1997年11月10日月曜日

ホームページ公開1年

  • ホームページを公開して一年が過ぎた。あっという間だったような気がするが、かなりの時間を費やし、エネルギーを使い、知恵も絞った。ホームページがなければ、僕にはこの一年でもう2本ぐらいの論文が書けたかもしれない。そんなふうに考えると、正直いってもうやめとこうかとも思う。けれども、ホームページ作りは論文とは比較にならないくらい楽しい。だから、ついついホームページのことを考えてしまう。この魅力はいったい何なのだろうか?
  • 一つは、ホームページが昔から関心を持ち、自分でも作ってきたミニコミに似ていることである。新聞や雑誌に何かを書いたり、本を出したりするのは、基本的には専門家の仕事と考えられている。実際、普通の人がそんなことのできる機会はめったにない。けれども、誰でも、何かを表現したい、誰かに伝えたいという欲求はあって、安価で少部数の発行物ならそれを実現するのはむずかしくはなかった。そんな発想は60年代に盛んになったが、いつの間にか下火になってしまった。
  • ミニコミは誰かに伝えるためには、それを置いてくれる場所(本屋とか喫茶店など)を探さなければならないし、直接送るには郵送料がかかる。ぼくは数年前まで『Newsletter』を定期的に作って60〜70部ほど送っていたが、文章やレイアウト、あるいは印刷はともかく、封筒につめて切手を貼ってポストに入れる作業は面倒くさかった。個人的なものだから、特定の人にしか出さなかったが、もうちょっと、広がりのあるものを作ってみたいとずっと思ってもいた。
  • ぼくのホームページには、この1年でおよそ4000人が訪れている(カウンターは12月20日から)。ものすごい数字だが、もちろんじっくり見てくれる人はもっとずっと少ないはずだ。実際、メールに感想を書いてくれた人は50人ほどだった。けれども、その半分が面識のない人たちだったことは、ぼくにはカウンターの数以上に驚きだった。卒論やレポートの相談をする学生、卒論集やぼくの論文を読みたいといってくれた人、あるいは、自分で作ったホームページを見てくれといってきた人、その人たちとは何度かのメールのやりとりもした。ホームページのおもしろさややりがいが、また、こんな出会いにあることはいうまでもない。大学や高校の同級生、そして昔教えた学生からの「久しぶりです。ホームページ見ました」といったメールもうれしかった。
  • もちろん、このページは大学のサーバーに載っているものだから、基本的には、ぼくの大学の学生に見てほしいと思っている。講義などで「見ろ」といっているから、かなりの学生がアクセスしているのだと思う。けれども、今一つ反応が弱い。講義に関連させて文献の紹介などもやっているから、役に立つとは思うのだが、そんな感想を耳にすることは一度もなかった。本を読まない、勉強をしないというのは、どこの大学の教員も口にする最近の一般的な傾向だが、実はぼくには、ホームページで何とか突破口をという気持ちが強くあった。なかなか思うようには行かないが、これから、一番工夫しなければならないところかもしれない。
  • もうひとつ、このページ作りには、大学にこれから入ってくる人、つまり予備校生や高校生にアクセスしてもらいたいという狙いもある。実は、河合塾ともリンクしているのだが、残念ながら、メールはまだ一通も来ていない。通りいっぺんの大学の入学案内などよりは、このようなページの方がずっと役に立つと思うのだが、受験生にはホームページなどを見ている余裕などないのかもしれない。
  • ホームページを見る側に立てば、ぼくにとって役に立つのは、何より、知りたい情報が詳しく紹介されているものである。それは逆に言えば、ぼくのホームページも、そのような、何か特徴のある情報を提供しなければ、あまりお役にはたてないということになる。なかなかそんな材料がなくて困っているが、これも、これから何とかしたいと思案している。そんなわけで、何か、いい示唆を与えてくれるメールがほしい今日この頃である。
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    unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。