珈琲をもう一杯
森の暇人のブログ
2002年7月8日月曜日
ラベンダーと紫陽花と蚕
今年は曇り空ばかりで、すっきりしないが、夏は確実にやってきている。湖をつがいで泳ぎ、飛んでいた鴨には、いつのまにか小鴨が加わっていた。カヤックで近くまで行くと、親を挟んで、こちらの気配を伺いながら遠ざかっていく。
湖畔のラベンダーは6月になると咲き始めて、末には満開。今年は早いから7月の中旬まで開催されている「ラベンダー祭」まで咲いているかどうか。しかし平日でも、会場は人で一杯。観光バスに乗った日帰りの団体さんが多い。大テントの土産物売り場は人いきれでむせかえっている。
この時期の河口湖町の植物にはもう一つ丹精込めたものがある。天上山の紫陽花の群生だ。天上山にはロープウエイがあって、湖畔から上まで乗って、歩いて下るとたっぷり楽しめる。自生したものではなく、町が植えたものだから、ずいぶん手間がかかっているし、世話も大変だろうと思う。手間や世話が大変なのはラベンダーも同じだが、紫陽花を見に来る人は桁違いに少ない。ラベンダー祭の団体客の喧噪にうんざりした後は、誰もいない紫陽花の山にほっとした気持ちになった。とはいえ、7月に入ってからの陽気は、異常な湿気で、山を下っていながら汗びっしょりになってしまった。
今回の話題はもう一つ。家のある大石は昔から紬で有名だ。付近には桑の木がたくさん生えていて、今の季節は桑の実が採れる。真っ赤な実はプチットした感触でなかなかおいしい。紬は絹織物だが、絹は蚕が作る繭を紡いで糸にする。ちょうど今の時期、桑の葉をおなか一杯食べさせて繭作りをさせる。繭を作りおえたら熱処理して蚕はおだぶつで、後は繭を煮沸して糸を紡ぎだす。その蚕を少しもらって、家で繭玉を作らせてみた。グロテスクな蚕がつくりだす何とも繊細で美しい繭玉。そのままにしておくと、蛾に成長して繭を食い破って出てきてしまう。そこで我が家でも、オーブンで熱処理して、蚕には成仏してもらった。
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