2020年11月23日月曜日

不倫やドラッグのどこが大ニュースなのか ?

 

・有名人の不倫がなぜ大きなニュースになるのか。ずっと疑問を持ち、またうんざりもしてきたが、相変わらず、次々と話題になっている。不倫はあくまで、本人とその近親者の問題であって、一般的には何の関係もない。もちろん犯罪でもないが、テレビはその本人を批判し、番組やCMから降ろしてしまう。それだけではなく、受けた損害の賠償を請求したりもする。当然、当事者は記者会見をやり、謝罪と反省のことばを口にする。一体誰に対して謝っているのかわけがわからないが、それが当然のように繰り返されている。

・大麻などで捕まる有名人は、それが犯罪であるから、いっそう強く批判される。場合によっては、テレビ出演はもちろん、活動自体の自粛では済まずに、永久追放といった厳しい処分を受けることになる。しかし、法に背いたとは言え、特に誰かに危害を及ぼしたと言うわけではない。あくまで本人とその周辺にのみ関わる問題であることでは不倫と変わらない。

・大麻はアヘンや覚せい剤と違い、いわゆる麻薬と呼ばれるほどの害は少ないと言われている。国や一部の地域によっては合法化しているところもあるし、売ることは取り締まっても、使った者には刑を科さないところもある。処罰したのでは、その害以上の社会的制裁を受けてしまうのを避けるという意図があるようだ。ところが日本では、犯罪者というレッテルが貼られ、その罪以上にバッシングされてしまうことになる。

・もう一つ、最近多いのは有名人が関わる交通事故だろう。事故の当事者で過失責任がある場合には、その報道のされ方も極めて厳しいものである。ひき逃げなどになれば、その罰し方はいっそう激しいものになる。しかし、逮捕されても、その時点では容疑者であり、裁判で罪が確定されるまではあくまで容疑者だから、本来なら「推定無罪」として扱われるべきで、国によっては名前を公表しない場合もある。ところが日本のテレビは、まるで重大犯罪を犯したかのように大騒ぎをして、容疑者を断罪してしまっているのである。

・一方で、権力者が関わる問題には、テレビは及び腰である。安倍前総理は一体どれほどの罪を犯したのか。甘利や下村といった自民党の有力者にかかる疑いはどうなったのか。伊藤詩織さんを強姦した山口への逮捕状を警察の高官はなぜ、もみ消したのか。テレビにジャーナリズムという側面があるとしたら、追求しなければならない問題は山ほどあるのに、なぜ有名人の軽微な犯罪や個人的な問題に大騒ぎして、断罪しているのか。

・実際に、有名人の不祥事が大きく取り上げられた時には、裏で政権や財界にまつわる大きな問題が起きた時であることが多い。不倫や大麻は、それをいつ公にするかを管理出来る問題でもある。そんなケースを見ていると、メディア、とりわけテレビが、今ほど権力の言うなりになっている時はないことがよくわかる。日本人には他国に比べて、メディアを批判的に受け止めるといった姿勢が希薄だから、テレビの言うことを鵜呑みにしがちになる。もう中国や北朝鮮と変わらない状況になっていると言ってもいいだろう。

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unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。