・自前のHPを開設して6年がたった。そんなになるのかという気もするし、まだそんなもんかとも思う。いずれにしても、ずいぶんな量のHPになった。毎週1回の更新を、ほとんど休みなくつづけたから、レビューやコラムの数は300本を越え、貼りつけた画像は1200枚になろうとしている。アクセス・カウンターももうすぐ10万になる。まさに、塵も積もれば山である。もっともこの数字は、東経大に移籍した1999年4月からだから、3年8カ月でということになる。通算では13万超というところだ。
・HPを公開したのは1996年11月。最初のコラムはルー・リードのコンサート・レビュー(大阪フェスティバル・ホール)で、ブック・レビューは長田弘の『アメリカの心の歌』(岩波新書)からだった。ちょうど『アイデンティティの音楽』の構想を立てて、少しずつ書きはじめているところだったから、それ以降も音楽関係のコラムがかなり多い。
・勤務していた大阪の追手門学院大学では、1995年から学内でインターネットが使えるようになっていた。1年間、内外のホームページを探索しては、新しいメディアをおもちゃにしていたが、自前のメディアを作りたいという気持がじょじょに湧いてきた。で、法政大学の平野秀秋さんに刺激されてHTMLを勉強した。それが96年の夏休み。大学のサーバーには教員のページはまだ一つもなく、「情報センター」にも、HPについての規定ができていない時期だったから、催促して特例として試験的に公開、という形で11月に開店した。一人では気恥ずかしいから、同僚の原田達さんを誘い、ついでに社会学科のHPも作った。
・この6年のあいだにインターネットは大きく様変わりした。大学で教員だけが使っていたものが、今では職員も学生も使うようになって、さまざまなやりとりをメールで済ますようになった。回線が細いために画像は極力小さくということになっていたのだが、ブロードバンドの普及で大きな画像も動画も珍しくなくなった。ミニコミのような個人のメディアとして面白いと思っていたのだが、もうすでにビジネスの道具として認識されている。学生たちが卒論や修論のテーマにするのも珍しくない。携帯の普及とあわせると、この6年間のコミュニケーション手段の変化はものすごいものだったと思う。
・それで便利になったことはずいぶんある。新聞はもちろん、テレビよりも早くニュースを知ることができる。それも国内ばかりでなく世界中のサイトから入手できる。何を買うにも、わざわざ出向かなくてもよくなった。ぼくにとっては何より英語の本の購入だが、その気になれば何でも変えてしまう。このHPについて言えば、何といっても未知の人からの反応やそこから発展する関係だろう。
・もっともいいことばかりではない、HPの更新が日課になって、その分読書量が半減した。やってきたメールに返事を書く時間もかなりのものだ。もちろん、ネット・サーフィンが日常化して、用もないのにあちこちぶらぶらしたりするから、それにとられる時間もばかにできない。携帯ほどではないが、こんなもの別になくてもいいのではないか、と思うこともしばしばである。
・今、このHPには毎日100人ほどの人がやってくる。だから週1回の更新をさぼることは難しい。それが励みにもなっているが、また、重荷に感じるときもある。最近では書評欄で紹介してくださいといって出版社から本が送られてくるようになったが、ほとんど無視している。卒論の時期になると他大学の学生から「卒論が読みたい」というお願いが来るが、これもほとんどお断り。副収入が得られるバナー広告をなどという誘いももちろん無視。
・これは個人のページだから、書くテーマは自分で見つけたもの、探したもの、買ったもの、気づいたこと、したこと、考えたことに限定する。不親切だと言われるかもしれないが、そうでなければ持続は無理。最近そんな思いがますます強くなるばかり。しかし、こんなページでよかったらこれからもご贔屓によろしく。
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unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。