・旅の終わりはシアトルで、最後の日はワシントン・レイクを散歩して、夕食後に夕日を見にリッチモンド・ビーチまで出かけた。シアトルにはボーイングやマイクロソフト、それにアマゾンコムなどの大企業の本社がある。そのせいか湖畔を望む場所に大邸宅が並んでいるし、ヨットや水上飛行機の数がやたらに多い。それに、緑が多い。森の中に街があるという感じで、それはポートランドにも共通した特徴だった。アメリカで一番暮らしたいところというキャッチふれイズに偽りはない気がしたが、どちらの街にもホームレスや物乞いが目立った。貧富の格差がよくわかる街でもあった気がする。
・シアトルとポートランドで気づいたことがもうひとつ。僕が愛用するスバルがやたらに目立ったことだ。雪が降って坂道の多いポートランドでは、確かに4駆のスバルは有効だろう。そう言えば、宿泊したティンバーライン・ロッジの広報車も新型のアウトバックだった。少なくともこの二つの街では、スバル車はトヨタやホンダに負けていない。アウトバックのモデルチェンジがアメリカ好みになったのも頷ける気がした。ちなみに、僕の車は旅行中三週間以上、成田空港近くの駐車場に置かれたままになっていて、24万キロ越えのご老体だからバッテリー上がりでもしているのではと心配したが、キイを入れると元気よく動き出した。
・それにしても日本の夏は暑い、暑すぎる。そのことは飛行機から降りた瞬間に実感した。まるでサウナ風呂に入ったような感覚で、さわやかなシアトルの風が懐かしくなった。もっとも首都高速の大渋滞を我慢して河口湖に帰ったら22度で、ほっと一息。ただし、閉め切った家の中はカビの大繁殖で、掃除に数日間追われることになった。雑草も伸び放題で、庭の通り道がなくなってしまっているほどだった。薪を運ぶ進入路もごらんの通りで、今さらながらに植物の生命力にびっくりしてしまった。
・インターネット環境の変化は海外旅行するたびに驚くことの一つである。5年前にイギリスとアイルランドに行った時には、ホテルでお金を払って接続したし、アイルランドではネットカフェを探すのに苦労するほどだった。それが翌年のスペイン旅行では、場所によってはワイヤレスで繋がるホテルもあってびっくりした。さらにその2年後のフランス旅行では、パリのホテルでロビーに行けばワイヤレスで繋がるのが当たり前になった。
・で、今回のカナダ・アメリカ旅行ではWifiである。成田は限定的だったがサンフランシスコもシアトルもバンクーバーも、空港ではどこにいても繋がったし、それは鉄道の駅や図書館などの公共の場でも多かった。スタバは当然だが、カフェやレストランでも同様のサービスをしていたから、毎日ブログを更新したいパートナーにとっては大歓迎だった。もちろん、滞在した友人の多くもワイヤレスでどこでもネットが使えるようになっていたから、家にいるときよりも便利に使えた。
・何よりありがたかったのはスマートフォン(ブラックベリー)が使えたことだった。ケータイでは海外で使える手続きをして高額な使用料を払わなければならないが、Wifiが利用できればネットに接続することができる。このサービスがiPhoneをはじめとしたスマートフォンの爆発的な普及にあることは明らかだ。僕は日本ではほとんど街中に行かないし電車にも乗らないが、接続料のいらないWIFI環境は、どの程度に普及しているのだろうか。
・ともあれ、家に戻って、いまだにISDNで接続している我が家のネットの遅さに戸惑ってしまっている。ケーブルTVと契約して、ワイヤレスで家のどこでもつなげられるようにしようかと思い始めているが、パートナーがその気でないから実現できるかどうか。