2011年8月22日月曜日

残暑お見舞い申し上げます

・昨年に続いて厳しい暑さになりました。いかがお過ごしでしょうか。

・ぼろくそに言われ続けた菅首相が、とうとう退陣することになりました。辞任要求にははっきりした理由がわからないのに、大半の人が当然視するというおかしな事態でした。特に脱原発を支持する世論が7割を超えていて、その声を自らの政策に積極的に取りこもうとしたのに、支持率が下がり続けたことは、理解に苦しむ現象だったと今でも思います。次の首相が誰になっても、脱原発の政策はトーンダウンが明らかですから、その真意はさっぱりわからない気がします。とは言え、ふり返れば、鳩山前首相も同じようにして政権の座を追われ、彼が主張した普天間基地の国外、あるいは県外移転は雲散霧消してしまったのですから、まったく同じことがくり返されたことになります。

・僕は人間として、政治家の力量としての鳩山や菅を支持するわけではありませんが、彼らが掲げ、実行しようとした政策の多くは、今でも支持し続けたいと思っています。それは「沖縄の基地負担軽減」「脱原発」「子ども手当と高校授業料の無償化」など、多くのものがあって、そこにはあるべき社会の姿を考えたビジョンと理念があると思うからです。そして、この2年間、国会はもちろん、メディアにも、民主党が掲げた政策について、その理念をもとにした議論はほとんどなかったように思います。

・沖縄にある基地を本土並みに減らすことは、アメリカとの関係をどうするのかという問題につながります。そのことは、鳩山前首相の腰砕けを批判したところで、けっしてなくなるわけではありません。彼は強硬なアメリカの姿勢に屈服したという以上に、既存の状態を保とうとする政治家や官僚の「抵抗勢力」に負けたのです。

・菅首相の「脱原発」政策は3.11以降の深刻な福島原発事故の影響から生まれたものでした。それ以前には、原発をクリーン・エネルギーとし、CO2削減のために将来的には電力の50%を原発でまかなう計画を掲げていました。しかし、自民党政権時代には民主党は原発を過渡的なエネルギーとして規定していましたから、政権を取ったことで、やっぱり、政官財の保守勢力に妥協した結果だったのです。

・原発事故がもたらした被害、これから起こるであろうさまざまな影響の前に、大半の人びとは原発に依存しない社会を未来に期待しています。それに向けて、「再生エネルギー法案」などのいくつかの法律が国会を通りました。しかし、その多くは骨抜きというほどではないにしても、エネルギー政策の大転換というにはほど遠いものでしかありません。政治に妥協が避けられないのは確かなことでしょう。しかし、これで多少とも流れが変わるという見通しが立たないのでは、何ともやりきれない思いが残ってしまいます。

・「子ども手当」や「高校授業料無償化」は自公両党からばらまきとして批判され、民主党も大きく譲歩せざるを得なくなりました。しかし、この政策が、「子どもを育てる責任が親や家庭だけでなく社会にもある」という理念に基づくものであることが、ほとんど議論になりませんでした。長期政権をばらまきによって維持してきた自民党に言われる筋合いのない批判だと思いますが、政策ではなく政局と数の論理に明け暮れた国会の象徴と言えるものだった思います。

・次の総理を選ぶ民主党代表選の立候補者は「馬鹿野郎」だそうです。馬淵、鹿野、野田に陰で動く小沢一郎で、これに経産省の操り人形でしかなかった海江田も手を上げました。「馬鹿野郎」が冗談や皮肉ではなく事実ですから、とても笑う気にはなれません。

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unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。