・MLBは昨年12月にロックアウトをしたまま、未だに解除をしていない。選手会との交渉が暗礁に乗り上げたまま、解決の見通しが立たないからだ。MLBと選手会はいくつもの取り決めをしていて、それを5年おきに改訂する決まりになっている。それがうまく妥結できないのだが、こんな状況は1995年以来のようだ。ただしこの時は選手会によるストライキで、今回のMLB側のロックアウトとは違っていた。
・野茂投手がドジャースと契約して、開幕が1ヶ月遅れてデビューをしたのがこの年だった。ファンの批判が強くて、観客減が大きかったが、それを食い止めたのはトルネード旋風を起こした野茂投手の活躍が大きかったと言われている。野茂はこの年、オールスターの先発投手になり、新人王を獲得した。最初は批判ばかりを浴びせていた日本のメディアも、大活躍に手のひらを返して、称賛の声をあげるようになった。
・そこから27年経って、メジャーリーガーも通算で70名ほどになり、今年も多くの選手が開幕を待っている。しかしキャンプができないままであり、今年からメジャーをめざす鈴木誠也選手は、まだ所属球団が決まっていない。このままでは開幕が遅れ、試合数が減ってしまうと危惧されているが、何よりファンからの批判が大きいようである。
・両者の隔たりは大きく二つある。一つは選手の年俸総額に対するもので、たくさん払う球団に課せられる贅沢税の制限額に関している。年俸を抑えたいMLBともっとあげろという選手会の対立だが、ファンの批判は、この金持ち同士のマネー・ゲームに集中している。何しろ一年で数十億円も稼ぐ選手が続出して、大谷選手は50億円にもなるのではと噂されているのである。
・もう一つはマイナーからメジャーに上がった選手に課されている6年間縛る契約で、どんなに活躍しても、この間の年俸があまり上がらないという点である。大谷選手は今年5年目だが、年俸は6億円ほどで、フリーエージェントになるのは来期後である。同様の扱いを受けている選手にはゲレーロJr.やファン・ソトといった選手がいる。確かに成績に見合う報酬を得るまでにかかる時間が長いと思うが、そもそもスター選手の報酬が高すぎるし、球団が儲かっているのだとしたら、入場券などが高すぎるのである。
・他方で、MLB
はマイナーチームの削減を実施して、多くの選手を解雇している。マイナー選手の報酬や待遇を少し良くしたという面はあっても、現実には経費の削減を実施していて、マイナー球団の減少は、小さな町にある「おらがチーム」を奪っているのである。MLBはテレビの放映権収入が増えているのに、その資金をマイナー・リーグに使う気はないようだ。これでは砂上の楼閣になってしまうが、目先の利益に目がくらんでいるのだろうか。
・僕は今年も大活躍するだろう大谷選手の動向が気になっている。おそらく早く始まってくれとウズウズ、イライラしていることだろうと思う。試合数が減れば勝利数もホームラン数も減ってしまう。オフに帰国してもテレビ番組にはほとんど出ず、トレーニングに明け暮れていたという。試合数が15試合以上減れば、彼がフリーエージェントになるのが一年遅れて、30歳になるから長期の高額契約が取れなくなるだろうと心配する記事がある。しかしそんなことは、彼にとってはどうでもいいことで、マネーゲームを面白がるメディアの発想でしかないのである。
2022年2月28日月曜日
MLBが始まらない!
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unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。