・僕は道具を買うと必ずケースも買うことにしている。愛用のブラックベリーも皮のケースに入れているが、iphone用の竹製のケースを見ていっぺんで気に入ってしまった。ただし、残念ながらバラックベリー用はないから、つけかえることはできない。
・実は、このケースを作っているのは、僕の友人の息子さんたちだ。そのK君は日本生まれだが、父親の仕事の関係で幼い頃にアメリカに行き、ポートランドで育って、家具などを作る工房をはじめて自分の仕事を自分で見つけだしてきた。竹を素材にし、日本の卓袱台(ちゃぶだい)をモチーフにして作った家具のシリーズには"Chaboo"という名前がつけられている。
・どういういきさつかは知らないが、K君が竹を素材にしたiphoneのケースを思いついてネットで販売しはじめると、あっという間に 3000を越える注文が舞い込んできたそうだ。友人たちに呼びかけて起業した会社が途端に忙しくなり、本格的な生産を始めたのである。会社名は「grove」で竹の葉をあしらったロゴも作った。弟のY君もサイトの構築に力を発揮して、兄弟でがんばっている。
・そんな彼らのところに1週間ほどお邪魔をした。3000のオーダーをさばくのに懸命で、僕も、最後のオイル塗りを手伝い、彼らの作業場を何度か訪ねたりもした。若い人ばかりの熱気のある場は楽しそうだったが、K君は作業の工程、製品のできばえ、そしてスタッフの仕事ぶりなどをチェックして、弟のY君と議論を重ねていた。起業をして、仕事が動き出した時に若い経営者がどんなことに悩み、気をつかい、さらなる野心を抱くか。そんな様子が間近にできて興味深い時を過ごすことができた。
・訪ねてからすでに一月以上が過ぎた。オーダーをさばいて発送することができたのだろうか。さらなるオーダーが順調に来ているのだろうか。スタッフとの関係はうまくいっているのだろうか。ガールフレンドを放りっぱなしにしてはいないだろうか。寝る間も惜しんで仕事に追われていたから、体も心配だ。と、まるで親が心配するように気になるが、きっとうまくやっているのだろうと思って、あえて聞かないことにしている。
・このケースはもちろん、インターネットで注文できて、アメリカから日本へ発送が可能だ。裏面には自分の好みのデザインが注文できるから、気に入った人は「grove」に出かけてみて欲しいと思う。
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unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。