2001年10月15日月曜日

BSディジタル放送について

  • 何度も書いているが、山間部のわが家ではテレビの地上波の映りがきわめて悪い。アホくさいバラエティや遊戯会のようなドラマは見る気もないから、ケーブルも契約しないままだ。それで十分と思っていたのだが、新聞に載るBS放送欄が気になってもいた。時折興味のある番組が載っていて、見たいな、と思うことがあったからだ。
  • 実はBSディジタル放送がはじまったときにチューナーを買おうかなと思った。しかし、値段が高いし、たいした番組もなさそうなのでもう少し待つことにしたのだ。それから一年、電気屋でたまたま見かけたら、チューナーが6万円台になっていた。パラボラ・アンテナは今のままでいいというし、Wowowが3チャンネルに増えて、視聴料はあまり変わらないという。夏休みの後半にはいったところで、家でテレビをつける時間が多いのに、見たいものがないと感じていた時期だった。
  • ところが、買ってすぐに見たのがニューヨークの貿易センタービルへの旅客機突撃だった。夜中のニュースはBSでも、民放の地上波と同じものを流していた。新しいリモコンを片手に、ぼくは明け方まで見続けてしまった。そのあとも、ニュースを中心によく見たから4、5日すると目が痛くなった。
  • BSデジタルは電話回線を使った双方向のやりとりをうたい文句にしている。クイズ番組への参加や通販程度のもので、各チャンネルに登録しなければならないから、今のところやる気はない。ラジオやデータ放送などのチャンネルもかなりあって、充実していけば、インターネットと同じような使い方ができる可能性をもっているようだが、これも可能性であって、今のところはほとんど役に立ちそうにない。民放はそれぞれ3チャンネルずつ確保しているのだが、聴取料を取るNHKとWowow以外にはそれぞれ別番組をやっているところもほとんどない。
  • 思ったように普及しないから、あまり力を入れない。中味が貧弱だから、いつまでたっても注目されない。そんな停滞状態のように思えるが、番組の中にはおもしろいもの、意欲的な試みもある。たとえば長時間のインタビュー番組や地味だけどじっくり時間をかけて作ったドキュメンタリー番組、あるいは、昔の番組の再放送などがある。しかし、全体としていえば、何をしたらいいのかわからない感じだし、それほど本気で取り組んでいるふうでもない。
  • 一方、衛星放送にはCS放送もあって、こちらはたくさんあるチャンネルに一つひとつ視聴料が必要だ。各チャンネルは専門特化していて、ニュース、映画、音楽、スポーツ、アダルトと盛りだくさんのようだ。もっとも、経営的にはスカイ・パーフェクトがほとんど独占状態で、ぼくはマードックが好きではないからこれからも見るつもりはない。
  • BSは現在アナログとディジタルの二本立ての放送をしている。数年後にアナログが廃止されれば、さらにディジタル・チャンネルは増えるだろうと思う。そうなると、BSとCSあわせて、見ることができるチャンネルは数百にもなるし、地上波がディジタル化されれば、さらに多くなる。一体誰がどんな理由で、一つひとつのチャンネルを選択するのだろうか。
  • 多くの人にとってテレビは、見たいから見るよりは、生活習慣の一部としてとか、日常会話の材料として見るという意識の方が強いようだ。だからチャンネルが増えても、相変わらず、20%とか30%といった数の人たちが同じ時間に同じ番組を見る。この習慣や指向は頑なで、なかなか変わりそうにない気がする。
  • 衛星放送は今のところ、技術的な進化だけが目立っている。中味、つまりソフトの開発はまだまだ手探り状態といったところだ。だから、衛星放送がテレビの主体になれるかどうかは、視聴者の視聴行動を変えるかどうかにかかっている。けれどもそれはまた、魅力のある内容を先行させなければどうしようもないことでもある。
  • 課題はいろいろあると思う。お金もそうだが、知恵を絞ったり、若い素材や新鮮なアイデアを工夫する必要がある。何より、実験の場として考える発想が大事だろう。そんな意識をもって見ると、残念ながら、あまり期待できそうにない気もする。とはいえ、わが家では、きれいな画面で見られるチャンネルが増えたから、しばらくはそれだけでも十分である。
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    unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。