2002年5月6日月曜日

連休中に見た映画

  • BSデジタルには映画の時間が多い。しかもおなじ映画を何度もくりかえしやる。だから一度見逃しても、見ることはできるし、一度見たものをまた見てしまういうこともある。ゴールデン・ウィーク中はそんな映画を何本も見た。「こどもの日」があったせいか、子どもが主人公の映画が多かった。

  • 「ライフ・イズ・ビューティフル」は第二次大戦中のイタリアで、強制収容所に送られたユダヤ人親子の物語だ。ある日突然、ドイツ兵が来て、そのまま収容所へ。父親はそんな状況を、子どもにはまったく違う意味で理解させる。ゲームに参加したこと。勝てば戦車に乗れること。ゴールは1000点で、毎日の生活ぶりで加点も減点もされること。そのことを信じさせようとする父親の言動は必死だが、またユーモアにも溢れている。生きのびるためにする現実の読みかえゲーム。父親はドイツ兵に殺されるが、子どもは父のアドバイスを守って、アメリカ軍の戦車に救われる。ずいぶん前に見た映画だが、たまたまチャンネルを合わせて、そのまま最後まで見てしまった。

  • 「マイ・ドッグ・スキップ」はメンフィスに住む家族の物語。父親はスペイン市民戦争で片足をなくしている。一人っ子の男の子は大事に育てられたせいか、弱虫で、近所のいたずら坊主たちにいつもいじめられている。そんな子どもに母親が犬をプレゼントする。その犬が、いじめっ子たちと闘う勇気を男の子に与え、好きな女の子と仲良くなるきっかけをつくってくれる。それは現実を読みかえることで世界に参加できるようになる話だ。自分にたいする自信。仲直りした友だち。子どもに成長を感じる父。世界の意味づけのゲーム。
  • 「カーラの結婚宣言」は、知的障害のある娘がおなじ境遇の少年と友だちになり、やがて結婚宣言をする話だ。ハンディキャップのある娘を強く、まちがいなく育てようとする母親は、娘を守ることに懸命だが、そのぶん、娘の行動を干渉しがちになる。そんな母親に逆らえなかった娘が、少年と出会うことで自分の気持ち、自分の考え、自分の判断を母親にぶつけるようになる。母親によって意味づけられた世界から抜け出して、自分で世界をつくりだしていく子どもの話。

  • もう一つ見た「薔薇の名前」はウンベルト・エーコの原作だ。ぼくは途中で読むことをやめてしまったから、映画はみたいと思っていた。それが、リモコンでチャンネルをあちこちしていたら偶然、画面に登場した。主人公はショーン・コネリー。本の頁をめくる部分に毒を塗りつけて人を殺す。その謎解きの物語だが、ストーリーよりは、中世の教会と蔵書、写本とそれに従事する修道僧の風景などがリアルで印象深かった。
  • というわけで、今年の連休も、どこにも行かずに家ですごしてしまった。湖畔は例年通り、人と車で一杯。高速道路は大渋滞。隣近所の別荘も、人の声がして、夜は明かりがついている。ぼくはカヤックもせず、倒木探しも一休みして、読書とテレビ、それに庭の花の手入れ。人が動く季節はじっとしているにかぎるのだ。
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    unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。