2001年8月11日土曜日

夏休み大工


forest10-1.jpeg・ムササビはまだ屋根裏にいる。いつもきまって夜9時頃に出勤して、明け方4時半頃に帰ってくる。ぼくはまだ一度も見ていないが、早起きのパートナーがビデオに収めてくれた。かなり大きく見えるが、毛がふさふさしているから、実際のところは大きさはよくわからない。


・実は、なんとか屋根裏から引っ越してもらおうと思って、小屋をつくった。大昔に本箱をつくった木で、できそこないだったから、すぐにばらしてしまったが、30年近く捨てずにおいていたものだ。とにかく、ぼくのパートナーは物持ちがよくて、いつまでも捨てずにとっておく癖がある。しまっておいてよく忘れるから、まるでカケスだ。しかし、今回はその木が役に立った。

forest10-3.jpeg・ぼくにとっては久しぶりの大工仕事だったが、鋸で切って釘を打つだけの簡単なものだったから、2時間ほどでできあがった。しかし、我ながらいい出来で、思わずにんまり………。さあ、どこに据えつけるか。ムササビの通り道を考えて、バルコニーの脇に生えている欅の木にすることにした。


・しかし、2階の屋根の高さにかけるためには梯子だけではたりない。とりあえず、幹に針金でくくりつけたが、ひくすぎてムササビに無視されるのは明らかだった。そこで、庭においてあるテーブルをバルコニーに運びあげて、その上に梯子をおくことにした。これでなんとか、最初の枝の上に乗せることができる。しかし、梯子の上まで登ると、相当高い。しかも不安定だ。ぼくは高所恐怖症だから、最初からどきどきだが、片手に小屋をもって登るから、もう一歩一歩がこわくて、枝に手が届くまでが大変だった。


・やっと枝に小屋を乗せて、今度は針金での固定。これが、片手でしっかり幹にしがみついての作業だから、なかなか思うようにいかない。手を伸ばすと、梯子がぐらっとする。心臓がかゆくなるのを我慢しての作業だった。そんなにしてがんばった甲斐があって、下に降りて見上げるとなかなかいい感じ。あとはムササビに気づいてもらうこと。住み心地の良さそうな小屋だと思わせることだが、さて、どうしたものか………。

forest10-4.jpeg・ひとつ考えたのが餌でおびきよせる作戦。最初は、「健康菓仁」という名の木の実を置いた。しかし、何日経っても、食べた形跡はない。そこで、今度はひまわりの種を置くことにした。ところが、さっぱり寄りつかない。どうもムササビは屋根への通路に、もう一本上の枝をつかっていて、小屋のところまでは降りてこないようだ。もう10日ほどになるが、いまだに、ムササビは屋根裏で寝泊まりしている。何とかしたいが、次の作戦はまだ考えていない。

 

・昼間バルコニーで読書をすることがあるが、本や筆記用具、煙草、灰皿、珈琲カップ等々を椅子のまわりの床に置くと、取るのが面倒だった。ムササビの小屋で自信をもったから、今度はテーブルをつくってみようかという気になった。材木は、工房をつくったときの端切れがたくさん残っている。庭においてあるテーブルを参考にしながら、簡単な設計図を書いて、製作にかかる。ほぞをかませるのは面倒だと思ってはじめはやらなかったのだが、やっぱり釘だけではぐらぐらして心許ない。そこでノミで穴を開けることにした。本当はきちっと寸法を測らなければいけないのだろうが、目検討で適当にやった。しかし、組み立てて見るとなかなかいい出来。ここでまた、にんまりしてしまった。

・さっそく、つかってみる。いい感じ。午後は家の中では蒸し暑いから、ほとんど本を読む気にならなかったが、これなら、午後の時間も有効につかえそうだ。ところが、そのあと数日、午後になると必ず夕立が降った。なかなかうまくはいかないし、今度は濡れっぱなしにするのが気になった。で、次は塗装。DIYの店に買いに行くことにした。色は何にしようか、あれこれ考えた。やっぱり、焦げ茶、あるいはモスグリーン、思いきって黄色なんてのもおもしろいかも………。いろいろ迷った末に、透明のラッカーにきめた。材木はフィンランド・パインだから、やっぱり木の色と木目を生かした方がいい。カンナで角を取って、ヤスリをかけて、塗装。

forest10-7.jpeg・こんなにうまくいくと、次々に創作意欲がわいてくる。これでは読書のためのテーブルつくりのはずが、本はそっちのけで、大工仕事ばかりをやってしまいそうだ。もう8月も後半で、夏休みも半分以上が過ぎた。しかし、予定した仕事は計画通りには進んでいない。ほとんど閉じこもり状態でいるのだが、カヤック以外にもうひとつやりたいことができてしまった。活字を追いかけることがますますほったらかしになりそうだ。しかし、アマゾンに注文した本やCDが届いたから、読書を新鮮な気持ちでやろう。せっかくバルコニーのテーブルができたのだから。

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unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。