2025年1月20日月曜日

民放テレビの終わりの始まり

 
山梨県の民放テレビはNTVとTBS系列局の2つしかない。ケーブルテレビを使えば見ることができるのだが、その必要性は感じていない。見たい番組が少ないし、見ればCMの多さにうんざりして、途中でやめてしまうことが多いからだ。そんな気持ちはますます強くなっている。たとえば正月の定番になった箱根駅伝はNTVの中継で毎年楽しみに見ているが、CMで中断するたびに、またかと今年もうんざりしてしまった。

もっとも我が家は難視聴地域にあって、その日の天候などによって映ったり映らなかったりする。以前はそれでも我慢して見ていたのだが、最近はネットのTverでも見ることができるから、今年も往路はパソコンをテレビに接続して見た。Tverでは他にも「ぽつんと一軒家」や「報道特集」などを見ているし、見たいものがYouTubeに載ることもある。とは言え、見たいと思う番組は多くない。

民放テレビはどこも、バラエティ番組が中心のようだ。お笑いタレントたちの馬鹿騒ぎなどは腹が立つだけだから全く見ていない。なぜこんな番組が毎日各局で放送されているのか信じられないが、そんな傾向になってからずいぶん経っている。で、その各局のバラエティ番組に何本も出ていた人気タレントの不祥事が相次いでいるのである。

松本人志が性的行為を強要したとして週刊文春に報道され、テレビから消えたのはおよそ1年前のことだったが、今度は中居正広が、同様の件でやはりポストセブンや週刊文春に報道されたのである。しかも相手はフジテレビの女子アナで、被害にあったことを局の上司に訴えたのだが、それは不問に付されたというのである。これだけでも大問題だが、中居がこの女子アナと二人だけで会食する場を設定したのがフジテレビのスタッフだったとも言われている。

フジテレビは人気タレントをもてなすために女子アナを差し出す「女衒」(ぜげん)をしている。そんな言われ方もされているが、だとすればそれはテレビ局としての存続にもかかわる大問題にもなるだろう。もっともこんな話はテレビ局や芸能界ではこれまでにも公然の秘密のように語られていて、「枕営業」なることばも使われてきた。ジャニー喜多川の少年に対する性行為の強要が大きな問題になって、ジャニーズ事務所が解体し、未だに補償問題が解決されていないのに、またテレビと芸能界にかかわる醜聞である。

この件についてネットでは大騒ぎになったのに、テレビではどの局も全く取り上げてこなかった。中居が声明を出してようやく報道しはじめたが、当のフジテレビの社長が第三者を入れた委員会を作って事実を解明すると発表したのは、大株主の米投資ファンド「ダルトン・インベストメンツ」にそうやれと請求されたからだった。しかもその発表の場は、週刊誌やフリーの記者には秘密にされ、大手の新聞社やテレビ・ラジオ局に限られた。

事実がどうなのかはまだ分からないが、文春報道などが本当だとすれば、フジテレビは停波という存続の危機に見舞われるだろう。フジテレビはかつて、吉本興業などのお笑いタレントを重用した番組を作って「面白くなければテレビじゃない」と豪語したこともあった。しかし、バラエティに特化した番組編成が、会社組織自体を歪ませてきたとすれば、もう公共の電波を使う資格はないと言えるだろう。そして問題は、他の民放局には同様の事例がないのかということである。もう民放の終わりの始まり。そんな大事態にもなりかねない出来事だと思う。

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