・春めいて雪ではなく雨が降る日が多くなった。まだまだ寒いから、あと1ヶ月以上は薪ストーブで暖をとる必要がある。一年乾かした薪も残りが少なくなって、次の冬のために薪作りに精出している。少し大きい新しいストーブにしたので、今年は9立米の原木を購入して、一月ほどをかけて切って割って積んで乾かしてきた。楢(なら)の木で固くて重いから割るのも積むのも大変だが、燃やした時の火持ちと暖かさは、他の木では得られない心地よさを与えてくれる。
・薪は森の恵みだ。ミズナラ、コナラ、クヌギなどは里山に目立つ木で、薪や炭、そしてもちろん木材としても使われてきた。ドングリがなるから、山の生き物たちの食料としても、欠かせない役割を果たしてきた。そんな雑木の森が杉や檜の森に変えられたのは、材木としての利用を考えたからだが、安価な外材の輸入が増加すると、採算が合わなくなって伐採されずに放置されることになった。山歩きをしていても、杉や檜の荒れた薄暗い森を抜けて、広葉樹の森に入るとほっとすることがある。山の森をその土地にあった木々で再生することの重要性は、山歩きをするたびに感じることである。
・震災で残ったがれきの始末について、その焼却処分を日本全国で分担しようという動きが始まっている。放射能を排気しない処置や灰の処分地をどこにするかなど、しっかり定めないと放射能の拡散を引き起こしてしまうとして反対運動も強いようだ。しかし、がれきの処分は燃やすだけではない。海岸線にコンクリートの大堤防を作るのではなく、穴を掘ってがれきを埋め、小高い丘のようにして、そこにその土地にあった雑木を植えていくことを提言する人がいる。ここでも、放射能の問題をきちんと考慮する必要があるが、環境的にも景観的にも無機質なコンクリートよりはずっといいプランだと思った。提案するのは、これまでに日本はもとより世界中で植林を続けてきている宮脇 昭さんだ。その主張や実績を教えてくれる動画が、YouTubeにはいくつもある。
東東日本大震災 現地調査(宮脇 昭 緊急提言)
いのちを守る森づくり 〜東日本大震災復興〜
森の再生の第一人者=宮脇昭1/2
・森の恵みや木の力を実感し、それに日々感謝する生活をしているから、この提言と実践には諸手を挙げて賛成し、僕も参加してみたいと思った。