1997年8月3日日曜日
トレイン・スポッティング』
1997年7月22日火曜日
富田・岡田・高広他『ポケベル・ケータイ主義!!』(ジャスト・システム)
・ぼくが電話論を書いたのは10年前だった。正直なところ、もうそんなにたったのかと驚いてしまう。この10年の間に電話はずいぶん様変わりした。けれども、それについてぼくは、ほとんど何も発言していないし、携帯も
PHSもポケベルも自動車電話もいっさい使っていない。要するに関心がないのだが、この10年の間に急に賑やかになったメディア論(議)にうんざりもしているのだ。だから最近出るメディア論の本は、ほとんど読む気にもならない。
・しかし、その電話論の本をいただいてしまった。5人の著者のうち3人と知り合いである。だから礼儀上も書評をしなければならない。正直困ったな、と思った。
・最近の電話については、経験的には嫌な印象ばかりが残っている。授業中になるチリチリのためにぼくは一体何度、思考を妨げられたことか?年のせいかよく度忘れをするようになったが、そのチリチリを気にしたとたんに、それまで話していたことを忘れてしまったりする。どういうわけかそのたびに無性に腹が立つ。
・腹が立つといえば、ドライバーの運転中の電話。これは車がどこか挙動不審だからすぐにわかる。何かおかしいなと感じると、たいがい片手運転をしているのだ。電車にはめったに乗らないから、近くで大声で話されたりするのもえらい迷惑だ。ポケベルやベル友などは勝手にしろという感じだ。
・こんな思いを持ちながら読み始めたら、たちどころにオジサンというレッテルを貼られてやっつけられてしまった。で、ますます読む気がなくなった。岡田君はともかく富田さんはぼくとあまり歳が違わないのに、ちょっと若い奴等に迎合しすぎていやしないか?自分の子どもが大きくなってきたせいか、高校生はもちろん、大学生にしても、ぼくにはやたら幼く思えてしまう。何で世の大人は、こんな連中をちやほやするのだろう?だから最近では、こわい、うるさい親父(オジサン)として接することを心がけている。たぶん彼らにとってはムカツク存在なのだ。
・で、この本だが、よくまあこれだけ、電話にまつわる話題を集めたものだと感心してしまった(けっして皮肉ばかりではありません)。内容は電話を通した若者論で、最近の若者に疎いオジサンとしては、ずいぶん参考になるところもあった。けれども、全体に明るいトーンで、神戸の酒鬼薔薇少年の世界を連想させるような記述(描写)がないのが物足りない感じがした。電話、パソコン、タマゴッチ、ビデオ、マンガ............。例によってくり返されるメディア・バッシング的な動きが気になる昨今、もっと影の部分について目を向けてもよかったのでは..............。
1997年7月15日火曜日
大学生とメール
社会学科のカリキュラムには学生がパソコンを習う課目はない。しかし、3年生ぐらいになると半数以上はワープロを使い、その中の2割ぐらいがパソコンを持つようになる。ぼくはゼミ紹介をするときにワープロ・パソコンを使える者という条件を付けている。だから手書きのレジュメやレポートは許さない。それでも、パソコンを自分で持っている学生は半数に満たない。だから、ゼミの学生からメールが来ることはほとんどない。パソコンにあれほど目を輝かせた1年生も前期試験のためか、ぼくのところにほとんどメールを送っては来ない。来ても、「先生今日は」といった簡単なものでしかない。
1997年7月8日火曜日
Neil Young "Broken Arrow""Dead Man"
・ニール・ヤングが元気だ。昨年イギリスでやったライブを Wowowで見たが、少し禿げて腹が出たとはいえ、帰依状態になるようなエネルギッシュなパフォーマンスは相変わらずという印象だった。そしてCDも次々と出している。70年代のはじめの"After the Goldrush"や"Harvest"から、ぼくは彼のファンだが、大柄な体格とは裏腹の繊細な心の持ち主で、いつ消えていなくなっても不思議でないという感じを持ち続けてきた。それが30年近く過ぎても健在で、すでに30枚を越えるアルバムを出している。ディランの30周年記念のコンサートでは、ディラン以上にはりきっていたし、MTVの"Unplugged"もすごくよかった。
友だち(a friend of mine)のことについて話そう
金鉱(gold mine)について話そう
ぼくの中の(inside me)敵について話そう
君とぼく(you and me)のことを話そう
今でもぼくは夢の中で暮らしていて、それはまだ終わっていない
Big Time in "Broken Arrow"(1996)
・"Dead Man"はジム・ジャームシュの同名の映画のサントラ盤である。長年のヤング・ファンだったジム・ジャームシュは"Dead
Man"の脚本を書いているときも、ニール・ヤングを聴き続けていたそうだ。映画の音楽をヤングに任せたいと思っていたらしい。だから、映画のカットを見てヤングが引き受けたときには有頂天になった。CDのライナーノートにはそんな風に書かれている。
・ぼくはまだこの映画を見ていない。ジムはこれが「若者の旅、肉体的、精神的になじみのない世界に入り込む物語だ」と言っている。19世紀後半の開拓期アメリカ西部。ある若い白人とネイティブ・アメリカンたちとの出会い。そんな話のようだ。そういえば、"broken
Arrow"もジャケットにはテントがモノクロの絵として描かれている。何か関係があるのかもしれないが、CDを聴いている限りではよくわからない。(1997.07.08)
1997年7月5日土曜日
リービング・ラスベガス』マイク・フィッギス(監)ニコラス・ケイジ(主)
1997年7月1日火曜日
ガンバレ野茂!!
