1998年4月2日木曜日

レビューにメールが来はじめた


  • ぼくのホームページに来るメールはこれまで、卒論関係がほとんどだった。ゼミの学生の卒論を読みたいとか、よその大学の学生からの相談など。もちろんそれだけでも、ホームページを公開していることの意味は十分感じられたのだが、本当のところは、レビューについての感想も来てほしいと思っていた。
  • ぼくは本とCD、それに映画のレビューとその他の記事を順番に毎週更新している。それぞれが月に一回といったペースだ。これは基本的には、読んだもの見たもの聴いたものなどをその都度メモ代わりにまとめておくためにやっているから、たとえ読まれていなくとも、やる気がなくなるといったことはない。というよりは、一週間経てば次のものを書かねばならないから、以前よりはまめにおもしろいものを探すようになった。最近ではホームページのネタ探しに、本を読んだりCDを聴いたり、映画を見たりしているような感覚すら持ちはじめている。
  • ところが最近、そのレビューへの感想がやってくるようになった。ホームページはその仕組みからいって、内容のすべてを一目でわからせることは難しい。特にぼくのホームページのようにあれこれ盛り込んであると、関心のあるものまで行き着くことは大変だろう。もうちょっと何とかならないか、と前から考えていた。そうしたら、最近次のようなメールがやってきた
    私はpatti smithで検索してここにたどり着いた者です。こうやってきままにメールを出すのは初めてです。CD評など読んで、きっとライターの方だろうと思っていましたが、先生だったんですね。とても謙虚でいて鋭い文章にひかれました。
  • つまり、この人は、表紙から入ったのではなくて、いきなりパティ・スミスのレビューに来たのである。そして、後になって大学のサーバーにある教師のページであることに気がついている。どうしてこんなことができるのだろうか。ためしにぼくも、Yahoo でPatti Smithを検索してみると、確かにぼくのレビューが出てきた。要するに、Yahooの自動検索エンジンが、中身の一つ一つまで調べてくれているのである。そういえば、大学に学生が来なくなりはじめた2月からも、アクセス数はほとんど減ってはいない。原因はこれだったのかと、ひとりで勝手に納得してしまった。
    CDレヴューを拝見しましたが、ロックがお好きなのがわかり、何だかうれしいです。私はロックというよりメタルが好きで、バンドをやっています。バンドのホームページも開いてますのでよろしければ見てみてください。
  • これは、卒論提出間際に詰まってしまってインターネットをやった学生からのメール。彼はこの後無事提出をしたというメールをくれた。そして、次のは大学の図書館で働いている人からのものである。
    And......のところの「知人の病気」「容さんが死んだ」「容 さんを偲ぶ会」を読みました。おもわず泣いてしまいました。キース・ジャレット のパリ・コンサートのCDがバックに流れてたこと、夜遅く静かなこと、そして雨が 降っていること、きっとそういうことすべてと、ひとつひとつの言葉から立ち上が ってくるようなものに悲しくなりました。
  • こんなメールが来はじめると、うれしくなってしまう。新聞や雑誌に原稿を書いたり、本を出したりしても、このような感想を受け取ることはほとんどなかった。そんなわけで、インテラクティブ(相互的)なホームページのおもしろさに、ますますのめりこみはじめている今日この頃である。
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    unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。