・いつから始まったのか不確かだが、町の企画した「紅葉祭り」が終わった。年々人が増えて、休みの日は大渋滞になったりもして、迷惑だと感じる思いがその分、増している。車道に人が溢れて、車にお構いなしに横断したり、カメラを構えて車道にはみだしたりするから、運転していてひやっとしたり、いらついたりすることが何度もあった。当然、自転車もこの間は一度も乗らずじまいで、その分、誰もいない付近の山歩きや、薪作りに汗を流した。
・11 月に入って登った山は、まず、山中湖の大平山。湖の北岸からほぼ直線的に一時間ほど登ると、目の前に富士山があらわれた。眼下に山中湖、遠くには南アルプスや丹沢のやまなみ。ちょうど昼時だったから、頂上には十数人の人たちがいた。おむすびとリンゴを食べた。来た富士演習場から砲弾の響きがうるさかった。飯盛山、長池山を歩いて湖畔に戻る。帰りに「ファイヤーライフ山梨」によって薪にする木を四立米注文した。
・翌週は芦川村のスズラン群生地の駐車場に車を止め、林道を歩いてどんべい峠から黒岳に登った。黒岳は御坂山塊の最高峰で河口湖から北を見ると、一番目立つ峰だ。途中、ブナとみずならの林があり、積もった落ち葉を踏んで登った。群生していたトリカブトが種をつけていたので、袋に一杯摘んで持ち帰った。家のまわりに蒔いたら、紫の花畑ができるかもしれない。黒岳の展望台は富士山を見るポイントだが、黄砂の影響でかすんでしまっていた。
・若彦トンネルができて、芦川村には毎週のように野菜を買いに行くようになった。で、ついでにしばらくは、芦川周辺の山を歩こうということになって、芦川村から甲府に抜ける新鳥坂トンネル野手前に車を停めて、鶯宿峠までに尾根歩きをした。上り下りがきつくてコースを誤ったと後悔したが後の祭り。鶯宿峠から林道を下り、県道を芦川村まで戻って、さらに新鳥坂トンネルまで歩いたのだが、ほとんど休まずにたっぷりと五時間以上かかった。しんどかったが、紅葉が素晴らしかったし、葉っぱが両面表という変わった檜も見ることができた、それに、眼下に見下ろす甲府の町もなかなかの景色だった。
・芦川村の三回目は、どんべい峠まで車であがり、釈迦ヶ岳を目指した。前回が強行軍だったから、今回は楽をして往復二時間だけ。釈迦ヶ岳の山頂近くはロープの着いた急坂でちょっときつかったが、岩場の頂上は360度のパノラマで、雪化粧した富士山や南アルプスの山並み、そして八ヶ岳が美しかった。日差しがきつくTシャツでのんびりした。帰りがけに同年齢のカップルと行き違ったが、出会ったのはその人たちだけ。そういえば、先週は山の中では誰とも出会わなかった。こんな景色を独り占めできるとは何と贅沢なことか。下界で味わう憂鬱さがつかの間解消される瞬間である。
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unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。