2010年3月15日月曜日

グラミーを見て買ったCD


Greenday"21st Century Breakdown"
Tracy Chapman"Our Bright Future" "Where You Live"
Eminem"Relapse"
Tom Waits "Glitter and Doom Tour"

・Wowowでグラミー賞の生中継を見た。特に興味があったわけではないが、ディランがノミネートされていたし、U2やスプリングスティーン、そしてトレイシー・チャップマンの名前もあった。結果的には誰も受賞しなかったが、トレイシー・チャップマンとグリーンデイ、そしてエミネムのアルバムを買った。

greenday2.jpg ・グリーンデイの"21st Century Berakdown"はなかなかいい。前作の"American Idiot"でうるさいだけのバンドではないことを発見したが、今度のアルバムもじっくり聴かせる作品に仕上がっている。全体が一つの物語になっていて、一人の人間の日常から21世紀になった世界の現状に対する批判が歌いこまれている。「絶望的だが希望がないわけではない」「敵を知ってるか、君の敵、そう敵を知るべきだ」。歌詞には強いメッセージが散在している。



tracy3.jpg・今の世界の危うさを危惧するのはトレイシー・チャップマンも同じだ。"Our Bright Future"は逆説的なタイトルで、同名の曲では、「それはもう過去のこと」と歌われている。殉教者になった息子を持つ父と、無垢で生まれたけど栄光に憧れて傷ついた息子たちに問いかける、輝く未来が過ぎ去ったところに連れてこられたんだね、と。あるいは「夢のために」という題名の歌では、幸せな大家族と一緒にマントルを囲む様子を描いて、「そんな記憶は信用しない」と歌い、でも「夢のためにはいいんだ」とも歌う。


tracy4.jpg・気づかなかったが、彼女は2005年にもアルバムを出していて、それも一緒に買ってみた。"Where You Live"というタイトルだ。トレイシー・チャップマンの歌は、どのアルバムのどの歌も、ただ聴いているだけなら、ほとんど同じように聞こえてくる。それはそれで悪くはないが、何を歌っているかを確かめなければ、彼女の魅力はわからない。2枚のアルバムを続けて聴いていて、改めてそう感じた。流行や傾向にはまったく無関心だがそのメッセージには、国や人種や世代や宗教を越えて、今を共有しているという手応えがある。


もし今日死ぬことがわかったら
もし今日神と愛に出会うとわかったら
あなたは変わるだろうか
もし、わかっていると思っているすべてのことが
あなたの生活を絶えられないものにするとしたら
あなたは変わるだろうか "Change"

eminem1.jpg ・エミネムの"Relapse"ははじめて買ったアルバムだ。白人のラッパーとして人気があって、自伝的な映画の"8miles"はずいぶん話題にもなった。その8マイルが彼が生まれ育ったデトロイトの街で、白人と黒人の住む場所を隔てる距離だと聞いて映画は見たが、CDは買わなかった。ラップにはどうもなじめないという感想をずっともっていたからだ。そんな気持ちは"Relapse"を聴いても変わらない。数年ぶりのアルバムで、間に引退騒ぎもあったようだ。



tomwaits1.jpg ・もう一枚、グラミーとは関係なかったがトム・ウェイツのライブアルバムを買った。「きらめきと滅びのツアー」というタイトルで、アルバムにはミラノ、パリ、そしてダブリンなどでのコンサートが収録されている。中には35分間のおしゃべもあって、楽しいライブであることはよくわかる。以前のライブ盤で、レストランで食事をしていておばあちゃんの詐欺にあった話をしている部分があった。「私が席を立つときに『バイ・マム』といって欲しい」と言われたのだが、自分がレジに行くと、そのおばあさんの分まで請求されたという話だった。場内は大爆笑で、彼のライブの魅力は、こんな話がはさまれることにある。ぜひ生で聴いてみたいミュージシャンの一人だが、日本では難しいだろうと思う。

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unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。