2021年11月8日月曜日

衆議院選挙の結果について

 衆議院選挙の結果は、ちょっと意外というものだった。減るのが当然といわれた自民党は微減で、増えると思われていた立憲民主党が大幅減、逆に維新が4倍増というのは、どういうことなのだろうか。あれこれ言われているが、メディアのせいだというのが一番だろうと思った。メディアはコロナが猛威を振るった時期はオリンピック一色になり、その後は自民党総裁選を追いかけ回した。ところが肝心の衆議院選挙になると、特番どころかニュースでもあまり扱わなかった。そして選挙結果についてはまた大騒ぎである。

この露骨なやり方が自民党に有利に働いたことは明らかだろう。それは維新にも言えて、大阪のコロナ対策がひどかったにもかかわらず、吉村知事が毎日のようにテレビに出て、その奮闘ぶりを伝えてきた。それを吉本の芸人が後押ししたのだから、頼りになると思わせた効果はずいぶんあっただろうと思う。対照的に立憲民主党の枝野代表は、ほとんどいないも同然の扱いだった。

メディアの扱いがポイントになったのは、甘利や石原、それに平井といった脛に傷持つ候補者が落選したことでも明らかだろう。自民党の幹事長でも大臣経験者でも、疑惑が強く追及されれば批判票は集まる。石原については山本太郎の立候補宣言と辞退といった動きが、有権者に好意的に受け取られたと言われている。そしてもちろん、これらについてもメディアの取り上げ方が影響した。

出来たばかりの岸田政権には当然、何の実績もない。しかも総裁選であげた公約のほとんどが、新政権の政策には盛り込まれなかった。ハト派の首相とは思えない右寄りの政策があげられたが、それをめぐって論争が起こることもなく、短期間での選挙戦になった。争点を隠してイメージだけの選挙になったのは、メディア、とりわけテレビが協力した結果だったといわざるを得ないだろう。

そのイメージ作りという点では枝野はへたくそだった。対抗しようと思えば、総裁選の時から出来ることはあったはずなのに、彼はほとんど何もしなかった。と言うよりは、共産党との連携や連合との関係で右往左往して煮え切らない印象を与え続けた。統一候補について何とか選挙に間に合ったが、今度は自民党が「立憲共産党」などといって体制が変わる怖さを喧伝したこともマイナスのイメージになった。

僕は今回共産党の候補者に投票した。主張が一番納得できると思ったからだ。しかし立憲民主党同様に共産党も議席を減らした。政策としては優れているのになぜ受け入れられないのか。それは何より党名にあると思う。いくら関係ないと言っても、この党名を名乗る限りは中国や北朝鮮との関係をイメージされてしまうからだ。現状の方針から言えば「コミュニズム」ではなく「コモンズ」で、共有党とか共生党がいいのではないだろうか。

国会で嘘を連発しても、公文書の隠蔽や改竄をしても、汚職やスキャンダルにまみれた議員が続出しても、それでも自民党が安定した政権の座につき続ける。安倍や麻生の院政のもとで、これからどんなことになるのか。日本の将来がますますひどいことになるのは明らかだろう。

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