2022年1月24日月曜日

マスクがパンツになった?

 マスクがパンツ化しているという記事を見かけた。つまりマスクはもはや「顔パンツ」となって、めったに外せないと思う人が増えているというのである。もちろん多くは若い女達で、化粧の手間が省けるといった事情や、自分の鼻や口に劣等感を持っていたからといった理由もあるようだ。そうすると、コロナがおさまっても、マスクをしたままの人が普通になるのだろうか。へぇ!と思ったが、風邪が蔓延する冬や、花粉が舞う春には、これまでも多くの人がマスクをしていたから、それほど珍しい風景ではないかもしれない。しかし、真夏でもマスクをした人が多くなるのは、やっぱり異様な光景に感じるだろう。

他方で欧米では、マスクに対する抵抗感が強くて、それが感染数を増やす大きな要因になっていると言われている。確かに、マスクをして顔を隠すのは、強盗や強姦をする奴だけだ、といった感覚もあるから、抵抗感が強いのも理解できる。そうすると日本人に抵抗感が薄いのは、犯罪率が少ないからということになるが、それだけではない気もする。風邪をひいているわけでも、花粉症に悩まされているわけでもないのにマスクをすることは「ダテマスク」などと言われて、ずいぶん前から指摘されていたからだ。

顔の一部を隠すのは、他にサングラスがあって、これは欧米では日本より一般的なものである。青い目は黒目に比べて太陽光に弱いといった理由もあるが、おしゃれの一つとして考えられていることもあげられるだろう。日本ではサングラスは不良がかけるものだといったイメージがあって、真夏ならともかく、それ以外の季節や夜につけるのは異様に思われてきたはずである。もっとも最近では、こんな考えはかなり薄れてきていると言えるかもしれない。

サングラスをかけると格好良くなった気がするのは、多くの人が感じることだろう。しかし、マスクはどうだろう。マスクも色やデザインなど工夫するようになったから、格好いいと思ってつけているのかもしれない。そう言えば若い人たちがつけるのは、ウレタン製の黒いマスクが多いが、それは感染を防ぐ効果がほとんどないと言われたりしている。そこにはやはり、効果よりはおしゃれを優先といった気持ちがあるのだろうか。

とは言え、パンツはおしゃれのために身に着けるのではなく、本来、陰部を隠したり保護するために履くものである。だから、マスクを顔パンツのように感じるのは、鼻や口を陰部のように思う人がいるということになる。外すことに羞恥心を感じるのは、鼻や口そのものに原因があるのではなくて、隠すのが常態化したことに理由を求めることができる。それは、パンツで隠された部分にも言えることのはずである。陰部はパンツで隠すようになったから、さらけ出すのが恥ずかしくなったのである。

そうすると、コロナがおさまっても、マスクをしないで人前に出るのは恥ずかしいことだといった感覚が常識化してしまったりするのだろうか。十分にありそうなことだが、それは日本人にかぎったことになるから、これもやっぱりガラパゴスと言われるようになるだろう。

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