・毎週1、2度カヤックに乗って湖に漕ぎ出すようになった。今のところ組みたてて漕ぎだす場所はほぼ一緒だから、乗るたびに時間は長くなっている。しかし、それでもゆっくりとした動きだから、まだまだ河口湖全体を漕ぎ回われていない。ぐるりと一周するためには、たぶん3時間ほどかかるだろう。それをやるためには、腕や胸、それに腹の筋肉がなまりすぎている。ここのところ腰の状態も不安定だし、もちろん手のひらにマメができるうちはだめだ。何より今のところ、半日の時間をのんびり過ごすゆとりがない。
・とは言え、先日は河口湖大橋の下をくぐりに出かけた。週末は水上スキーや釣りのモーターボートで真っ直ぐ進むこともままならない。何しろ横波は禁物で、波が来るたびに直角に向きを変えなければならないからだ。だから遠出は平日の早朝ということになる。カヤックは風を背に受けるとほっておいても進む。橋まではのんびりした漕ぎ方でも簡単に行けた。ところが、そこでUターンをすると、今度は漕いでも漕いでも進まない。まるで腕立てふせを連続でやらされているようなしんどさだが、もちろん途中でやめるわけには行かない。漕がなければカヤックは風を受けて後退をはじめてしまう。まさに「行きはよいよい帰りは恐い」。たっぷり2時間。これでも湖の半分にしかならない。いつもの岸に戻った時にはもうバテバテだった。
・湖から見える風景はやっぱり新鮮だ。新興宗教の建物、あるいは廃屋になったホテルや旅館や別荘。ふだんは近寄ってみることもない場所がかえって気になる。湖と富士山が見える露天風呂は、湖からはまるみえなんじゃないか。へんな好奇心につられて近づいてしまったりする。あるいは湖畔にすむ知人の陶芸家の家。もちろん、大橋の下をくぐったときはやっぱり感激ものだった。もっとも、梅雨に入ってからは富士山がほとんど隠れているから、富士に向かって漕ぐというシーンはない。
・梅雨空とはいえ、暖かくなってきたから、週末には釣り客で早朝からにぎわっている。だから糸を引っかけないように気をつけなければならない。もっともその釣り客が針や糸を捨てていくから、漕ぎだすときや戻るときにもカヤックに引っかけないよう辺りに気をつけなければならない。とにかく河口湖の週末はこみすぎている。
・そんなこともあって日曜日の夕方、西湖に出かけてみた。大学のオリエンテーション・キャンプをやった「くわるび」のあたりには、ウィンドウ・サーフィンをする人がちらほら、釣り客も河口湖にくらべるとぐっと少ない。溶岩がむきだしの対岸まで漕いでみた。西湖は青木ヶ原の樹海の端にあたる。まだ明るさが残っているとはいえ、湖の真ん中あたりまで来ると、溶岩と樹海にちょっとたじろぐ感じがする。
・「カントリーレイク」でカヌーの指導員をしている人は、一度、湖に落ちた方がいいという。ひっくり返ることになれておかないと、そうなったときにパニックになるからというのだ。たとえば水上スキーやウィンドウサーフィンをしている人は、水の中にいる方が多いんじゃないかと思うほどによくこけている。それを見ていると、ついつい笑ってしまうし、どうってことはないような気がする。落ちても必ず浮くように、ライフジャケットも着ているのだから、何も怖がることはないのだが、船体をわざと傾けるのは躊躇してしまう。
・しかし、もう少し暑くなったら、かならずやってみようと思う。西湖や本栖湖は水深があるから万が一の時のために経験は積んでおかなければならない。などと、我ながらだらしがない。
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unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。