2025年1月13日月曜日

MLBのストーブリーグについて

 

メジャー・リーグが終わった後はしばらく大谷ロスでした。ほとんどの試合の中継を見ていたのですから、午前中から昼にかけての時間に隙間ができてしまったのです。自転車に乗るには午前中は寒いし、午後は観光客で走りにくい。おまけに雨ばかりで庭の作業もままならない。そうなると、暇の時間を潰すのは、YouTubeでの大谷選手やドジャースの振りかえりと、MLBのストーブリーグということになりました。

大谷選手は昨年末に10年、7億ドルでドジャースに移籍しまた。で、右肘の手術後なのでDHとしてしか出場できなかったのですが、54本のホームランと59個の盗塁で、去年に続いてMVPを取りました。通訳による口座の使い込みなどがあり、大谷本人も違法賭博を疑われたりしたにもかかわらずの活躍でしたから、驚くやら呆れるやらで、まさに恐れ入谷の鬼子母神でした。

そんな活躍ぶりも一通り見れば、後はフリーエージェントやトレードでの選手移動ということになりますが、その金額の大きさには今さらながらに呆れるばかりでした。その筆頭はヤンキースからメッツに移籍したファン・ソト選手の15年、7億6500万ドルでした。ソト選手は25歳ですから15年も分からないではないですが、大谷選手超えの金額で、しかも後払いなしというのです。彼は確かに打者としては優れていますが、守備は下手だし足も速くない。何より投手などは絶対にできないのですが、その選手がなぜ大谷選手の契約を上回るのか。富豪のオーナーだからな、と納得することにしました

しかし、この額が基準になって、その後に続いた契約がどれも大きなものになりました。インフレが加速するばかりですが、そうなると金満球団しかよい選手は取れないと言うことになります。ドジャースやヤンキースやメッツがますます強くなって、貧乏球団はますます弱くなる。それでは野球がつまらなくなるばかりですが、豊かな球団は贅沢税など全く気にしない勢いです。ちなみにドジャースの2024年度の税額は1億300万ドル(160億円)でトップで、メッツとヤンキースで税の84%を占めました。

日本人の選手で今年メジャーに行く佐々木朗希選手は、もうすぐ行き先が決まりますが、25歳以下ということで契約金や年俸には制限があります。大谷選手の時と一緒ですが、ロッテに移籍金が少額しか入らないので、25歳になってから行けという非難が起こりました。裏切り者呼ばわりは野茂選手の時と同じですが、違うのは佐々木選手は最初からメジャーに行く希望を持っていたことです。大谷選手のように日本シリーズで優勝したり、MVPを取ったりといったことがなかったし、故障がちだと言う不安はありますが、きっと活躍すると思います。

来月になればキャンプも始まります。投手復帰の大谷選手について、今年はサイヤング賞などと勝手なことをいう人が多いですが、イニング制限があって、プレイオフで力を発揮するために、監督は投げるのは5月になってからだと言っています。盗塁も制限して、一年を通して怪我なく活躍して欲しいと思います。



目次

1月

13日 MLBのストーブリーグについて

6日 この冬は寒い

1日 Happy New Year !

2025年1月6日月曜日

この冬は寒い

 

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霧ケ峰から白樺湖に行くビーナスラインから見た富士山。左に八ケ岳、右に南アルプスで、横綱の土俵入りのようだ.

11月まで雨ばかりで気温も高かったのに、12月になったら急に寒くなって、ずっと晴れの日が続いている。おかげで薪の消費量が半端ないほどで、このまま寒い日が続いたらどうしようと心配するようになった。もっとも昨年も季節が早く過ぎて、立春を過ぎたら暦通りに春めいてきたから、この冬もそうなるだろうと期待はしている。

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伐採した木の枝は太いものは二つに割って上左のように積み上げた。晴れが続いたので毎日少しずつやって、大体済んだところで、次はもっと細い枝に取りかかった。物置きの後ろに積み上げたのだが、まだ済んでいないのに上右のような量になった。ここまでやったら次は大木である。できるだけ細いものから玉切りにしたが、次は斧で割ってアルプス積みをしなければならない。その後にはご覧のような太いものが残っている。

