにくいからと敬遠気味だったシジミに変えたが、これって本当に島根県産だろうかという疑問が湧いた。宍道湖だけで日本中に出回るシジミが取れるとは考えにくいからだ。そんなふうに考えると、あれもこれもと怪しくなるものが浮かんできた。 

・多少値段が高くても、できれば国産品がいい。そう思うのは、国産品に対する信頼感があるからだが、それが信用できないなら、何を基準に買い物をしたらいいのだろうか。アサリの産地偽装は、そんな疑問や不信感を募らせたニュースだった。それはともかく、食料品だけでなく他の商品でも、国産品が目立たなくなったなと思うことがしばしばある。

 ・冬の寒さをしのぐために、僕の家では薪ストーブと灯油のファンヒーターを一日中使っている。ストーブの上には大きな鍋を二つ置いて湯気を出し、その他に加湿器を2台つけっぱなしにしている。しかし今年の室内の乾燥があまりにひどいので、加湿器をもう1台追加することにした。そうすると、日立や東芝あるいは三菱といったメーカーのものはほとんどない。これがよさそうだと買ったのは中国製だった。 

・ 僕の家にある家電はほとんど国産メーカーのものだが、そう思って、アマゾンで調べると、もし壊れて新しく買い替えるとしても、大手の家電メーカーが作っていないものが多くなったことに気がついた。そう言えば、サンヨーはパナソニックに吸収されたし、シャープは台湾に身売りした。東芝は解体作業中だし、三菱や日立の業績もよくはないようだ。日本の経済成長を牽引した家電メーカーが総崩れだから、製品がないのも当然だと認識を新たにした。

 ・国産はよくて輸入品は粗悪だ。それが今でも一般的かもしれないが、実態はかなり違っている。スマホからはすでに撤退しているし、半導体も台湾のメーカーにお金を払って日本に工場をつくるようだ。先端技術から家電などの普及品まで、日本はすべてダメになってしまっている。これでは経済成長もしないわけだとまたまた納得をした。

 ・残るは自動車メーカーだが、これもEV開発に乗り遅れていて、斜陽産業になる危険性は十分にある。中国では廉価のEVが売れていて、すでに4割に達しているというニュースがあった。アメリカのテスラの時価総額がトヨタよりもはるかに高くなっているようだ。スバリストの僕は30年以上水平対向エンジンの車に乗ってきたが、次に乗り換える時にはやっぱりEVにしようと思っている。数年後にスバルが気に入ったEVを出しているのだろうか。そんなことまで考えてしまった。

 ・アサリから始まってあれこれ見渡した時に感じたのは、そんな日本の落日の様相だった。どう考えたって、もう経済成長する力はなくなっている。日本の底力などというテレビに騙されてはいけないのである。

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