2009年4月12日日曜日

テレビで見たくない顔

・ニュースを見ていて、思わずリモコンに手が行く機会が増えた。見たくないのは自民、民主を問わず、政治家が映しだされた時だ。首相も大臣も野党の党首も、その顔を見ただけで反吐が出るほど不愉快になる。そろいもそろって、よくもまあ、これだけひどい人間を集めたものだと思う。そう思うようになったのには、もちろん、ここ数年、そして特にここ数ヶ月の、ひどい政治状況がある。国民の8割が支持しない総理大臣が、支持率など気にしないと言って、にやにやしながら続けている。政権交代を目指す民主党も、党首の政治資金問題で大揺れだ。選挙は、当人たちにとっては一大事であるかもしれない。けれども、どの顔を見ても次の選挙では負けて、消えて欲しいと思うだけだ。

・とは言え、政治にも無関心で知らん顔というわけにはいかない。政治家や官僚たちが、人気とり目当てに支離滅裂な政策を乱発しているからだ。たとえば、高速道路料金が土日に1000円になった。休日には高速道路を使って遠距離旅行を楽しんでくださいという趣旨だ。これまでも、高速道をが渋滞するのは土日や祭日だったのに、その渋滞がさらにひどくなる。ガソリンの値段は落ちついたが、だからといって無駄に消費してもよくなったわけではない。そのうえ、新車の購入に税金の優遇措置をする政策も登場した。景気を刺激する補正予算は15兆円で国債でまかなうから、その発行額は44兆円にもなるという。1年の税収を上まわる額で、いったい何を考えてるのか、と呆れるばかりだ。次の選挙で勝つことしか頭にない。それが見え見え、というよりは、それしかないのを露骨にしても恥じる顔も見せないという態度には、嫌悪以外の何も感じない。

・不景気になってテレビの広告収入も激減したようだ。だからどの局も番組の改編に懸命だった。しかし、相変わらずのバラエティとタレントたちで、ニュース番組にもかわいいだけの女子アナを抜擢したりしている。その無知さ、意見のなさに見ている方が恥ずかしくなった。で、当然、そのニュース番組はもう見ないことにした。視聴率ではNHKががんばっている。それも内容のある番組に関心が向いているという。特集やBSの番組など、僕も見ているものが少なくなかったから、バラエティやクイズ形式の制作が飽きられているのは明らかなのに、内容を充実させることができないのは、すでに民放にはその力がないということなのか、と考えてしまう。

・WBCがあって、今年は春先から野球中継をよく見た。おもしろかったがただひとつ、はじまる前からのイチローの発言には、「いい加減にしろよ」と言いたくなることが多かった。自分が日本チームのシンボルであることを当然視した、その自信過剰な態度に嫌気がさして、彼の顔が映った瞬間に、やっぱりリモコンに手がいった。ところが試合が始まると、イチローは絶不調で、その発言も混乱したり、口ごもったり。最後に優勝の瞬間を作りだして体面は保ったが、胃潰瘍で出血があったようだ。自意識過剰で目立ちたがりの性格が災いしたことは明らかだが、これを機会に改めるといったことは、おそらくないのだろうと思う。

・「ハニカミ王子」から「遼君」に名前が変わった少年ゴルファーへの注目も異常だ。他の選手が出ていていい成績を出しているのに、そのことには触れずに、予選落ちした彼ばかりを追いかけている。だからゴルフのニュースになるとまたリモコンに手が行く。矢沢永吉のビールやテレビのCMも見たくない。音楽を忘れてテレビで稼ぐ。テレビに出てくるミュージシャンは、そんな連中ばかりだが、彼らには「ロッカー」などと口にする資格はとっくになくなっている。

・こんな具合だから、民放のテレビはますます敬遠するようになっている。わずかに残ったニュース番組を見なくなるのも、時間の問題だな、と思う今日この頃である。

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unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。