1999年7月28日水曜日

メールを通じて届いたミニコミなど


  • 最近安直な相談をしてくるメールが相次いでいる。たとえば、レポートの課題について、どんな本を読んだらいいのかわからない、といったもの。これは文面から授業を聞いていないことがありありで、受け取った方としては、それこそ「ムカ」ついてしまう。もちろんどこの誰かも書いてない。HPがこんな学生を助ける道具になってはかなわないから、僕は返事を出さないことにしている。本当は叱ってやりたいところだが、よその学校の生徒をそんなところまで面倒見る気はない。
  • これほどひどくはないにしても、とにかく、ごくごく初歩的な相談が多い。図書館でちょっと調べたらわかること、大きな本屋さんの棚をひとめぐりしたら見つかりそうなことを、恥ずかしげもなく聞いてくる。この人たちには、受け取る者がどう思うか想像する力がないのだろうか。まったく失礼な話だが、たぶん、そんなふうに指摘されてもピンと来ないに違いない。
  • もちろん、楽しくなるメールもある。
  • 一つはアラニス・モリセットのHPを作っている吉本さんから。HPに載せた僕のコンサート・レビューを読んでメールをくれたのである。彼女のHPのタイトルは「Alanis World」。一見したら、彼女がどれだけアラニスを好きかということがよくわかる。興味のある人にはぜひ訪ねてほしいと思う。あと、トム・ウェイツのレビューを読んで、本を紹介してくれた人もいたし、『ピンク・フロイド 幻燈の迷宮』(八幡書店)の著者である今井壮之助さんから、文献リストの中に入れて下さいというメールをいただいた。こういうメールがもっとあるといいなと思う。
  • もう一つは『雨 花 石』(yu-hua-shi)というミニコミを出版している竹本さんから。ミニコミには個人や小集団のメディアとして長い歴史があって、僕はそれをテーマに調べたり考えたりしたことがある。60年代や70年代のにぎやかさを頂点にして衰退し、ホームページの出現によってその役割を終えたようにも感じていたが、今でも、その有効性を評価して作っている人がいることをあらためて知らされた。
  • 『雨 花 石』は投稿誌のようだ。月間で11号まで出ている。年間購読料は3000円だが、5000円に値上げするようだ。カラーのページもあって、内容も盛りだくさん。商業雑誌と違ってミニコミには広告収入はほとんど期待できないから、けっして高くはないと思う。今月号の特集は「どんなふうになってたい?!」
    27さいで再び学生になった。なんでそうなったかは自分でもよくわからないが、とにかくそうなった。授業料や生活費をかせぎ出しつつ授業に出る。授業ではギャルたちと机を並べる。ギャルたちの笑いさざめく声………。ギャルは素敵だ!!
  • 僕が所属する学部でも今年から大学院を新設した。何人もの社会人が入学してきたが、僕のところにも、高校の先生が一人勉強に来ている。先生の仕事がすんでからの学生生活。しんどそうだが、楽しそうだ。現役の学生よりもはるかに勉強もして、生き生きした感じがする。「どんなふうになりたいか」という気持ちは、若い人だけの専売特許ではない。
  • 投稿には長いものも短いものもある。「爬虫類観察日記」「走りの遺伝子」(バイク乗りのツーリング劇場)「朝日池総合農場」(大地を感じる農場のページ)「飛行機写真家日記」「予備校教師で悪かったな」。活字に手書き、マンガやイラスト、写真等々………。その多様さと登場人物の多さから、このミニコミが人びとのつながりやコミュニケーションの場になっていることがよくわかる。
  • この雑誌にはHPの日記や掲示板、あるいはチャットのような雰囲気が感じられる。HPのような雑誌なら、HPの方が簡単で安上がりなのにと思ってしまうが、竹本さんはデジタルではなくアナログの雑誌が持つ魅力を信じている。『雨 花 石』を手にすると、そんな気持ちが伝わってくる気がする。関心のある人は掲示板によるやりとりも行われているようだから、訪問したらいいと思う。
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    unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。