1997年3月10日月曜日

ミネソタから舞い込んだメール

  • ミネソタ州のムーアヘッドからメールが舞い込んだ。州立大学で社会学を専攻する日本人の女子留学生が僕のホームページを見つけたのだ。
  • 「アメリカの片田舎においては、日本の情報が乏しく、そのため苦労もありますが、社会学を学ぶものにとってこの国の社会は多様な興味の対象にあふれています。さて、このたび貴殿のホームページ上で 卒業論文集「林檎白書」を知り、興味をおぼえました。 私はアメリカの若者と日本の若者の比較研究の論文を制作しており、現代の日本の若者に関する情報収集に腐心しています。ご厚意にあずかれるなら、お手数ですが、以下の論文をテキストファイルで送ってください。」
  • 注文は論文3編だったが、テキスト・ファイルかできていないのが2編あって、僕はとりあえず1編だけ送った。ミネソタというとディランの故郷ヒビングスのある所、州都はミネアポリスといったことしか知らない。ついでに、どんなところか尋ねてみた。
  • すると、すぐにお礼の返事が来た。ただし今度は男性だった。日本語を使えるパソコンを彼女が持っていないので、かわりに、僕の質問に応えてくれたのである。彼によるとムーアヘッドは冬寒く(-30度)、夏暑いらしい。ムーアヘッドの近くに大きな町はなく、日本語の本を買うためにはシカゴまで車で出るようだ。
  • アメリカへ行って勉強すれば、当然アメリカのことは経験的に理解できる。しかし、日本語の本は日本から送ってもらわなければ、ほとんど入手できない。何を勉強するにしても、すべては英語だろう。社会学の専門書は、日本語に翻訳されているものが少なくないが、アメリカでは、それを読むことはできない。留学生にとっては、これは厳しい環境だなと、改めて感じた。もちろんそれ以前に、異文化ショックやホームシック、そして気候の違いなどがある。大学の教師としては、手助けしてやりたいと思った。
  • 本を送るのは無理にしても、文献を紹介することぐらいはできるだろう。そんなことを考えたら、個人宛ではなく、ホームページに掲載してしまえとということになった。幸い、僕の蔵書はほとんどデータベース化してある。で、入試の監督が終わった後、1週間ほど使って文献一覧のページを作った。ムーアヘッドにいる彼女だけでなく、ひょっとしたら、もっとたくさんの人に役に立つかもしれない。そうあってほしいと思う。
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    unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。