2026年3月30日月曜日

ボブ・マーリーについて

marley1.jpg WBCを見るためにNetflixに1ヶ月だけ加入した。せっかくだからとあれこれ探しているとボブ・マーリーの伝記映画を見つけた。『ボブマーリーOne love』は2024年に公開されているが、全然知らなかった。この映画でマーリー役を演じたキングスレー・ベン・アジールはドレッドへアで、似ているような似ていないようなだったが、雰囲気は良く出していたと思う。

ボブ・マーリーは1945年生まれのジャマイカ人でミュージシャンとしてのデビューは1962年である。最初はスカと呼ばれるジャマイカ独特の音楽ジャンルだったが、そこから派生したレゲエを代表するスターになった。少数の白人が支配するジャマイカでは人口の大半を占める貧しいネイティブ達の不満が爆発して、政治的な混乱が続いていた。マーリーは自作の歌にネイティブの気持ちや主張を取り入れて、政権そのものを揺るがすほどの影響力を持った。やがて旧宗主国だったイギリスに移り、世界的なレゲエ・ブームを引き起こすことになった。

映画に描かれているのはジャマイカに帰国している時に起きた1976年のマーリー銃撃事件から、翌年に発表されたアルバム『エクソダス』の収録風景までのごく短い間だが、回想シーンとして過去の様子が再現されている。マーリーはジャマイカ独立後の白人支配の政権を倒すことを訴えたが、彼は同時にアフリカ回帰を唱える「ラスタファリ運動」に共鳴していくつもの歌を作っている。

Netflixにはもう一つ『リマスター ボブ・マーリー』というドキュメントもあった。1976年にあったマーリー暗殺未遂事件に焦点を当てていて、2018年に公開されている。当時は、白人主体で政権を取っている「労働党」と貧民層の支持を受けた「人民国家党」が対立していて、マーリーは後者を支援してライブを強行して凶弾を受けたのである。主題は一体誰が撃ったのかを追求するもので、関係者を取材してまわる内容になっている。

僕は1979年に大阪の厚生年金ホールで彼のライブを聴いている。初めて買ったアルバムは『エクソダス』だったようだが、気に入って代表作である「ノー・ウーマン・ノー・クライ」の入っている『ナッティ・ドレッド』なども購入していた。だから大いに期待をして出かけたのだが客席が半分も埋まっていないのに驚いたことが今も印象に残っている。レゲエが日本でブームになったのは彼が癌でなくなった1981年以後で、そこには政治的主張などはなく、変わった髪形と新しいダンスの音楽というものだった。

イギリスではレゲエが流行った時に、一緒にパンクも台頭した。それは音楽における競い合いを起こしたが、同時に労働者階級の若者たちと、ジャマイカに代表される旧植民地からの移民達との対立も反映していた。1970年代のイギリスは「英国病」と名づけられた経済の深刻な停滞と労働組合のストライキなどで混乱した時代だった。ボブ・マーリーはジャマイカとイギリスの両方で、そんな激動の時代を生きて多くの歌を生みだしていたのである。

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unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。