・ムササビは今も屋根裏にいる。しかも数週間前から、僕が寝ている部屋に移動してきた。朝4時半に帰宅するから、どうしてもその足音で目が覚める。しかも、爪とぎなのかガリガリ始めるから、寝ていられない。そのうるささに我慢がならず、杖で天井をついたりしても、いっこうにやめようとしない。頭に来て、この「ムサ公!」などと怒鳴りながら、壁や天井を叩く。そんなことが数回あった後、住んでいる気配がしなくなった。
・そうなると、家出でもしたのかと心配になったりするから、いやになってしまう。で、数日後にまたごそごそしてほっとする。3カ月も一緒にいると、知らず知らずのうちに同居が当たり前になってしまっているのだ。よくしたもので、ガリガリやってもたいして気にならなくなった。ムササビは雨の日でも出勤する。台風の時は行かないだろうと思ったが、やっぱり明け方に帰ってきた。いったいどこで何をしてくるのだろうと、これも気になる。
・せっかくつくった巣箱が見向きもされないので、作り直すことにした。さっそくパートナーが河口湖町にある「山梨県環境科学研究所」にメールを出すと、そこの小口さんが直接訪ねてきてくれた。彼は小学校の先生で一時的に研究所に派遣されているのだという。で、家や周囲の木を見て回ったのだが、後で巣箱やムササビについての資料をメールで送ってくれた。
・そのあと台風やテロ事件でずるずるとほったらかしにしていたのだが、久しぶりに晴れた日に朝から巣箱づくりにとりかかった。前のよりも縦長にして入り口の穴をなるべくうえにつける。穴から入って、すとんと落ちるような構造をムササビは好むようだ。そして中には、杉の木の皮を敷いておく。ついでに余った皮で周囲を覆うことにした。これで木の隙間から雨漏りすることもない。一日仕事だったがずいぶん豪華な巣になった。これなら気に入ってくれるだろうと思うが、さてどうだろうか。後はどの木にくくりつけるかだ。
・今年の夏は雨が少なくて河口湖の水も減って岸辺が増えたから、そこにテントを張る人も多かった。しかし台風がものすごい雨を降らせて、ふだんは水のなかった近くの川もものすごい勢いで流れた。だから台風がすぎた直後に湖まで行ってみると、いつもカヤックを組み立てていたところも水没して、泥流で色が変わってしまっていた。当然、湖には釣り客も水上スキーも遊覧船もない。本当に久しぶりの富士山だが、その姿を見る人は湖畔には誰もいない。雨上がりの日差しは強く。風はなま暖かいというよりは蒸し暑かった。
・今年の気候のせいなのかわからないが、猿の群が山を下りていて、周辺の畑がずいぶん荒らされているようだ。別荘地区の管理人さんは、丹精込めてはじめて作ったカボチャをイノシシに全部食べられてしまったという。栗やクルミが実をつけているが、山の食べ物は減っているのかもしれない。
・台風一過で久しぶりに北の御坂山系が夕焼けになった。今までに見たことがないほどきれいな色に染まった。空気が澄んで、しかも湿気があったせいだろうか。しばらくすると季節は確実に秋になった。真っ青な空。気温も下がって、明け方には10度を切るようになった。ストーブで薪を燃やすのもそろそろ必要になりそうだ。
・カヤックに乗る回数は少なくなった。雨の日はだめだし、風が強い日も避ける。温度が下がったから、夕方ではなく日中の陽の出ている日を選ぶ。そうすると、なかなかいける時が見つからない。とはいえ、気温はこれからどんどん下がるから、へたをしたらまた来年の夏ということになってしまう。T
シャツ一枚が、長袖になった。そろそろウィンドウブレーカーも必要になる。セーターやダウンを着てもやるつもりだったが、はや億劫になりはじめている。(2001.10.01)
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unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。