・嘘が平気でまかり通る。そんな現状に腹が立つというより、絶望感にとらわれるばかりです。阪急・阪神ホテルのレストランが食材を偽ってメニューに並べていたというニュースを耳にしました。これはもう悪質な詐欺行為ですが、欺す意図のないミスだったと言い逃れをしているようです。中国産のウナギを愛知県産と偽る業者が後を絶たないようですし、福島県産であることを隠して売られている農産物も多いようです。クール宅急便が猛暑のなか外に放置されていたことも明るみに出されました
・みずほ銀行が暴力団関係者に融資を続けてきたことの発覚も、嘘と謝罪のくり返しでした。最初はトップは知らないことと言っていましたが、頭取をはじめ誰もが承知の上で行ってきたという訂正がなされたのです。嘘がばれると一同勢揃いして、テレビカメラの前で謝罪をする。そんなニュースが毎日テレビに映し出されます。醜悪な光景に反吐が出る思いです。
・見つからなければいいのだから、都合の悪いことは隠しておけばいい。そんな態度を代表するのは、もちろん、東京電力です。会社の存続のためにはどんな嘘もつくし、知られたくないことは徹底的に隠したままにする。最大の秘匿データは地震発生から津波が襲ってくるまでの間に原発に起きたことで、元東京電力の技術者だった木村俊雄さんが、そのデータの開示を強く求めて、福島原発はツナミではなく地震で破壊されたことを主張しています。
・ただし、この主張をマスコミはほとんど無視しています。3.11の地震と津波以降、新聞やテレビの報道がきわめて意図的に操作されていることが明らかになりました。自ら不利益になることは隠したり、無視したり、歪曲したりする。このような姿勢は、メディアが公共の報道機関であるよりもまず私企業であることをあからさまにしました。そんな危機意識からフリーのジャーナリストや評論家が自前で開設した「デモクラTV」は、僕にとって何より信頼できる情報ソースになりました。
・しかし、秘密と嘘ということでは安倍首相が一番でしょう。何しろ世界に向けて、福島第一原発は完全にコントロールされていて、海には放射能は流れ出していないと大嘘をついたのですから。消費税を上げるのは社会保障財源のためではないし、TPPや秘密保護法も国民のためではありません。憲法改悪もふくめて、日本の政治権力や経済を牛耳る人たちにとって好都合な制度に変えようとしているのですが、そんなことはもちろん隠したままですし、明るみに出れば嘘八百でごまかしたり、機密事項だといって無視したりするばかりです。
・2020年に東京でオリンピックが開かれます。しかし、これはいつか来た道の再現になるのではないか。そんな予感すらしてしまいます。東京オリンピックは1964年以前に、40年に開催される予定でした。ヒトラーがその権力を誇示したベルリン・オリンピックの次に開催することが決まったのですが、中国侵略を狙った日中戦争に対する各国の批判によって、返上したのです。福島原発の処理が進まない中でまた大きな地震が起こったりする危険性や、中国や韓国との緊張関係など、現実に今の日本は、すでにオリンピックどころではない状況にあるのですから、この危惧は、けっして考えすぎではないのだと思います。