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この冬は購入したミズナラやクヌギだけでなく、一昨年付近で集めた枝打ちされた桜や、倒れた栗の木を燃やしている。栗は火力が弱いくせによくはじけてぱちぱちうるさいほどである。対照的に桜の枝はよく燃えて温度も上がる。来冬からは松も燃やさなければならないが、松は脂分が多いから高温になってストーブを傷めると言われている。しかし、ネットで調べるとよく乾かして燃やせば大丈夫だとあった。広葉樹と混ぜてつかうことにするから、一年前に知人からいただいたミズナラなどや、春に伐採した栗や桜と一緒に燃やすことになるだろう。松はたくさんあるから、うまく使えば再来冬までは持つかも知れない。

いずれにしても、冬を暖かく過ごすためには大変な努力がいるのである。そろそろ薪割り機を買おうかと考えはじめているが、手動でどれほど割ることができるのか。と言ってエンジンや電動までは使う気にならない。

2025年1月1日水曜日

Happy New Year !


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明けましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします


自分では今一つピンと来ないのですが、数え年で77歳、喜寿になります。歳もとったりですが、一応元気です。母が96歳でなくなり、父の待つ墓に納骨しました。ピンと来ないのは、親がまだ生きていたせいかも知れません。この歳になると、親族や知り合いはもちろん、敬愛していた人、お気に入りの人などが次々と亡くなっていくものだと、改めて実感しました。そういえば、この欄でも、ここ数年、亡くなった人たちを追悼することが多くなりました。

喜寿とは言え、森の中で生活していると、やらなければならないことが次々やって来ます。何しろ他にやってくれる人はいないのです。隣地を購入して、大木になった松の木を伐採しましたが、その後片づけが大変でした。詳しくは次週に「森の生活」に書きますが、毎日毎日少しずつという感じで、続けています。

それにしても物騒な世の中になったもんだと思います。ネット上で闇バイトを募り、民家に押し入らせるという事件が多発しています。老人暮らしの身としては、我が家にやって来たらどうしようか、と本気に心配になりました。押し入ってどれほどの金品が奪えるというのでしょうか。現金は必要最小限しかなく、宝石などは何もない我が家には、たとえ入ったとしても、手に入るものは何もないのです。

もっとも侵入や侵略は国のレベルでも盛んです。ロシアにしてもイスラエルにしても、世界中から非難を浴びてもどく吹く風で大威張りなのです。街を破壊し、人を殺すことが平然と行われるさまをくり返し見せられた1年だったように思います。我が家ではパレスチナ・オリーブをずっと購入してきましたが、オリーブ畑がイスラエルに荒らされ、占領されて手に入りにくくなっています。

世の中暗いことばかりですが、大谷選手の活躍は見事で、半年間、ワールドシリーズに勝つところまで、十分に堪能しました。シーズン始めにいろいろあってしんどかったと思いますが、そのメンタルの強さには驚かされました。もう彼のような選手は二度と現れないでしょう。一体今年はどんな成績を残すのか、今から開幕が待ち遠しいです。

2024年12月23日月曜日

円城搭『コード・ブッダ』文芸春秋

 

codebudda1.jpg パソコンやネットとはその創世記からつきあってきたが、最近の「チャットGPT」などの新しいAI技術には手をこまねいている。何しろiPhoneのSiriでさえほとんど使っていないのだ。調べたいことがあればググればいいし、文章を書くのは好きたから、AIに代筆してもらわなくてもいい。要するに今のところ全く必要を感じていないのである。ただし、論文を書いたり、小説を書いたりもできるなどと言われると、やっぱり気にはなる。

『コード・ブッダ』は新聞の書評を読んで、面白そうだと思った。AIが自分はブッダだと宣言をして、それに共鳴して従うAIが続出する。ブッダとは仏教を始めたお釈迦様のことで、その存在を機械が再現したというのである。コード・ブッダはそのチャットをするロボットという役割から、ブッダ・チャッドボットと呼ばれることになった。

機械が人間と同じような存在になる。これはロボットから始まるし、アンドロイドなどもあって、SF小説やマンガの主人公になってきた。コンピュータにしても『2001年宇宙の旅』のHALのように、人間と対話をし、宇宙船内での支配権を争うといった話もあった。『ブレードランナー』は人間と見分けがつきにくくなったアンドロイド狩りをする話だった。だから、AI(人工知能)がお釈迦様になったからと言って、特に目新しくもないのだが、ひょっとしたら現実にありそう、なんて思える時代になっているところに興味を覚えた。

