・「珈琲をもう一杯」が開店10周年を迎えた。Yahoo
Japanのサイトから半年遅れの開設だから、HPとしてはかなり早かったと思う。何しろYahooに登録したときにはYahooカテゴリーの「社会学」の欄には10件も並んでいなかったと記憶している。それが今では、「社会学」の欄には、24の分野があり、それぞれに数十のサイトが並んでいる。それだけでも隔世の感があるが、Yahoo
Japanを運営するソフトバンクは今やプロ野球のホークスを所有し、ボーダフォンを買収して、NTT
に対抗しようとしている。ポータルサイトが現在のような巨大企業に成長するなどとは夢にも思わなかった。
・「珈琲をもう一杯」はYahooカテゴリーでは、「情報学とメディア」と「文化社会学」にある。眼鏡つきのクールサイトになっているが、これは老舗であることからつけられたもので、アクセス数が多くて人気があるということではない。現在のアクセス数は一日70〜80平均で、多い日でも
100をちょっとこえる程度だ。数年前には一日に200なんて日も珍しくなく、週に1500なんて時もあった。最近の減少はたぶんブログの普及のせいだと思う。まとまった内容より、毎日のこまめな更新が必要で、週一回の更新では間が開きすぎているのかもしれない。
・「珈琲をもう一杯」は前に勤めていた追手門学院大学で1996年11月にはじめた。いちはやくはじめた平野秀秋さんに触発されて、その年の夏からHTMLを勉強して、10月にはパイロット版をつくり、11月はじめに公開したのだが、はじめるとすぐにおもしろくなって、読んだ本の書評や聴きに行ったコンサート評や買ってたまりつつあったCDのレビューを次々と書いた。しばらくすると、毎週一回の更新に落ち着いて、現在にいたっている。週一回というのはけっして楽ではないが、今のところ休載した週はない。どんなに忙しくても、体調が悪くても、話題がなくても、とにかくなにかを更新する。それがぼくの毎週の生活のリズムをつくっているといってもいい。
・現在のサイトは1999年4月からはじめている。7年半でカウントはもうすぐ26万になる。ものすごい数だとあらためて驚いてしまうが、コラムの数も500を越えた。よくもこれだけ書いたと感心するが、これをやらなければ、その間に本を数冊書けたかもしれないとも思う。同様のことは最初から感じていて、開店一周年のコラムには、次のように書かれている。
・ホームページを公開して一年が過ぎた。あっという間だったような気がするが、かなりの時間を費やし、エネルギーを使い、知恵も絞った。ホームページがなければ、僕にはこの一年でもう2本ぐらいの論文が書けたかもしれない。そんなふうに考えると、正直いってもうやめとこうかとも思う。けれども、ホームページ作りは論文とは比較にならないくらい楽しい。だから、ついついホームページのことを考えてしまう。この魅力はいったい何なのだろうか?
・今はもう、これほどの魅力は感じていない。なのに毎週更新しつづけるのは、じぶんでつくった記録と戦っているつもりなのかもしれないとも思う。まるで野球選手の連続試合出場のようだが、別に1,2週休んでもだれからなにかを言われるわけではない。いつ休んでもいい、いつやめてもいい。だけど、さしたる理由がないなら、もう少し続けようか。最近は、こんな気持ちになっている。ただし、ブログのように毎日更新なんてことは、全然やる気にもならない。もっともぼくのパートナーはすっかりブログにはまっていて、その「陶芸ノート」を毎朝画像入りで更新している。多い日はあっという間に100を越えるアクセス数になったりするから、ブログの盛況を実感するばかりだ。
・この10年のあいだに、ネットもずいぶん様変わりした。ブロードバンドになり、ビジネスが本格化して、もう一つのマス・メディアという性格が強くなった。ぼくはネットの可能性を巨大な影響力や金もうけとはちがうところに考えていたから、現在のような展開には批判したいことがたくさんある。いずれ、そのことはじっくり調べて考えたいと思っている。
・個人的なことについてみても、10年という時間をふりかえると、ずいぶんかわったなと改めて感じてしまう。職場が変わり、住む場所が変わった。関西から東京、しかし生活の場は都会から田舎へだ。親子4人の暮らしが、夫婦2人になったこともあって、生活の仕方は激変した。そのあたりのことを、今まとめている本の最後に書こうと思っている。約束の締め切りが過ぎて、少々焦り気味だが、のんびりと落ち着いた生活を志向する話だから、慌てないで書こうと思っている。
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unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。