2004年1月19日月曜日

CDの値段

 

george1.jpeg・輸入盤のCDの値段が下がっている。新譜でも1300円前後で手に入る。日本版は同じものでも3000円ほどしているが、違いはアルバムやミュージシャンの解説や日本語訳の歌詞カードぐらいだ。そこに1000円以上の価値があるとはとても思えないが、それがほしくて買う人は、いったいどのくらいいるのだろうか。そのほかに、クラシック・ロックがリメイク盤として、1000円均一で売り出されている。60年代から70年代にかけてのロックの名盤といわれるものばかりだから、若い人で興味のある人にはたまらない値段だと思う。
・僕はレコードがCDに変わったときに大概のものは買い直した。今から考えるととんでもない額になるが、1000円ならと、見落としたもの、買い控えたものをさらに揃えようとチェックし直している。まだ出はじめたばかりだから買いたいものは多くはないが、これからの品揃えによってはまた大量に購入ということになるのかもしれない。とりあえず手に入れたのははブライアン・イーノ"Music for Airports"、タンジェリン・ドリーム"Phaedra"など。

morrison6.jpeg・ところで、CDが本当に売れていないようだ。買いたいものがないから、簡単にコピーできるから、と理由はいろいろあるだろう。洋盤の値下げはその対策の一つなのだろうか。あるいは単に円高の影響か。昔のものをリメイクというのも、新しいものが売れないからこその対応策なのだろうか。
・とはいえ、好きなミュージシャンの新譜も少なくない。スティング"Sacred Love"、プリテンダーズ"Loose Screw"、ヴァン・モリソン"What's Wrong With This Picture" "Vanthology: A Tribute to Van Morrison、ジョージ・ハリソン追悼記念コンサート "Concert for George"、トラヴィス"12 Memories"。

travis4.jpeg・スティングもプリテンダーズもヴァン・モリソンもいい。いつもながらの安定したできといったものだが、若いトラヴィスもREMを思い出させる音作りで、ちょっと新境地が感じられた。"Vanthology"はヴァン・モリソンの歌を多くのミュージシャンがカバーしたものだ。地味だが影響力のあるミュージシャンならばこそ、といったアルバムに仕上がっている。
・どれも、ただ聴いているだけでも十分楽しめるが、どれもまた、ことばを味わう価値がある。それをしないのは、おいしい料理の半分しか食べないのと同じで、何とももったいない。スティングはタイトルどおりラブ・ソングが多い。しかしたとえば1曲目のようになかなか哲学的で意味深いものがある。


sting3.jpeg 扉が愛で封印された中
眠った心の中
手袋の中の指の中
………
星が移動する、その外
世界が燃えている、その外
………
愛は絶え間なく争う子ども
愛は世界の果ての炎 "Inside"

・洋楽を聴かない大学生が言う理由は、決まって「歌詞がわからない」といったものだ。高校までで十分理解できるだけの英語を習っているはずだが、はなからわからないと決めつけてしまっている。だったら、日本人の歌う歌におもしろい歌詞はあるのか。そんな質問をしても、やっぱりはっきりした応えは返ってこない。だから、語学力の問題ではなく、歌のことばに対する関心のなさなのではないかと思ったりする。
barakan1.jpeg・ピーター・バラカンの『ロックの英詞を読む』(集英社)は、有名なミュージシャンの代表作ばかりを集め、その英語の歌詞に日本語訳をつけたものだが、その歌やミュージシャンや使われていることばについて、彼ならではの説明や解釈があって、なかなかおもしろい。こんなふうな読み方をすれば歌詞の意味はもちろん、英語にも興味がもてるのではないかと思う。

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unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。