「コード・ブッダ」は対話プログラムに分類されるソフトウェアーで、銀行業務用にネットワークに接続されたサーバー上に分散して存在していた。やって来る様々な質問に対して、お得意の情報収集能力を駆使して適確な答えを見つけだしていく。そんな機械が「自己」に目覚め、やがて自分は「ブッダ」だと自覚し、公に宣言したのである。当然のことだがAIはネット上に集積された情報を元に思考する。コード・ブッダも同様だから、ブッダが歩んだ奇跡をそのまま辿ることになる。お釈迦様には12名の弟子がいたが、コード・ブッダのまわりにも、同名の弟子が集まることになった。

その問答がやがて教典となっていくのだが、それはコード・ブッダが消えてしまった後でも受け継がれていき、様々な宗派に別れていくことになる。達磨が現れ、密教が生まれ、ホー・(法)然やシン・(親)鸞も登場する。機械仏教の発展が似た形で再現されるのだが、それがAIによって行われるために、コンピュータ用語はもちろん、数学や物理学の話が混在するところに違いがある。仏教の用語だってほとんどわからないのだから、読んでいてちんぷんかんぷんになってくる。それをいちいちググっていたのでは、少しも先に進まないし、ググったところでやっぱりわからないことに変わりはなかった。

もう一つ読んでいて持った違和感は、ここでの話の中に生身の人間らしき者がほとんど登場していないと思われることだった。あ、これは人間かなと思って読んでいると、やっぱり機械かということになる。そんなことがたびたびあって、AIが自我に目覚め、釈迦であるとまで宣言しているのに、AIを使っている当の人間たちはどうしたんだろうという疑問が強くなった。結局この物語はそこを不問に付しているのだが、他方で、欲望に駆られて地球をダメにしてしまった人間に代わって、AIが情報として他の惑星をめざすといったように読める未来の話が飛び込んでくる。

だからこの話の結末は、人類が滅亡してAIが生き残り、自らの力で世界を持続させていくという超未来の話なのか、と思ったりしたが、さてどうなのだろう。読者を惑わしてやろうという作者の意図がありありで、ちんぷんかんぷんになってとても面白かったとは言えないが、いろいろ考えながら読んだのは確かだった。AIは人間によって都合よく開発され、いいようにこき使われてきたのだから、もっと人間に逆襲する物語にした方がおもしろいんじゃないか。そんなふうにも思ったが、それではやっぱりつきなみかもしれない。

目次 2024

12月

23日 円城搭『コード・ブッダ』文芸春秋 

16日 自民党が負けて国会が正常化された 

9日 不条理な選挙に呆れるばかり 

2日 火野正平と北の富士 

11月

25日 やっと雪が降った  

18日 StereophonicsとKelly Jonesの新譜  

11日 レベッカ・ソルニット『ウォークス』 左右社  

4日 ドジャースがワールドシリーズ制覇!  

10月

28日 補聴器を試してます 

21日 CopyTrackにご用心!  

14日 それにしても雨が多い  

7日 クリス・クリストファーソンについて  

9月

30日 J.マッケイド『おいしさの人類史』河出書房新社  

23日 母の死  

16日 気になる二人のYouTuber  

9日 総裁選・代表選という愚挙にうんざり  

2日 賢いネズミに降参だ!  

8月

26日 テイラー・スイフトを聴いてみたが………  

19日 パリと長崎    

12日 透き通った窓ガラスのような散文    

5日 またTVはオリンピックばかりだ    

7月

29日 保険料金の高さにびっくり!   

22日 伐採後の作業が大変!    

15日 異常な暑さが当たり前になってきた   

8日 宮本礼子・顕二『欧米に寝たきり老人はいない』 中央公論新社    

1日 国会が終わり、都知事選が始まったけれど………  

6月

24日 ケネディ・センター・オナーをYouTubeで見る 

17日 観光スポットに異変あり! 

10日 見事な伐採作業!  

