2018年7月16日月曜日

あからさますぎる情報操作

 

・ワールドカップは日本の予想外の活躍で、真夜中にもかかわらず高い視聴率だった。ぼくは初戦のコロンビア戦だけはライブで見た。点を取られたら寝ようと思っていたのだが、開始早々のPKで一点取ったものだから、最後まで見てしまった。翌日のテレビは当然ながら大興奮で、朝から晩までその話題で盛り上がっていた。もっとも、その日の朝には大阪の高槻を震源にするマグニチュード6.1の地震があって、大阪北部や京都南部で大きな被害が出て、そのニュースも一日中、大きく報道された。ぼくは大山崎町に住んでいたことがあって、阪神淡路大震災を経験していたから、その時のことを思い出して、サッカーどころではない気になった。だから知人達にメールを出して、様子を確認したりもした。

・ところがその日の午前中に突然、加計孝太郎がが岡山で地元の報道各社だけに二時間前に予告して会見したのである。当然、東京や関西のメディアは間に合わなかったが、間に合ったところも地元の記者限定という制約で断られたようだ。二つの大きな出来事を狙ったどさくさ紛れの会見で、姑息としか言うほかないような行動だった。しかも会見は30分足らずで、疑惑を否定したり、記憶にないを連発して、質問にもまともに答えようとしなかったようだ。

・この会見が、地震はともかくワールドカップを狙ったものであることは明らかだろう。見え透いた情報操作だが、決勝トーナメントに出た日本がベルギーに負けた数日後の6日に、麻原をはじめオウム死刑囚7人の死刑が執行された。ぼくは見なかったが、朝からテレビが報じていて、一人一人の執行が行われたプロセスをライブで報じたようだ。死刑囚達の執行にはさまざまな批判があったが、執行を命じた法相は、そんなことには聞く耳持たずといった態度だった。

journal3-174.jpg・またところがだが、当日は、数日前から降り続いた雨が激しくなり、特に中国、四国、そして九州では、これまでに経験したことのない雨が降った。気象庁は前日の5日に「大雨特別警報」を1府10県に出して大きな災害になる危険を呼びかけたが、広島や岡山を中心にして、死者・行方不明者合わせて230名を超える大災害になってしまった。もっとも、「過去に経験がないほどの雨」が何度も聞かれたが、大雨による災害はここ数年、この時期にくり返されていることでもある。(表は西日本新聞から)

・このような被害があったにもかかわらず、5日の夜に「赤坂自民亭」という名の自民党懇親会が開かれて、首相や法相なども出席していたことがネットで問題になった。オウムの処刑の前夜であったこと、数日前から大雨の被害が出始めていたにもかかわらず、首相や法相を含めて議員達が飲み会をしていたことに批判が続出した。この宴会は秘密裏に行われたのではなく、幹事の議員がツイッターで、写真付きで、その盛り上がりを報告もしたのである。安倍政権は情報操作に誰より腐心することに大きな特徴があるが、他方で、その影響も考えずに暴言を吐いたり、ネットに書きこみをしたりすることが少なくない。

・またまたところがだが、この不祥事をテレビはもちろん、新聞も大きく取りあげなかった。こちらは政権に忖度した情報操作といわざるをえない。首相はさすがに外遊を中止したが、政府が災害対策本部を設置したのは、気象庁が「特別警報」を出してから66時間後の8日午前だったのにである。遅れた理由は、首相が外遊にこだわったせいだと言われている。しかし、批判が強くなかったためか、参議院の定数是正(改悪)は、被災地対策そっちのけで強行採決して、カジノ法案も続けて成立させるつもりのようである。

・こんなひどい政権なのに、支持率は回復しつづけているから、もうあきれるしかない。メディアも駄目だが国民も駄目。「驕る平家は久しからず」という格言が通用しない、おかしな世界になってしまっている。

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