2001年9月3日月曜日

NTT はなくなるべきだと思う

  • 僕のパートナーが今年から携帯を使いはじめた。電源はほとんどオフ状態で、たまに出かけるときだけもち歩く。メールの転送などもセットしているのだが、最近やたらに出会い系サイトなどのジャンク・メールが届くという。NTTは着信にお金を取るから、もうそのたびに腹を立てていて、携帯のアドレスを変えた。
  • ジャンク・メールに対する苦情は、まずは差出人に向けられるべきものだろう。男女の殺傷事件などで話題になっているこんな時期に、メールを無数に出しまくる出会い系サイトには、強い非難が向けられて当然だ。いったい何を考えているのか、と思う。けれども、それで収入を得ているNTTはなぜ知らん顔なんだろう。僕はこっちの方がよっぽどおかしいと思っている。もっともこのような姿勢は、ダイヤル伝言板やダイヤルQ2が社会問題になったときから一向に変わっていない。簡単にいえば、無責任な金儲け主義。
  • だいたいNTTにはパソコン通信をはじめたときから、腹に据えかねるような思いをくり返し持たされてきた。たとえば、パソコンを電話回線につなぐのに、電話と同じ料金を払わなければならないこと。このために、パソコン通信、あるいはその後のインターネットをするのに、毎月数千円から数万円の電話料を払わなければならなくなったこと。そのような理不尽さに批判が集中して、NTTがやっと重い腰を上げて「テレホーダイ」という中途半端なサービスをはじめたこと。だから、インターネットを落ち着いて楽しむためには、夜更かしをするか、早起きをするかしなければならなかったこと。もっとも、これもいまだに変わっていない。サービス精神の欠如。
  • もちろん不満はそれですむものではない。大学でインターネットにつなぎっぱなしという環境ができて、NTTにお金を払っているのは、インターネットへのゲートの通行料だということにあらためて気がついた。インターネットは個別のネットワーク同士がそれぞれ手をつなぎあって、それが世界大のクモの巣(WWW)に成長したもので、基本的にはアクセスにお金がかからないはずなのだが、その入り口まで行くのに高額の電話料を取られる。この意味ではNTTは関所を勝手につくって通行料を徴収した幕府と同じなのである。国営企業の体質まるだし。
  • 電話回線では通信速度にかぎりがある。そこでNTTが宣伝して利用を進めたのがISDNなのだが、韓国などでは既存の回線を使ったDSLというシステムで高速の環境を普及させていて、それが日本以上にインターネットへの関心を高めている。このようなことがほんの数年前に話題になって、DSLが日本で普及しない原因がISDNを放棄したくないNTTの都合によることが明らかにされた。ISDNにすれば、工事費や使用料などにそうとうのお金を取られる。それで多少のスピード・アップをしたことに喜んでいた人も多いと思うが、何のことはない。既存の回線ではるかにスピードの速いシステムがあったのである。自らの失敗のつけを利用者に負担させて知らん顔。
  • 携帯電話でメールのやりとりやインターネット接続ができるようになって、NTTはあたかも、その開拓者のような顔をしている。しかし、パソコン通信から現在までのプロセスを見ていると、NTTはくり返し、その利己主義的な体質で、その発展や普及の障壁になってきたことがわかる。まったくいい気なものなのである。ところが、契約合戦で熱かった「マイライン」はNTTの一人勝ち。藤原紀香や松坂慶子の説得もまるで通じなかったようである。しかしこれも、NTTが努力したせいではない。手続きをしなければ自動的にNTTと契約したことになるという、ハンディキャップつきレースだったせいにすぎない。
  • あまり話題にはされないが、IT社会への対応を急ぐという国の政策にとってNTTが大きな障壁になってきたことはまちがいない。実際接続料の高さを指摘されて国が動いたのはアメリカからの外圧だったりしたのだ。電話にもインターネット接続業にも民間業者が参入して一見、競争システムになっているかのようだが、NTTの既得権益の大きさに、どこも苦戦を強いられている。もうNTTなど使いたくない。僕は何年も前からそう思っているが、他に選択しようがなかったりするから本当にしゃくにさわる。
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    unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。