・三年目の野茂がもたついている。6月29日の試合に負けて7勝7敗、オールスター出場は今年もダメなようだ。話題も伊良部に集まっていて、新聞やテレビ゙のスポーツ・ニュースに取り上げられるのも地味になった。「どうした?」などと書かれることもない。何となく寂しい感じがしているが、本人にはかえって気楽になれるいい機会なのかもしれない。
・実は、ぼくは野茂がアメリカに行くと言ったときから、かなり強い関心を持ち続けている。できるかぎり生中継を見ているし、それがダメなら、再放送、ドジャーズのホームページには必ずアクセスしているし、ニフティのSNPBASE(スポニチ)から毎日の大リーグ情報も入手している。小学生からのスワローズ・ファンだが、日本のプロ野球にはほとんど関心がなくなってしまった。独走のせいもあるが、マスコミの清原イジメや阪神ファンの相変わらずのとらぬタヌキにはもううんざりといった思いなのだ。
・で、野茂の話だが、実は今年は特に調子が悪いというわけではない。去年も同じ時点では8勝7敗だった。もちろん野茂の防御率は年々落ちていて、三振の数もハデにとることが少なくなった。フォーク・ボールをむりやり強振しなくなって、じっくりボールを見極めるバッターが増えてきた。四球がからんで早い回から点を取られてしまう試合も少なくない。しかし、ダメなのはドジャーズ打線のふがいなさにある。とにかく先行する試合が少ないのだ。それがプレッシャーになって、のびのび投げられない。そんな感じがする。他の先発ピッチャーが好投しながら勝てないのに腹を立てて、野手陣、フロントとの間がギクシャクしているといったニュースがSNPBASEにはよく報じられている。ラソーダとラッセルの監督手腕の差なのかもしれない。
・ギクシャクした関係といえば伊良部と日本からの報道陣の間も相当のようだ。殴りかかったとか、ボールをぶつけるまねをしたとか、鼻クソを投げたと話題は尽きない(これもSNPBASE)。記者の方も相当カリカリして記事を書いている。対照的に長谷川にはきわめて好意的だ。インタビューでも、信じられないくらい流ちょうな英語で受け答えをしている。
・野茂の相変わらずのぶっきらぼうさをふくめて三人三様で、それはそれでおもしろいと思う。野茂はトンネルズのインタビューなどにはちょっと冗談もいれてキサクに話をする。たぶん伊良部だって相手次第ではもっと素直になれるに違いない。野茂にも伊良部にも日本の報道陣は大リーグへの道をふさぐ存在として立ちはだかった。で活躍し出すとやたらハデに持ち上げる。たぶん野茂はそんな姿勢にしらけているのだ。伊良部もちょっと大人げないところがあるが、反省すべきはまず、報道陣のほうだと思う。
・スポーツは最高のレベルでは、当然世界を相手にする。しかし、オリンピックで金メダルいくつといったことを除けば、日本人には、そのような意識はこれまで希薄だった。それが野茂や伊達(テニス)や岡本(ゴルフ)といったプロ・スポーツの世界で自覚されはじめている。ワールド・カップへの出場が果たせなければサッカーのJリーグの成功もない。そして、そんな意識から一番ずれているのが、日本のプロ野球と、それを支え、そこに寄生するスポーツ・ジャーナリズムなのだ。日本のプロ野球なんてマイナー・リーグの一つになってしまえばいい。そんな気がする。
1997年6月23日月曜日
『ブルー・イン・ザ・フェイス』 ポール・オースター、ウェイン・ウォン
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12月 26日: Sinéad O'Connor "How about I be Me (And You be You)" 19日: 矢崎泰久・和田誠『夢の砦』 12日: いつもながらの冬の始まり 5日: 円安とインバウンド ...
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・ インターネットが始まった時に、欲しいと思ったのが翻訳ソフトだった。海外のサイトにアクセスして、面白そうな記事に接する楽しさを味わうのに、辞書片手に訳したのではまだるっこしいと感じたからだった。そこで、学科の予算で高額の翻訳ソフトを購入したのだが、ほとんど使い物にならずにが...
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・ 今年のエンジェルスは出だしから快調だった。昨年ほどというわけには行かないが、大谷もそれなりに投げ、また打った。それが5月の後半からおかしくなり14連敗ということになった。それまで機能していた勝ちパターンが崩れ、勝っていても逆転される、点を取ればそれ以上に取られる、投手が...