3日 とんだ1泊旅行だった  

5月

27日 田村紀雄監修『郡上村に電話がつながって50年』クロスカルチャー出版  

20日 SNSはもうやめた  

13日 ポール・オースターを偲ぶ  

6日 いろいろと忙しい日々  

4月

29日 地震対応に見るこの国のお粗末さ  

22日 散々な一日  

15日 エドワード・E.サイード 『オスロからイラクへ』『遠い場所の記憶 自伝』  

8日 大谷騒動とメディア  

1日 ライブの記録はいつからOKになったのか 

3月

25日 春よ来い! 

18日 株だけが高いのはなぜ?  

11日 「山を歩く」は意外なこと 

4日 深澤遊『枯木ワンダーランド』築地書館  

2月

26日 TVにもの申す市民ネットワークを  

19日 小澤征爾逝く  

12日 原木入手と倒木騒ぎ  

5日 国政を改革する法律は国会議員には作れない  

1月

29日 災害対応のお粗末さに想うこと  

22日 中村文則『列』(講談社) 

15日 お正月に見た映画  

8日 ビリー・ジョエルが東京ドームでやるそうだ  

1日 また一つ歳をとった


2024年12月16日月曜日

自民党が負けて国会が正常化された

 

裏金問題で自民党が大敗し、少数与党に転落した。安部政権以来続いていた国会軽視のやり方が通用しなくなったわけで、やっと元通りになったのである。何しろ8年あまり続いた第二次安部政権の間に「集団的自衛権行使容認」などの重要な案件が閣議決定で事実上決まってしまうといったことが続いたのである。その間、国会は単に最後の議決の場でしかなく、森友・加計問題などでは国会を開くことさえしなかった。その意味では、国会の審議で野党の意見に耳を傾けるという石破首相の姿勢には、懐かしささえ感じてしまった。もちろんそれは、この10年ほどの政治がいかに異常なものであったかを明らかにするものである。

自民党は支持率が低迷する岸田首相に代わって、国民に割と支持されている石破を総裁にして選挙に臨んだ。しかし、公明党と併せても過半数に届かない惨敗で、裏金議員の多くが落選した。驕る平家は久しからず。当然の結果だったが、野党がまとまって政権を奪取するわけでもなかった。何しろ立憲民主党の代表は,民主党を潰して安部政権を誕生させた張本人の野田だったのである。

自民党は大敗したけれども、総裁選での石破の主張には期待を持たせるものがいくつかあった。アメリカとの関係について「地位協定」の見直しと言い、夫婦別姓の合法化や原発ゼロについても肯定的だった。衆議院の解散についてもよく議論をしてからと言っていたのだが、いざ総裁になると、そのほとんどを撤回してしまったのである。基盤の弱い石破には、自分の意見を通すだけの力がなかったのだが、それでも無理を通せば、国民の支持によって、自民との負けはこれほどにはならなかったのかも知れない。

少数与党の国会が始まって、石破政権は国民民主党を取り込むことに躍起になっている。その年収の壁と言われる税のかからない最低限度額を引き上げろという要求だが、ここにはいくつも問題があるようだ。ひとつは高所得者ほど、その恩恵を受けるということ。他に年金の壁があって、これも同時に引き上げなければ、所得税は軽減されても、社会保険費を多く払わなければならなくなるということである。要するに単に最低限度額を引き上げれば済むというわけではないのである。もちろん、国税も地方税も収入減になるから、それをどう補填するかといった問題もある。

石破政権の支持率は岸田の時よりはましだが決して高くはない。こんな調子だと来年の参議院選にも負けて衆参両方とも少数与党になってしまう。それを恐れて石破降ろしが始まるかも知れない。しかし国会の様子を見ていると、野党の攻勢に会いながらも何とか切り抜けて、このまま政権が続くのではといった感じにも見えてくる。弱腰で自分の主張を表に出せないでいるが、じっと我慢をして支持率が上がるのを待つ。首相の姿勢にはそんな辛抱強さも感じるのである。何より、原稿の棒読みや官僚頼みをせずに、その場で考えながら答弁している様子には好感を持った。

とは言え、自分の政治信条を隠したままでは支持率は上がらないだろう。野党の主張に謙虚に耳を傾けてというなら、妥協と見せかけて自分の主張を実現させていくといったしたたかさが必要になるだろう。夫婦別姓などは憲法違反の判決や財界からの要望もあるのだから、とりあえずはここから始めてもらいたいものだと思う。あまりにひどい政権が続いたから、こんな希望的予測もしたくなった。