2006年4月17日月曜日

遅い春は一気にやってくる

 
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河口湖から御坂トンネルを越えて甲府に行く137号線は、季節ごとに風景が変わって見応えがある。冬は、甲府の街の先に雪を被った南アルプスがみえたが、今は一面の花模様だ。桃の花が絨毯を敷き詰めたようにひろがる景色は壮観だし、なにより色っぽい。まさに桃源郷である。
そんな景色を見ようと出かけたが、途中の黒駒では桜が満開で、小高い山の上の寺が気になって立ち寄ることにした。廣徳禅寺という名だが、入り口にりっぱな石像があった。「珍棒大明神」。なるほどとしばし眺めたが、その周辺には桜の大木が並んでいて今まさに満開。どれもこれも見事である。訪ねる人は少なくて、もったいないほどだが、寺にはそのほかにもスモモや桃の林があり、境内にはツツジや椿、あるいは梅の木があって、どれにも花がいっぱい咲いていた。まさに百花繚乱である。 

 

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天気はあいにく曇り空。しかし、今にも咲きそうな桃の花の向こうにみえる御坂山系はなかなかいい。甲府盆地は今、桃の花の満開で、これから少しずつ上に上がっていく。この寺のあたりは、今はスモモが満開で、あとは茶色が目立つが、あと1週間もしたら桃色になり、1ヶ月もしたら緑一色になる。夏には桃、スモモ、秋にはブドウと果物が豊富にみのる一帯である。雨が多すぎたり、温度が低かったりといった年にならないように。
   

137号線は河口湖から御殿場に向けては138号線になる。山中湖から篭坂峠を越えると静岡県に入る。自衛隊の大きな駐屯地のある須走から富士山を周遊するスカイラインを通り、有料の南富士エバー・グリーン・ラインを下ると、広大な演習場に隣接した「富士サファリ・パーク」がある。
 
photo35-11.jpgそれほど行きたかったわけではないが、ものは試しと出かけてみることにした。雪を被る富士山を背景に象やライオンの放し飼いというのは、何とも奇妙な風景だ。しかし、富士をキリマンジェロと思えば、そうでもないか、という気にもなった。

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photo35-13.jpg 園内は車に乗ったまま周遊できる。ドアや窓は絶対に開けないこと。当たり前の話だが、猛獣たちがあまりにものんびりしているから、ついつい近づいてさわってみたいなどと思う人がいるのかもしれない。ここは昨秋、飼育員がライオンに殺される事件があったばかりだ。だからというわけはないのだろうが、ジープに乗った監視員があちこちにたくさんいて、維持管理、運営するのは大変だと感じた。のんびりした動物ばかりだったせいだろうか。猛獣に驚きや興奮といったことは少なくて、ほかにもよけいなことばかり考えてしまった。冬のあいだは動物たちは閉じこめられたままなのか、とか、経営が行き詰まって動物の行き場がない、などといったことがないようにとか、ゴールデン・ウィークの混雑はものすごいことになるのだろうなどなど………。

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unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。